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今、経営者に必要なリスキリングとは何か?

 起業してすでに4か月が経ちます。その間、事業の立ち上げに労力を注いできましたが、改めて学ばなくてはならないスキル・知識が思いの他たくさんありました。社員は私一人ですので、すべて自分でやる必要があります。ITリテラシー、セールスライティング、予算管理や法律知識等。会社にいれば色んな部署の人にお願いしていたことをすべて自分でやらなくてはならず、改めて、これまで色んな人に助けられながら仕事をしていたのだな、と実感した次第です。

 私のように立場や役割が変わって新たなスキル・知識が必要になるケースもありますが、仕事は変わらないものの環境変化によって新たなスキルが必要となる場合もあります。それをリスキリングと言います。DX(※)の波が押し寄せ、多くのビジネスパーソンはリスキリングが求められております。特に、生まれたときはアナログ環境で、その後学習によってデジタル環境に合わせてきた、いわゆる『デジタルイミグラント』と言われる40代、50代は、これからスキルを大幅に見直さざる得ない状況に直面しそうです。

※)デジタルトランスフォーメーションの略、デジタル技術によってビジネスや生活形態が変容していくという意味。

 しかし、環境変化はDXだけではありません。日本では、今後、労働力人口が大幅に減少するという大きな環境変化が始まっています。企業はこれまで以上に人財獲得が難くなります。特にこれから成長しようとする中小企業にとっては死活問題になるでしょう。そのため、現在勤めてもらっている社員により長く働いてもらうために、エンゲージメント(企業への愛着)を引き出し、貢献意欲を高めてもらう必要があります。つまり、これまでの財務・営業中心の経営から、組織・人事のプライオリティを上げた経営にシフトしていく必要があり、経営者自身も経営スキルのリスキリングが必要になってきます。

 経営者のリスキリング、具体的には二つポイントあると思います。
1)ミッション・ビジョン・バリューを明確にするだけではなく、その背景にある哲学を明確にし、自分の言葉で社員に発信、時に対話しながら共感を求めていく
2)人事・教育・組織開発の仕組み(制度)を構築し、自分の思いを実現する“参謀”として位置づけ、その制度運用のPDCAに深く関与する。

 経営者は、深い洞察を背景にした思いが伝わる発信スキルが大切になると同時に、様々な組織・人事に関する情報を統合、分析し的確な意思決定ができるスキルを今まで以上に高めて行く必要があります。そしてこのスキルは、財務やマーケティングと違い、人や組織の感情を読み解くセンスも大切になります。

 経営者がリスキリングし、組織として愚直かつ継続的にエンゲージメントを高めるアプローチを続けていくことで、人財不足の時代においても社員や採用候補者、顧客、さらには社会を魅了し続けられる企業に変貌していくと考えます。