見出し画像

この国に足りないもの

2019年の締めの投稿として、このタイトルを付けた。
足りないものが多すぎて全部挙げればキリがないが、最近話題になった「男女格差」から話を展開していく。


男女格差 広まるばかり

画像1

12月17日(火)に、世界各国の男女格差を示すジェンダーギャップ指数が発表された。今年の日本の順位は、153か国中121位。去年の110位よりも下げてしまい、先進7か国の中でも最も低い。さらにこの順位は統計開始以来、過去最低の順位となってしまった。このランキングを見て思ったことは、「やっぱりな」の一言に尽きる。特にこれといって驚かないのが率直なところ。少しずつ変わろうという風潮は感じられるものの、問題を解決しようという人がまだ少なく、女性に対する偏見が減っていない現状が浮き彫りとなったためだ。


男女格差を埋める第一歩

12月18日、フリージャーナリストの伊藤詩織さんが、元TBS記者の山口敬之氏から性的暴行を加えられたとして、損害賠償を求める民事裁判が行われたのは、テレビ等の報道で多くの方は知っているかと。結果は言うまでもないが、伊藤さん側に賠償支払いを命じた判決となり、事実上の勝訴となった。

私のツイッターでも、今回の判決に関して、こう述べた。

今回の判決によって、これまで性被害に苦しめられた女性にとっては、一つの希望の光になったのは間違いない。泣き寝入りするのではなく、された証拠を集めて提出することで、男性側に不利になれる事例をつくったのが、今回の裁判で証明されたと思う。とてもいいニュースを聞けたと実感する出来事でもあった。


男女格差を埋められない1番の原因

とはいえ、男女平等の解決に結びつくには、まだまだ道のりは険しいのを実感する。国会中継で映し出される男性議員の多さを見ても、ニュースで大手企業の経営陣の顔ぶれを見ても、完全に男性優位の社会がいまの日本。本当に変える気があるのか?と言われる状態が続いている。

男女格差の問題がなかなか解決しない原因は、女性が活躍できる環境が整っていなかったり、育児休暇から復職しずらい状況などがあるが、根本的な原因は、特定の世代が女性の活躍の場与えていないことだろう。

これまでの時代は、男性が会社の役職に就いたり重要任務を任されることが多かった。女性が任せれることもあったが、数で言えば圧倒的に男性が多いのが人目で見てもわかる。昭和~平成初期のころは、会社に忠誠心を誓ってバリバリ働く風潮が強く、会社に貢献するのが当たり前の時代だった。栄養ドリンクのCMの1フレーズにある「24時間戦えますか」が浸透したくらいだから。

女性は結婚や出産による退職や休職する人が多かったため、長く会社に勤める人が少なかったのも事実。だから男性陣が、先頭に立って会社を引っ張って成長させた事実があった。

時代は令和に変わり、女性の社会進出が徐々に加速したことで、長く会社に勤める女性が次第に増えたのが、データから見ても読み取れる。


しかしその一方で現在は、昭和~平成初期のころに入社してバリバリ働いていた世代のほとんどが、会社の何らかの重職に就いている。先にも述べた通り、その年代(40代後半~50代)は、女性の社会進出がまだ浸透していない環境で働いていたため、女性を積極活用することに抵抗があるもしくは使い方を知らないのではと思うようになった。

特定の会社批判になるため名指しは避けるが、「女性が活躍できる職場に」と言っておきながら企業Webサイトのトップ写真を見ると、男性しか映っていない集合写真が掲載されていて、失笑を通り越して、呆れてため息しか出ない状態だ。

重職に就いている世代は、仕事への固定概念が固まっていることもあり、すぐに考えを変えるのは困難だろう。若い世代が変えたいと意識を持つ人が増えたり、新たに団体を立ち上げて課題解決に向けて取り組む流れが目立ってきたのも事実だ。しかし、この世代が会社経営や日本社会を牛耳っている以上、男女平等の社会の実現は当面無理だろう。私も正直悲しいが、これが現実かと。


2020年代からの解決法

ここまで後ろ向きな文章が多かったが、2020年代を向かえるにあたって、若い世代や女性を中心にできることは何だろうと考えたところ、当たり前ではあるが、小さい声でも積極的にどんどん挙げて、女性が主体となる団体・組織を立ち上げ率先してビジネスの世界に参入することではないかと思う。

最近では女性でも長く会社で働きたいという声も増えており、少しずつではあるが、女性が多方面で活躍している様子は私自身も肌で感じる。当事者である女性が声を挙げ、問題解決に向けて行動していけば、女性が仕事しやすい、生活しやすい社会が実現できるのはと思う。ただ女性だけでは、時によって壁にぶつかって悩むこともあるので、男女格差に関心がある男性も参加すれば、より議論が活発になり、思いもしないアイディアが誕生するかもしれない。

おかしいことをおかしいと言える世の中に言えるよう努力していけば、必ず実現出来ると私も信じているし、時代が変わったと実感できるよう注目していきたい。

サポートされた資金は、すべて取材費用に充て、質の高く共有されやすい記事を皆さまにお届けしたいと考えています。