「ズレズレなるままに」野球界の正解って?

 海の向こうから「今日のポルシェは…」ってな話題ばかりで、なかなかプロ野球のキャンプ情報の扱いが少ない。そう思ってネットを見ていたら、中日の涌井秀章投手に関する中スポのコラムを拝読しました。書いたのはずいぶん前に移籍した元サンスポの同僚記者、頑張ってますな。
 さて涌井さん。「シート打撃に登板して、ここまで約500球が全部まっすぐ」という話。彼曰く「まっすぐが一番しんどい。それが一番身につく」。さらに「困ったらアウトロー、いつでも投げられようにしたい」とも。
 記者も書いているけど、私らの時代は「とにかくまっすぐを磨く」というのが投手の王道だった気がします。あの大魔神・佐々木さんだって「まっすぐあってのフォーク」って言ってたしね。

 最近は球速はもとより、球種が豊富なことがもてはやされたり、「走り込みは意味がない」とか意見もあって、「昔は悪」って空気は一体どうなってんだろ? と思います。
 それをダルビッシュが言ったり、解析研究とかの大学のセンセイが「意見」として言うのは分かります、実体験や研究結果だから。ただ、ヤフコメなんかに書いてる人が「走り込みはダメ」とか「アウトローは古い」って断じてるの目にすると、「あなた経験者ですか?」って思っちゃう。

 涌井さん、ロッテ時代に担当したことがあります。ちょっと記者泣かせなところもあるんだけど、本質的な質問にはちゃんと答えるし、打たれた試合でも取材対応してくれたもんです。さすがに内容は書けないけど、意外とフランクな話で盛り上がるときもありました。何よりストイックでよく走ってた印象です。
楽天に移籍した年のキャンプでは、私がNPBの職員としてコミッショナーのお供で行ったら、わざわざ練習中なのに駆け寄ってきて「お久しぶりです」って挨拶に来てくれる好青年でしたよ。
 だから今回の記事を見て、変わってなくて少し安心しました。チーム状況は厳しいけど頑張ってほしい選手です。

 ところで、元記者として気になることもたくさんあります。特にテレビに多いけど、例えば「今日は◯◯が30球の投げ込みを行いました!」。えっ、30球って投げ込んでる数字か? 投げ込みってせめて100とかからじゃないの?
 それから、ツーシームを“変化球”というのも、ちょっとアレ?って感じ。そもそもはシーム、縫い目に指を何本かけてるかでしょ。
 時代が違うからこれも正解は分からないけど、昔は「ツーシームは汚い球」って言われてて、フォーシームで「糸を引くようなきれいなストレート」が褒められていました。それがいつしか「動く」というので市民権(?)を得たと、某球界OBには言われものです。
 他にも、スポーツ紙なんかが打撃練習で「柵越え◯発」とか「ヒット性◯本」といのは、担当さんが地味に「正」の字書いてカウントしてるんです。頑張って!
それはいいとして、投手が打撃投手を務めたという記事でも、ちょっとおかしいの見かけます。
「バットをへし折った」はまだしも、「打者◯人に安打を許さなかった」って書く人(デスクの指示か?)いるけど、打撃投手は「打たせる」のが仕事。抑えちゃいけなくて、気持ちよく打者に打ってもらわなきゃいけないんですよ。投手としては、打者に向かって指定されたコースにきっちり投げられるかが大事なわけ。新人投手とかエースの原稿書きたいのは分かるけど、本質が間違ってるのはねぇ…。最近もやっるのかな?
 ともあれ、プロ野球も練習試合に続いてオープン戦が始まれば、報道量も増えてくるでしょ。シーズンも間もなくですな。

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