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変化走をやってみた (2023年5月21日)


そもそも変化走とは?

変化走と聞いてピンと来る方・来ない方それぞれいると思うが、まずここで変化走とはどのような練習なのかを簡単に記しておく。

「変化走」とは、レース本番でのペースの上げ下げをイメージして、意図的に「ペース変化」をつけて行うトレーニングです。レースペースに慣れるだけでなく、心肺機能や筋持久力の向上につながります。

出典:第一生命グループ 全国市民ランナー応援プロジェクト Run with You

変化走におけるメリット

簡単に言うと上述のような内容だが、実際にレース本番での意図的なペース上げ下げが発生するのは本当に各レースでトップを争う先頭集団に関しては有り得る話だと思う。敢えて揺さぶりを与えて集団から振るい落とすと言うのはよく聞く話だ。

また、上記のような意図的なものではなくてもレースにおいてペース上げ下げはあらゆるレベルで少なからず発生する。ただ、上げ下げそのものへの対策というよりも、実戦を意識した際の変化走におけるメリットは少し別のところにあると感じる。それが何かと言うと、

「走りながら体を回復させる能力」の向上

恐らくこれではないかと思う。
「速いペース」と「そこそこ速いペース」を交互に疾走し続けることによって、乳酸の発生⇄再利用のサイクル強化を図る。LOWペースの疾走区間も決して遅くないため、気を抜くとここで一気にペースが落ちる。LOWペース区間における走りを上手く操り、レストを取っているかのような感覚でリラックスを保持しながらペースを維持し続けることが鍵だと思う。

どのような距離のレースであっても中盤から終盤にかけてキツい時間帯というのは必ず存在する。その時に敢えて少しペースを落とすことで意図的に体を回復させる、その能力が高いのは非常に大きなアドバンテージだ。

仮に敢えてペースを落とすのではなく自然に落ちてしまったとしても、それ以降の体に掛かる負荷をかなり軽減することができ、大崩れのリスクを極力回避出来るものと考える。

実際にやってみた

チームの全体練習として取り入れたのは今回が初めて。
これまでも実施しようと思えば出来たとは思うものの、普段のチーム練習の拠点(手賀沼緑道)では1km毎の「正確な」距離把握が難しい点や、コース特性上どうしても全方位からの風影響を受けやすく、折り返す度に走りのリズムが変わる点などを踏まえ、シビアなペースコントロールが要求される変化走は全体メニューとして取り入れることが難しいと感じていた。

そのため、正確な距離を把握でき、且つ風の影響を分散できるトラックで実施してみることにした。

実施内容

今回実施したのは1000m(HI)-1000m(LOW)の変化走、合計16km。
変化走の中でも最もオーソドックスな部類の内容だが、これでも十分だと感じる。所謂レストは無く最初から最後までペース上げ下げによる疾走をひたすら繰り返す練習だが、それなりの暑さもあり各グループ毎の判断で前半後半に分けて途中5分の完全レストを挟む、など工夫した。

結果

私自身の結果は以下の通り。
変化走自体もトラックに足を運んだのも相当久しぶりだったため少々不安ではあったが、問題なく対応できた。

所感

慣れていない人や初めて実施した人にとっては、変化走はキツく感じたかもしれない。定番のペース走とは目的が明確に異なり、それ故キツさの性質も異なるためだ。例えば、インターバルを日常的に実施していてもレストを相当長く取ってしまっている人は変化走がキツく感じると思う。このような変化走を実施すると、LOWペース部分やインターバル時のレスト設定も適切に組み立てることが大切だと改めて感じる。

変化走ばかりを繰り返していれば走力が向上するかというと、決してそうではないと思う。レースに近い感覚の再現性(=一定ペースを巡行し続ける)という観点ではペース走には及ばず、心肺機能や解糖系へのアプローチに関しても高強度インターバルやレペティションには及ばない。
また、変化走もインターバルも含めてだがこれに偏ると体が一定以上の巡行距離に達した段階で無意識にレストを要求する(休みたがる)仕様になってしまうと考える。短い距離の疾走する時の走り方だけが上達してしまい、その能力ばかり上達しても決してレースには結び付かない。

自身の走りにおける強みと弱点をしっかり理解し、そこに向けたアプローチを取る(日頃から適切な設定・適切なバランスで必要な練習を組んで積み上げる)ことが最も大事なのは間違いないと感じる。



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