見出し画像

いつか全国に広げたい、OITA夢プロジェクト。その根底には確たる育成理念が存在する

大分県にグラスルーツを持つ選手たち

大分で育ったプロサッカー選手ってこんなにいたのかー!

…と、思わず感嘆してしまうラインナップ。2021年12月25日に開催される「OITA夢プロジェクト」という小学生向けのサッカーイベントの参加予定選手たちです。松原健と岩田智輝(ともに横浜F・マリノス)、松本昌也(ジュビロ磐田)を筆頭に、大分トリニータアカデミーや県下各地の町クラブ出身の、華々しい面々が並んでます。女子もいつのまにかこんなに育っていたんだなーと、感慨深いばかり。

スクリーンショット 2021-11-03 0.33.33

この選手たちが、大分スポーツ公園に一挙集合します。大分では過去に例を見ない一大イベント。移籍なども絡んでくる時期なのでもしかしたら参加予定者の変更もあるかもしれませんが、逆に新たな参加者が登場するサプライズもあるかも!

スクリーンショット 2021-11-03 0.06.18

イベントは2部制で、1部は選手による小学生対象のサッカーふれあい教室。2部は小学5・6年生対象のトレーニングとミニゲームです。参加条件などは以下からご確認ください。

元Jリーガー・浦本雅志のたゆまぬ挑戦

イベントの発起人は、このnoteでも紹介したことのある浦本雅志さん。大分県中津市生まれの元Jリーガーで、現役時代はアビスパ福岡などで活躍し、現在は故郷でFCジュニオールというサッカークラブを立ち上げて選手育成に携わっています。大分トリニータのサポーターさんになら「あの浦本賢太郎選手のお兄さん」と言えば通りがいいかもしれません。

浦本さんは育成指導に関してたゆまず模索を続けており、これまでにも先進的な取り組みを積極的に行ってきました。以下はこのnoteで紹介させていただいた、浦本さんの活動のごく一部です。

熱心な人のところには熱心な人が集まってくる。そんな浦本さんとともに活動しようと中津にやってきたのが給田洋右(きゅうた・ようすけ)さんです。複数のJクラブでマネージャーやスクールコーチを務めたあと、単身メキシコに渡って指導経験を積み、帰国してあちこちを渡り歩きながら育成指導に携わっているという経歴の持ち主です。

画像3

会えば育成の話ばかり。でも彼らの指導理論は毎回、新たな局面を迎えているので新鮮で仕方ない。

今回「OITA夢プロジェクト」の件で連絡を取った際にも浦本さんがいきなり「俺たちねえ、いままでのやりかた、間違ってたことに気づいたの」と言い出したので、思わずお茶噴きました。詳しく聞いてみると「選手の自主性の引き出し方」へのアプローチに関する方針変更の話。ざっくり言えば「海外の先進的な育成指導法をそのまま取り入れても日本人にはフィットしない。そこから日本人向けにアレンジしていく必要があった」というようなことで、目から鱗な新展開でした。

ノー・アングリー、フリー・プレー

浦本さんはこのイベントに先駆けて、12月4日、U-10年代向けに「子どもの自主性、創造性、可能性をのばす」意図を持つ『ノー・アングリー、フリー・プレー カップ』も主催。主旨は以下のとおりです。

合言葉は『怒鳴らない』『心を解放する』。サッカーの喜びは試合でプレーすることですが、10歳以下の選手は試合機会が少なく、機会を得てもコーチに勝利を求められて満足のいく出場ができない子も少な くありません。さらに各年代の発育発達段階に適していない大会レギュレーションが多く、プレーに関われる選手とそうでない選手の差が激しく、せっかくの試合機会を生かせていないことも多く見かけます。そういう課題を解消し、選手の成長に寄り添った大会を大分県で開催いたします。

ピッチサイズは小学生用コートの半分にあたる50×34m、ゴールは小学生用サイズ。給水タイムを含む20分1本を5試合行う中で、全選手が40分以上出場することが約束です。オフサイドありで、相手のゴールキック時にはボール保持チームに時間とスペースを与えるためミドルゾーンより後ろにポジショニングするというルールも設けました。

コーチや保護者が1回怒鳴るとイエローカード1枚を提示。通算2枚受けた場合は退場処分となって、次の1試合は一切チームに関わることが不可になります。これは自制心が試されそう(笑)。

アスリートの社会貢献が全国に広がるように

浦本さんの活動は育成指導にとどまらず、最近では精神疾患や精神障害を持つ人たちへの治療の一環にサッカーを取り入れている地元クリニックにも協力するなど、サッカーを通じていろんな角度から社会貢献しています。そうやって本格的にサッカー活動に取り組むために、務めていた会社も退職して、プロ育成指導者へと転身しました。

その熱心な呼びかけで、今回の「OITA夢プロジェクト」は実現します。

自らの後輩にあたるたくさんの大分出身プロサッカー選手たちと時間をかけてやりとりする中で、浦本さんの考えに賛同して、選手たちが集まってくれました。

こうして眺めると、あらためて、大分の地からこれだけのプレーヤーが育っていることに驚きと感慨を覚えます。県内各地の少年団や町クラブ、トリニータのスクールやアカデミー、素晴らしい。引き続き頑張ってもらいたいです。このイベントが大分の育成指導への刺激になれば最高ですね。そしてそういう勢いがいずれ全国へ、そして他競技にも広がってくれればと、浦本さんは力を込めます。

イベントの運営費や選手たちへの謝礼の足しにするべく、またプロジェクトの賛同者の輪を広げようと、現在、クラウドファンディングも実施中。11月17日が締切となります。

返礼品の中にはイベント参加選手着用サイン入りのオリジナルジャージ上下セットやベンチコートも!

ちょっと特別な今年のクリスマス。近隣のサッカー少年たちが夢と憧れを胸に、サッカー選手としての成長を誓う一日になりますように!

文章を書いて生計を立てています。楽しんでいただけましたらサポートお願いいたします♪