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なぜ人材アセスメントは人のやる気を奪うのか?

「そんなことは常識でしょ」
先日、ソニー生命が行った、社会人1・2年目を対象に「一番やる気を奪う上司・先輩の言葉」の調査で上位にランクされた言葉の一つです。仕事には当然として一定の基準や”常識“が必要になるので、その知識が足りない若手には良く使われてしまう言葉なのしょう。ただ、言外に「そんなことも知らないの?」といった態度が見え隠れするような言い方ですと、多くの若手がモチベーションを落とし、こういったランキングで上位に上げられてしまいます。

私はこういったことを若手に伝える際は、それを伝える意図を明確にしておくことが大切になってくると思います。相手の無知を責めるのではなく、“相手の将来のため”、“組織のため”というベースがあれば自ずと言い方も変わってくるように思います。
「まだ、経験がないから知らなかったと思うけど、会社ではこういったことが常識になってるんだよね、知っておくと役立つよ」
ここまでやる?と思われる方も多いかもしれませんが、組織の関係性を良好に維持していくには、こういった伝え方の丁寧さがとても大切になります。

話は、人材アセスメントに移ります。
この取り扱いも気を付けないと、受検者のやる気を著しく奪うことになります。アセスメントもある意味で「常識」を押し付けることになるからです。例えば、四つのタイプが分かるアセスメントを受けたとします。あなたはCタイプ(冷静・論理的)だったのですが、職場メンバーの多くはAタイプ(情熱・活動的)で、会社の雰囲気としてもAタイプを評価しているように感じ取られるような場合、Cタイプが何か会社の常識から外れ、疎外感を感じるのではないでしょうか。

こういったことを防ぐためにも、人材アセスメントの結果は、データで渡すだけでなく、こちらも丁寧な説明が必要になります。外部支援者のような客観的な立場の人が結果をフィードバックし、タイプCの良さ、強みなど一緒に紐解き、いまの仕事でどのような場面で強みを活かせ、チームに貢献できているか、レポートやデータにはない部分を一緒に発見していくプロセスが大切になります。
そのプロセスを通じて、初めて、それが“常識外”と思われていたデータが、“個性ある強み”として受け止めてもらえるようになるのです。

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