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スギ薬局がしてくれた、小さなサービス

レジ袋が有料化した2020年7月1日、私は名古屋に住んでいた。新卒で入社した会社で本社は東京、私は中部支店に配属になったからだった。

有料化がスタートしてから、もうすぐで3年になるらしい。始まった当初は、いろんな議論をいろんなところで見かけた。

私はといえば、仕事中にお昼を買いにコンビニに入ったとき、大きなとんかつ弁当を抱えながら歩くのが恥ずかしい! と思った。家のゴミ箱にはもらえるレジ袋をつけていたから、それにも「困るなあ」と思っていた。

エコバックを持つようになってからは、お会計が終わった商品をレジ台の上、店員さんの目の前で入れることがちょっとだけ「うぅ……」と感じていた。

店員さんから見れば、私の後ろに並んでいる人が見ていて、「急いでください!」とは誰からも言われてはいないものの、店員さんも、それこそ並んでいる人も「まだかなア?」と思ってるんじゃないかと考えてしまう。

後ろに人が並んでいないときは、目の前の店員さんから「ああ……そんなふうにいれたら持ちにくいよ」と、袋詰めのプロからそう思われているような気が、勝手にしてしまっていた。

すごい気にしいなわけではないし、今はそんなこと気にもしないけれど、今までは経験していなかった分、新しい心労のように感じたのだった。


ところが、そのおかげで私はスギ薬局の素晴らしいサービスに出会えたのだ。

スギ薬局は愛知県に本社を置くドラッグストアで、愛知県ではマツキヨやウエルシアよりも、至るところにスギ薬局がある。

ある日の会社帰り、洗濯用洗剤と歯ブラシを買おうと帰り道にあるスギ薬局に入った。レジ袋が有料化して数ヶ月、レジに並んでいる間に財布とエコバックを用意する癖がついていた。

そして私がお会計のターン。商品を出し、店員さんがバーコードをスキャンする。すぐにお会計を済ませ、エコバックに入れるーーー

「レジ袋……じゃなくてエコバックですか?」

ふと、店員さんにそう聞かれた。

「え……あ、はい! エコバックです!」

「では、そのエコバックをお渡しいただければ私が入れますね。その間にカードやお会計をご準備ください」にこり。


え……?

い、入れてくれる……??


「あ、はい」その笑顔と一緒に出された手に、私は片脇にいれていたエコバックを渡す。すると、レジ袋だったときと同じように、私のエコバックの中に店員さんが商品を入れてくれた。


それ以来、私はスギ薬局をよく使う。その店員さんだけかと思いきや、スギ薬局では多くの店員さんがそうしてくれるからだ。

レジ袋有料化に伴った新しいサービスの形。変化にこうして対応できる企業努力を体感したのだった。

”終わりよければすべてよし” になれましたか?もし、そうだったら嬉しいなあ。あなたの1日を彩れたサポートは、私の1日を鮮やかにできるよう、大好きな本に使わせていただければと思います。