見出し画像

なぜ、連結会計が解けないのか… 〜8回目で合格を目指す簿記2級②〜

工業簿記は前回の記事で書いたから、今度は商業簿記。全体的に受験生の愚痴になることを容赦して欲しい。

仕訳、個別問題、精算表、財務諸表と並ぶ試験範囲で、今いちばん苦手とするのは仕訳だ。いちばん苦手と言ったが、これは合格点を取るためのボトルネックが仕訳であるという意味であって、決して「連結精算表は得意だ」と言っているわけではない。合格のためには、第3問は8点取れれば十分だと思っているだけのことだ。

正直、商業簿記については合格を狙える程度に理解しているとは言いがたく、8回目の試験を控える今も相変わらずボーダーラインの戦いをしている。ボーダーに乗ったのも、おそらく5回目あたりからだろう。第2問は難問が出なければ16点確保できるし、第3問は最初から8点以上は狙っていない。だから次回に向けては第1問の仕訳をもれなくつぶす対策をとる。

連結会計の「難しさ」

それにしても、最初に受験したのが第147回であり、これまでの7回の受験は連結会計との戦いと言っても過言ではなかった。なぜ連結会計はこれほどまでに難問なのだろうか。

簿記は仕訳の積み重ねだ。仕訳は考慮要素が多いほど難しく、特殊な判断方法があるとめんどくさく、複数の仕訳が連続で行われるとわけがわからなくなる。

「連結会計という仕訳」は存在しない。その代わりに、「連結会計という一連の仕訳」が存在する。仕訳のモジュールが単独にあるのではなく、複数が束ねられて出題されていることが、ぼくたちが連結会計で苦戦する最大の理由だ。

開始仕訳か、連結修正仕訳か

参考書を開くと、連結会計は「開始仕訳」と「連結修正仕訳」で構成されているとある。そして実際の問題を見ると、問題文の大半には後者の連結修正仕訳のための知識が書かれている。開始仕訳に関しては、子会社の支配取得時の資産と負債の計算方法が載っているくらいだ。

だから勉強を始めるときは、「連結修正仕訳をしっかりできるようにならないといけないんだな」という意識を持ってしまうが、実はこれが間違いであった。そう気づかされたのがここ数回の試験問題だった。

開始仕訳は支配を取得した年から毎年の積み重ねが必要になる、という特性があるので、制限時間がある試験では、それほど開始仕訳に時間の取られる問題が出ることはない。そう思っていたのだが、連結精算表が出題された第151回は連結4年度で2つの子会社を持つ会社からの出題だった。その次の第153回では流石に子会社は1つだったが、同じく連結4年度で、こっちはアップストリームを含む問題だった。

どちらも受験した本人の感想としては、より嫌だったのは第151回の方だ。第153回アップストリームは即死属性、早々に諦められる問題だ。だが、そもそも連結4年度といっても、2回目の出題となれば、こちらとしてもそれなりの準備はしているものだ。この第153回は目標の8点を確保できたが、この問題も、開始仕訳の基本しか押さえていない者にとっては、連結4年度であること自体がスタートでつまづく壁だ。

なぜ、連結会計が解けないのか

第一の理由は明白で、単純に知識外のことが問われているからである。

第二の理由は連結4年度の問題が出ていることだ。連結4年度であること自体が問題なのではない。4年度であることによって、開始仕訳のための情報が一見全く足りてないように見えるのが問題なのだ。参考書によっては、昨年度までの当期純利益を計算する方法が初っ端からわからないのである。

さらにいうと、予備校や解法ブログなどで計算方法がわかっていたとしても、当期純利益が正しく算出できるところまでたどり着けるとは到底思えない。非支配株主持分も、時間をかけて算出するメリットが乏しい。

例えば、のれんで部分点を取り、純資産もあわよくば部分点をとるくらいはできる。あとは簡単な連結修正仕訳で点を取れば、連結会計といえど8点行けるはずだ。だから、その先を解こうとしてはいけない。残った時間は仕訳の見直しに使うべきなのだ。

連結修正仕訳よりも開始仕訳の方が重要、というのが次回以降の連結会計問題の常識になると思っているが、どうなんだろう。1級でこいつがどういう扱いを受けてきたのかが気になるところだ。