見出し画像

酸化防止剤無添加ワインの味っておかしくない?

質問

赤ワインなんですけど、俺の舌がおかしいんでしょうか…?ワインというからにはワインですよね? 

今、コンビニにワインと純米酒を買いに行って、ペットボトルの安い赤ワインがあって、裏を見たら辛口って書いてあったんで、甘くない酒が好きなんで、ペットボトルだし便利だと思って2本買いました。

それでこの買ってきたペットボトルのワイン、今、飲んでるんですけど赤ワインにぶどうジュースを混入したとしか、ぶどうジュースにアルコール添加して熟成させたとか?とし思えないんですが…

原材料名を見たら「濃縮還元ぶどう果汁」と書いてありました。

【Q.このペットボトルの赤ワインは赤ワインなんでしょうか?】


この赤ワイン、絶対、赤ワインじゃないと思うんですけど気のせいでしょうか?
そもそも辛口の赤ワインとは別物のような気がするんですけど…

私の回答

質問者さんが購入した飲み物が、ワインかワインではないかという観点からすると、それは間違いなくワインです。ブドウ果汁に酵母を加えて醸造させたら、どのような味であれそれはワインと名乗ることができます。

記載されていないので正解とは言い切れませんが、ペットボトル入りであることや「濃縮還元ぶどう果汁」を使用しているという特徴からして、おそらく大手酒造メーカーが出している「酸化防止剤無添加」シリーズではないかと推測します。

実際に私も飲んだことがありますが、こういったワインの特徴は質問者さんが感じたように、ぶどうジュースをそのままアルコール飲料にしたような味がしますので、質問者さんの舌はおかしいどころか適格に味わいの特徴を捉えています。

大半のワインは酸化を抑制するため、酸化防止剤(亜硫酸塩)を添加しています。このように記載すると悪質な要素がワインの中に入っているように感じますが、亜硫酸塩はワインの中それ自体から微量に自然発生するものですし、また添加する酸化防止剤の量も規定によって定められていますので、害があるどころか適切な熟成を促すことになります。

対照的にここで出てくる「酸化防止剤無添加」ワインは、酸化防止剤を使用しない代わりに加熱処理をすることで酸化を抑制します。それにより、本来ワインが持っている風味や味わいが失われてしまいます。

質問者さんが想像するような「辛口の赤ワイン」をコンビニで購入したいと思うならば、
・酸化防止剤(亜硫酸塩)含有 あるいは 添加
・甘口 と表記されていない
ものを選ぶことで、期待できる味のものを手に入れることができるでしょう。

補足

「酸化防止剤無添加」そのものが悪いという訳ではありません。

コンビニでは見ることがないですが、ワインショップ、特に自然派ワインを積極的に取り扱っている店舗であれば、「酸化防止剤無添加」のワインを扱っていることでしょう。

それらはラベルに"Son Soufre" "Sulfite Free" "No Sulfur Added" などと表記されています(ラベルの表記を見つけるのは難しいので、店員さんに「酸化防止剤無添加」のワインありますか?と聞くのがおススメ)。

各国語で書かれているので難しいですが、それらは一般的に総称して「サン・スフル」と呼ばれています。

酸化防止剤を加えないことで、フレッシュで健全なブドウの持つみずみずしさやナチュラルさを味わえる、これこそが本来の「酸化防止剤無添加」の味ですので、機会があればぜひお試しいただきたいです。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?