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写真集9

いつも見ていただきて、ありがとうございます。

連日の雷の轟と豪雨。そろそろ梅雨明けして欲しいものです。
一方で天候が荒れているほうが、面白い写真が撮れるので、それはそれで楽しんでます。
最近は気温も上昇し、蒸し暑さは真夏の様相です。
寒さ、暑さは写真に写りませんから、涼しく撮影したいものです。

さて、今回は撮影でお手本としている写真集です。
風景写真を撮っているので、風景写真集が紹介の中心となります。
(私の場合は、風景写真系列の気象写真科目でしょうかw)
写真集のお手本どおりに撮るのは、とても難しいですね。


「田舎」 前田真三

1冊目は、前田真三氏の「田舎」です。
前田真三氏といえば、風景写真や山岳写真で超有名。レジェンドです。
沢山の写真集が出ていますが、私が所有しているのは「田舎」だけです。
図書館に行くと、前田氏の写真集が必ずあるので、購入する機会がなかったためです。
1997年に発刊なので、ご存命の最後の頃に発刊された写真集です。

「田舎」は、少し高い場所から、もしくは目線の高さで撮られた写真で、近くから遠くまでピントが合っているパンフォーカスで撮影されています。
撮影機材は、LINHOF、TOYOFIELDの4×5の大判カメラか、Hasselbladの中判カメラで撮影されています。
大判、中判なので、三脚を立てて撮影になるでしょうから、目線の高さの写真になるのも納得です。
この写真集は、1970年から1980年代に撮影されたもので構成されており、日本人が思い描く「田舎」が写し込まれています。
大判、中判で撮影されていることもあり、解像度はもちろん、発色も美しく、さすが前田真三氏!と思う写真で構成されています。

私が、Hasselbladで風景撮影するのは、前田真三氏の影響を受けているのかもしれません。


「天地声聞」 竹内敏信

2冊目は、竹内敏信氏の「天地声聞」(「声」の難しい漢字が探し出せなかった)です。
櫻など、他にも写真集がありますが、この写真集が、私の撮影スタイルに近いので手に入れました。
古本が手頃価格だったので購入したのですが、裏表紙に竹内氏の直筆サインが入ってました。古本の世界では、直筆サインは「汚れ」で扱われることが多いみたいで、お手頃価格なのは嬉しい限りです(^^)

バンダナがトレードマークの竹内氏ですが、現在の風景写真は、もれなく竹内氏のテクニックが生きています。

風景写真の撮り方が、前田真三氏などの昔の撮り方と違います。
簡単に上げると次のとおりです。
 ・それまでの風景写真は大判、中判が多数を占める中、35mmフイルムで撮影している。
 ・昔は単焦点での撮影が常識だったが、ズームレンズで撮影している。
 ・昔はパンフォーカスだったが、ボケ、長時間露光による被写体ブレ(水の流れ)を多用して表現の幅を広げている。
 ・空の青さ、水面の反射のコントロールなどを、PLフィルターを使って行っている。
 ・電線、ガードレール、コンクリートなどの人工物(環境三悪というらしい)は徹底的に排除する(前田真三氏の写真には、電信柱が写ってます)
 ・マクロレンズで接写したものも多い。

他にもあると思いますが、今の風景写真の撮影テクニックは、竹内氏によるものと言えます。
雑誌などで、いろいろテクニックが紹介されていますが、竹内敏信氏のほぼ受け売りですね。


「THE NEW LANDSCAPE MANUAL」 竹内敏信

3冊目も、竹内敏信氏です。
「THE NEW LANDSCAPE MANUAL」は、写真集といよりテクニック本です。
この本は、シチュエーション、被写体別に写真1枚1枚に、撮影時の心がまえから始まり、作品の概説、レンズ、露出、フレーミング、ライティングについて書かれており、下手なノウハウ本よりも実践的です。
この本は、勉強になります。


「竹内敏信の風景写真入門」 竹内敏信

4冊目も、竹内敏信氏の「竹内敏信の風景写真入門」です。
テクニック本ですが、風景写真ということもあり、春夏秋冬で被写体別に説明されています。説明に使われている写真は写真集からのものですので、撮影時の設定以外にも、どういうところに注目(気を付けて)しているかが、出し惜しみなく紹介されています。
私がよく撮影する雲海の撮り方も紹介されています。撮影のテクニックは竹内氏の撮影方法をなぞって撮ってます。
ポイントがキッチリおさえてあり、風景写真のテクニックの基礎はこれ一冊で充分じゃないかと思います。
古本も安くなってますので、一読の価値はあると思います。


「光の詩集 BRILLIANCE」 江口愼一

5冊目は、江口愼一氏の「光の詩集 BRILLIANCE」です。
マクロレンズによる接写なんですが、ボケと色がとても美しい写真集です。
蜘蛛の糸の虹色はもちろんですが、花や虫もこんなに美しいのかと感動します。
写真の発色がとても美しく、とろけるような色のグラデーションに見とれてしまいます。
水滴写真は、言わずと知れた素晴らしい出来上がりです。
花の一部の写真も多く、マクロレンズはこう写さなければならないという固定観念を破った感じです。目から鱗です(^^)


さいごに

今回は、風景写真を中心に紹介しました。
現在の風景写真の撮影テクニックは、竹内敏信氏が確立したもので、竹内敏信氏を知らない人でも、PLフィルターを使うほど浸透しました。
雨の日にシャワーキャップを使う小技も竹内氏からです。
竹内氏は、環境三悪(電線、ガードレール、コンクリートなどの人工物)を排除した写真(原風景)に取り組まれており、風景写真といえば環境三悪を写らないようにするといったセオリーまで浸透したように思えます。
(電線もガードレールも、これだけ溢れている国は、日本だけでしょうから、現代日本らしい光景と思います)
竹内氏は、闘病後は夫婦で撮影をされていたようですが、昨年(2022年)に他界されました。
今、キャノンオープンギャラリー1(品川)で
  竹内敏信・生誕80周年 記念展 「日本人の原風景を求めて」
が開催されているので、ぜひ見に行きたいと思ってます。



最後まで見ていただき、ありがとうございました。


五老ヶ岳山頂の雲海



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