「ズレズレなるままに」大谷結婚でホッとした人たち

 実に上手いなぁと思います、大谷翔平さん。逃げたり、隠したりすると追いかけるのが犬と記者の習性です。
だから自分から切り出してしまえば、そこで終了。週刊誌なんかは相手探しに奔走するかもしれませんが、少なくともスポーツ紙やテレビはこれ以上、手を出せなくなります。取材拒否にあったらマズいからね。マスコミ嫌いの大谷さんだからこそ、先手打ってきたんでしょうか。

 今回は慶事だから並べて評するのは申し訳ないけど、取材対応は“先手必勝”に限るんですよ。不祥事とかスキャンダルで失敗したひとたち、大抵は最初に知らん顔とウソついて泥沼です。
 ところが、最初に謝ったり素直に応じると、記者って意外に追いかけづらい。まぁ人の不幸でメシ喰う商売ですから、バチバチにならないと興味が薄れるのかもしれません。

 さて今回の話を聞いて、真っ先に思ったのは「大谷担当さんたち、ホッとしてんだろうな」ってことです。
今の世の中、いくら「プライバシー」とか「人権」なんて格好つけたところで、やっぱりこの手の話が好きなのは、テレビや新聞の騒ぎっぷりをみれば分かるし、周辺の既婚・未婚問わず女性たちのソワソワぶり(関係ないのにね🤭)でも分かります。

 芸能担当記者ばかりじゃなく、例えばプロ野球担当だって未婚でスター選手がいれば「結婚を抜け!」なんてデスクや部長からプレッシャーかけられます。野球には関係ないけど、大きなニュースだから。かつては、その1面で新聞売れたし。
だから大谷担当さんたち、常にどこかで「他社に抜かれたらどうしよ」とビクビクしてたと思います。だからこそ、一斉発表に胸をなでおろしてるだろうなと、想像してます。
他社に抜かれたときの記者の心中、ホント落ち着かないもんです。世間的にはどうでもいいネタでも、他社の記者の顔とか、取材対象の顔が浮かんで、恥ずかしいならまだいい。「自分は記者として劣ってる」なんて無駄に凹んだり(すぐ忘れちゃうけど)。

そういえば…。ずいぶん昔、松井秀喜さんの結婚を抜いたのは、所属していたサンケイスポーツでした。担当のA記者はかなり食い込んでいたし頑張ったと思います。
あのときは、デスクと部長、必要な幹部とその他数人にしか伝えず、新聞の最終版で1面をひっくり返すという、編集局内でも驚くような、かなり慎重な対応でした。
 なぜかといえば、今は知りませんが、新聞同士が「早版交換」をしていたり、地域によっては販売店が早版を抜き取って編集に伝えるなんてことが、普通に行われていたからです。

と、まぁ昔話はこのへんで。今は抜かれても、すぐにウェブで追いかけられるし、若い記者さんたちは、そんなに気にしてないのかもしれませんね。

 おそらく、数日は大谷さんの話で持ち切りでしょう。政治倫理審査会が行われた日の発表だったから、またぞろ「陰謀論だ!」とか叫ぶオモロイ人は出てくるんですかね?🥴 

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