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カリフォルニア山火事事情

この時期はブドウ収穫の話題とともに「山火事」のニュースが聞こえてきます。

今現在、カリフォルニアで猛威を振るっているは
「ディキシー・ファイヤー」
と呼ばれるサクラメント北東の山火事です。

また、同時多発的にカリフォルニアでは大小様々な山火事が起こってます。

そして、あまり報道されませんが世界的にも山火事は猛威を振るってます。南仏、スペイン、ポルトガル、モンテネグロ、ギリシャ、ロシアなどの欧州や、はたまた中東にもその被害が及んでいるそうです。

立て続けに起こる山火事、ここ最近だけの話ではありません。

カリフォルニアでは、毎年の事象です。
日本でいう台風のようなものです。
ですが日本の台風と同様にカリフォルニアの山火事も年々、件数と被害状況が悪化の一途を辿っています。

もちろん人災の側面もあるのですが、今まで以上に大規模な火災になってしまうのは環境変化による側面が大きく、台風同様に厄介な自然災害です。

何が原因で火災が起こるのか判別は難しいのですが、
なぜこれだけの燃え広がりを見せるのか?

これには理由は大きくは2つ。
①気候変動
②強風

が主な原因とされてます。

近年、カリフォルニア州の気温は上昇し続けています。
干魃による乾燥によりシエラネバダ山脈の積雪量は減り、春の雪解け水の量が減少、草木に必要な湿気も同様に減少しています。このような環境では大火災が発生しやすく、急速に乾燥した草木に燃え広がることになります。

また、アメリカ大盆地に発生した高気圧から吹き出した風が、シエラネバダ山を越え、フェーン現象を起こし、高温となって吹き降りる「ディアブロ・ウィンド(悪魔の風)」と呼ばれる乾燥した強風によって、あっという間に火災は広がります。

これだけ頻繁に起こる「山火事」

もちろん、州政府も対策に約1000億円の巨額の予算を投じてます。ですのでカリフォルニアの消防本部は世界最大で、且つ消防ヘリなどの設備も最新鋭です。

ですが、思ったほどの事前の備えが出来ていません。
研究によると、実効性が最も高いのは、野焼きです。
しかし空気を汚すことはカリフォルニア人が嫌うところで、なかなか実行されないということと、広大な土地の一部だけを上手くコントロールしながら焼失させることが難しいというのが現実です。
また多くの家屋は、最新の耐火仕様になっておらず、火がつくとあっという間に燃えてしまいます。

山火事は家屋や森林、農作物や人命を燃やすだけではなく、環境にも多大な影響を与えます。

主には大気汚染です。

現在広がりを見せる
「キャルドア・ファイヤー」
によりタホ湖盆地周辺の微小粒子状物質(PM2.5)測定値は過去10年の同時期の中で最悪レベルとなってます。6~8月(19日まで)の大気中のPM2.5の平均値は1立方メートル当たり18.5マイクログラム(μg)で、過去10年で最も低かった2019年(1.2μg)と比べると約16倍にもなってます。

様々な影響を与える山火事。
山火事の季節は実はこれから本番を迎えます。
去年の大火災も9月初旬に大きく報道されました。

今のところ弊社取扱ワイナリーから被害の報告はありませんが、全然楽観できません。

そういった深刻な環境問題に直面しているカリフォルニアのワイン生産者たち。だからこそ、彼らはサスティナブル農業に強い関心があり、持続可能な産業としての努力を絶え間なく実行しています。

今後の彼らの動向に注視し、これ以上の被害拡大が無いよう祈るばかりです。。。

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