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「目標」という名の快感物質。

人は「快感を求めて生きている」と言っても過言ではない。

目標を達成すると満足する。
美味しいものを食べれば幸せを感じる。
運動で1番になれば喜んで大はしゃぎする。

快感や満足の基本になるのは…..
食べる、セックスする、子どもを育てる、
他人を思いやる、つらい訓練に耐えて技術を習得する、
困っている人を助ける、目標を立てて努力し達成するなど……

それに加えて、何かを理解したり、それまでの謎が解けたりといった
知的活動の過程にも大きな喜びがある。

これらの行動をすることによって、違法薬物を摂取することなく、
快感や満足感が感じる仕組みがヒトの脳内に備わっている。

この仕組みのことを「報酬系」という。
この脳内の回路の主役は「ドーパミン」という快楽物質。

だから、ドーパミンの魅力は、はかりしれない。

このドーパミンの力を「違法薬物」は使っている。
脳内でドーパミンとアドレナリンを発生させる物質を使って….
脳を興奮させる「アッパー」だろうが、
脳を抑制する「ダウナー」だろうが、
脳と身体を蝕むばかりではなく、誰にも幸せをもたらさない。

違法薬物によって、どれだけ元気が出て…..
快感が増して、ダイエットが容易にできて
努力なんかしないでプラス効果があろうが…..

続けていれば、脳に「耐性」ができて、依存は止まらなくなる。

そして、その代償はあまりにも大きい。
脳の神経細胞へのダメージ、離脱症状、薬物乱用者となっていく。

僕は時々思うことがある。

もしかしたら…..
それはヒトが「目標」を持って、努力することと変わらないかもしれない。

同じ喜びや快感を求めている。
達成感や快楽を求めている。
脳内のドーパミンという報酬系の物質を使って、似たようなことをしているのかもしれない。

でも、冷静に考えてみると大切なことに気がつく。
「違法薬物と目標」の間にある決定的な違い。

それは、違法薬物が得られる快楽は一時的という事。

一方、「目標」を持って努力したり、誰かを思いやって得られる満足感は….
それを続けていく限り、ずっと続き、生きる大きな喜びにつながっていく。

もしかしたら「目標」だって、脳の仕組み上では、麻薬のようなものかもしれない。
だけど、それは自分も含めて、人々や社会を幸福にしていく大切な薬なのだと思う。

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