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木刀でも喜ぶようです(2022/6/29)

【修学旅行で買うべきお土産】


この場合の「べき」ってなんだろ? 押さえておくべき名物って意味かな?
少なくとも木刀ではないのは分かるが。

でも修学旅行だもの、もう買うほうの立場ではないし、くれるのは子供でしょう。
子供がお小遣いをやりくりして選んでくれたものは、なんでも嬉しいんじゃないでしょうか。

僕は自分の子供はいないけど、大学のアルバイト時代から今の職に移るまで子供と関わる仕事をしていたので、修学旅行のお土産をいただく機会は多くありました。

開封して喜ぶこちらの顔をワクワクと、でも少し照れたように待つ様子が本当にかわいくてね。
取っておけるものの大半は今でも取ってありますよ。


その中で未だに使っているお土産は、ある男の子がくれたボールペン。

僕は昔から物はどんなに些細なものでも厳選してから買うほうで…、と言ってもそこら辺で手に入るものでまったく構わないのですが、自分の好みにしっくりくるものを探して探して、やっと購入に至るのです。
そういう大人の『ちょっとこだわりの持ち物』って、幼い目には魔法のアイテムみたいに映るのでしょうかね。よく

「筆箱のなか見してー」

とか、

「かいちゅう時計、授業中だけ貸してー」

とか、

「ライターの火ぃ着けてみていーい?」

とかと言っては、子供たちが興味深そうにいじっていました。

その男の子はそんなに積極的なほうではなく、どちらかと言うと控えめで、そういう同級生たちの様子もちょっと離れたところから遠目に眺めているタイプでした。

その子が修学旅行のお土産にと、僕に木製のボールペンをくれたのです。

「先生、ボールペン好きだって言ってたから」

(台座は自前の別物ですが)


僕が文房具にこだわりがあると話したのを覚えていてくれたんでしょうね。旅先で見つけたときに「これだ」と思ってくれたんだって。
なんかちょっとね、感動してしまって、すぐに「ありがとう」って言えなかった記憶がある(笑)。

(国内旅行なのに刻印がロサンゼルスなのも好きすぎる)


もう15年以上昔の話、くれた本人もたぶん覚えていないんじゃないかと思うけど、芯を替え替えそれからずっと大切に使っています。
お土産もプレゼントも、今そこに居ない自分のことを思い浮かべて選んでくれるんだもの。嬉しいよね。


一方、僕はその「べきではない」木刀をお土産に選ぶ馬鹿でした。
しかもお土産は必ず自分の分と弟の分、まったく同じものを買うことにしていたので、家には木刀も2本ずつ増えていきました。

しかし大人になってそれが日常の消耗品になったとき(←折れるのです)、なんと奇跡の全消費。
武道具屋で買った高級材の8,000円の木刀も土産物売り場の1,000円の木刀も、耐久性はさほど変わらないと知ったときの衝撃よ。

なので未だに観光地で木刀を吟味している僕を見かけても、どうぞ生暖かい目で見守ってやってください。
そしてお土産に木刀もウェルカムです Σo(T▽T)

(でももらったのは折れないなあ)



《BGM》
The Merrymakers/She's a Radio


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