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ボーッとするか、集中するか。30年積み重ねた結果。

パン屋に、プロのシェフが仕入れにやってきました。

シェフ氏、パンを満載したバッグを担いだら、ちょっと世間話をしていかれます。先日は、この道30年で身体がボロボロ、と笑っていました。

右手はばね指で自由に動かない。左手は包丁で何度も切って傷だらけ。右肩から上腕にかけては、熱い油を浴びたせいで皮膚に火傷跡が残っているそう。

話を聞いていた私は、うらやましいな、と思いました。傷を負うことではなく、その結果が、です。身勝手ではありますが。

負傷しつつも、努力を重ね、プロとしてのスキルを身につけ、自分の店を持てたわけです。たまに食べに行くんですが、おいしくて、いつも繁盛しています。30年の積み重ね、ですよね。

私は30代後半になって、真剣に取り組んだことが何一つ無いことに気づいて愕然としました。だから、シェフ氏がうらやましいのです。

人生は、何歳からだってやり直しはできると信じています。しかし、30年をボーッと生きた後で、改めて30年の積み重ねを始めるのは不可能でしょう。

そういう意味では人生は、やり直せない、一回きりの難しいゲームのようでもあります。


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