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一度は訪れたい!魅力溢れるカリフォルニアのワイナリー

この文章は去年の7月にFacebookで投稿された、新しいカリフォルニアワイナリーの今を捉えた文章です。
人々とワインがフレンドリーに繋がりを持っていることがわかる、興味深い内容になってます。
これを読むと、カリフォルニアに行きたい欲が高まるコト必至ですw

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ワイナリーの形態

「ワイナリー」の形は様々です。
ボルドー左岸だと、それがお城のような構えだったり。
ブルゴーニュの小さなドメーヌだと、それが石造りの古民家だったり。
ワイン造りを共同施設で行っている無形のブランドだったり。。。

カリフォルニアにはいろんな形の「ワイナリー」が存在しています。
ナパ・ヴァレーでよく見る形は、いわゆる「ワイナリー」っぽい建物の中に醸造設備と樽熟成をするカーヴがあり、フルサービスのテイスティングルームが併設されています。
ナパ・ヴァレーに関してはボルドーと少し似ていて、ほとんどの場合テイスティングルームを一歩出ると、そこには広大な自社畑が広がっています。
その他には、都会や住宅地の街の中にある「シティ・ワイナリー」や、携帯の電波も届かない山奥に小屋と畑がある「ポツンと系」も珍しくはありません。

さて・・・
今回はソノマの2つの「ワイナリー」の形のご紹介です。

Scribe Winery

ナパ側のカーネロスの丘陵地帯を抜けてソノマの街に入る少し手前の山の麓にスクライブはあります。
実はこの場所・・・
1800年代から「ワイナリー」があった場所で、当時ドイツ人の移民がソノマで初めてリースリングとシルヴァーナーを植樹したと言われています。
その時に建設された「ハシエンダ」と呼ばれる古民家は自宅兼醸造場として使われていました。
禁酒法時代には合言葉を知る者のみが集う隠れ家Bar「スピークイージー」として流行しました。
後にここは養鶏所となり、そして廃墟と化しました。
2007年、荒れ果てたこの土地とボロボロになった「ハシエンダ」を見つけたアンドリューとアダム。
ここで「ワイナリー」を再開し、この土地はスクライブ・ワイナリーとして息を吹き返します。


アンドリューとアダムが考えた「ワイナリー」・・・
その形は「スピークイージー」のように人々が集う場所で、情報交換をしたり都会の暮らしのストレスを発散できる場所でした。
現在ではカリフォルニアの重要建築物に指定されている「ハシエンダ」の中にはソファーやコーヒーテーブルが置かれ、ゆったりとしたテイスティング・ルームとして使われています。

「ハシエンダ」を一歩出た前に広がるのは、スクライブの自社畑で、ここには100年前と同じリースリングとシルヴァーナーが植えられています。
工場のようなニュアンスが伝わってしまう醸造設備は、あえて別の場所に構え、この「ワイナリー」で楽しめるのは自然に囲まれた開放感と、ナチュラルに造られた体に優しいワインの数々、そして有機栽培の畑の一角で育った野菜で作ったおつまみを来訪者に楽しんでもらいます。

Pax Wines

同じソノマの「ワイナリー」でも違った形で人々を魅了するのがパックスです。
パックスはセバストポルの街の中の商業施設「ザ・バーロー」に「ワイナリー」を構えています。

飲食店、販売店など多くのテナントがギュッと凝縮して集まったオシャレなスポットで、周りには畑の「は」の字もなく、地元の人からすれば「いつも行く所」で、観光客からすればいわゆる観光スポットです。
ここの一区画にあるガラス張りのパックスのテイスティング・ルームにはソファーとバーカウンターがコンパクトに設置されていて、地元のワインラバー達がPCを開いて仕事をしながらワインを楽しむ風景も見られます。バーカウンターにはパックスのワインがケグから楽しめるタップが設置されていて、地産地消の取り組みも感じられます。

テイスティングルームの奥の広大な屋内スペースには醸造設備とカーヴが設置されていて、ここではパックスのワインが造られている他、Martha Stoumen、Jolie-Laide、Monte Rio、Raen等の若い駆け出しの地元の醸造家達がパックスに場所を借りてワイン造りをしています。

設備を使う上でのルールが一つだけあります。
それは・・・

”醸造施設には自然界に存在しない物の持ち込みが不可”

「ナチュラルにワインを造る」がコンセプトのパックスならではのアイディアです。結果、ブドウがオーガニックで栽培されていることは大前提となり、培養酵母や酵素等は当然許されないワインが出来上がるのです。

まとめ

ワインだけで見てみると、スクライブとパックスのワインには共通点があります。
どちらもエネルギーに満ち溢れたフレッシュ感があり、品種らしさがしっかりと感じられるピュアかつ複雑なワインです。
ですが「ワイナリー」を比べてみると、異なった形でのこだわりを共に表現しています。
畑を眺めながら自然と一体化してワインを楽しむパターンと、忙しい日常の中でソファーでリラックスしながらほんのひとときを楽しむパターン。
形は違えど、どちらも近隣住民や観光客にとって憩いの場であることは間違いないんです。


海外に行ける日々が一日も早く戻りますように・・・

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