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「中堅エンジニアこそ、ビジネスへの理解を深めるべき」今、現場で求められているエンジニア像とは。(スマートキャンプ:米元智)エンジニアが創る世界#003

本連載では、自らもエンジニアでありながら採用の最前線に立つ”エンジニアリクルーター”の方々からお話を聞いています。

第3回となる今回の記事では、スマートキャンプ株式会社の米元さんにお話を伺いました。

米元 智:
SIerを経て2007年に株式会社アドウェイズへ入社。広告システムの開発や新規事業の立ち上げをエンジニアとして経験した後、プロダクトオーナーとして複数の新規事業の立ち上げを行う。その後、1人目の社員としてスタートアップに参画しエンジニア向けサービスの立ち上げを行う。
2018年2月からスマートキャンプ株式会社に入社。BOXIL、Biscuetの開発を経たのち、チームマネージャーとしてエンジニア組織のマネジメント業務に携わっている。

入社の決め手は「優秀で良い人」が多かったこと

―米元さんの今の業務内容について教えてください。
今はエンジニアチームの組織作りとエンジニア採用をしています。
組織作りについては、評価や目標の設定をしたり、制度やルールの設計に注力しているところです。組織全体の目標や制度を整えるとともに、定期的にエンジニア個人と1on1をして目標の設定、キャリアの設計をしています。
直近で取り組んでいる事としてはデプロイの回数やリードタイムについて計測し、定量的な値を元に開発組織のパフォーマンス改善を行おうとしています。

また、最近はエンジニア採用にも注力しています。
特に力を入れているのが、採用プロセス全体の最適化です。会社のことを知ってもらう認知の部分から選考前のナーチャリング、選考のフローや面接の型化、そして入社してからのオンボーディングまで、採用プロセス全体の戦略を策定しています。
他には各媒体に出している求人票の見直しをしたり、エージェントに対して面談のフィードバックを行うことで、弊社の求める人材の認識を深めてもらい、採用プロセスの改善に繋げています。

―エンジニアと採用、どちらも全体像を見る立場にいるんですね。どういった経緯でスマートキャンプへ入社されたのでしょうか?
経緯を説明する前に、簡単に私のキャリアを説明しますね。
一番最初はSIに約7年いて、その後はWeb系の広告会社で9年半、システム開発と新規事業の立ち上げを行ってました。それから、その会社出身の人が立ち上げたスタートアップに入りました。
そうしてしばらくして、「BtoB向けのサービスに関わりたいな」と転職活動をする中でスマートキャンプと出会い、転職したという経緯です。

―入社の決め手は何だったのでしょうか?
大きく2つの理由があります。
1つ目の理由は組織の規模が大きくなる中で自分も成長できそうだと思った点です。もともと新規事業の立ち上げに携わっていたこともあって、既に大きくなったものに携わるよりも、新しく作っていきたいというのがあったんですね。そう考えたときに、スマートキャンプのボクシルはまさにこれから伸びていくサービスだと思ったんです。SaaS、クラウドサービスの市場自体が急成長しているため、ユーザーとベンダーのマッチングを実現するスマートキャンプはこれから伸びるなと。
また、会社の成長と共に組織の規模が大きくなっていくとなると、自分の役割や会社の制度・関わる人などの周囲の環境が変わっていくので、その方が自分も成長できると考えたんです。変化する組織の中にいる方が成長できるというのは前職から実感していましたから。

―2つ目の理由はなんでしょうか?
2つ目の理由は、お会いした人が優秀で良い人が多かったことです。
ベンチャーって体育会系になりがちなのですが、そうではなくてスマートに仕事ができる人達だなと。
「人の好さ」については選考の最中から感じていました。面接してくれたエンジニアがとても丁寧で。面接中もそうだし、面接が終わったあとにもすごく丁寧にメールを返してくれたんです。選考前に行った性格診断の分析や、「ここは弱いけど、うちでは重視していないところだから大丈夫ですよ」とフィードバックをくれたりと、とても誠実さを感じました。
また、代表との面談において、「発展途上国を支援するあるWebサービスに憧れてこの業界に入ったんです」という話をしたらとても共感してもらえて。そうして話しているうちに、「この人とだったら面白いことできそうだな」ということを思うようになりました。
他の社員もプロダクト、サービスを良くしていくことに情熱を持っている人が多く、ユーザー目線が徹底している文化があるとも感じていました。
このように、選考の過程であった人がみんな優秀で魅力的な人ばかりだったんです。
優秀な人の中で働くことが成長に繋がると考えていたため、人に惹かれて入社したという点が大きいですね。

エンジニアは成長し続けられる環境に身をおくことが大事

―米元さんのキャリア形成の考え方について教えてください。
成長し続けられる環境に身を置くことが大事だと考えています。
IT業界は変化が大きいため、「このキャリアを作ればいい」というのはないんですね。
だからこそ、周りに優秀な人がいて、自分も一緒に成長できる環境に身を置くことを意識しています。

―先ほど「優秀な人と働く中で成長したい」というのが入社の理由の1つだと仰っていたことと重なりますね。そうした人達と働く中で、米元さんがスマートキャンプで実現したいことについて教えてください。
具体的には2つやりたいことがあります。
1つ目は、今のプロダクトを大きく伸ばすことです。プロダクトが大きくなれば、その過程で自分ができることも増えて、より大きな成長に繋がると思っています。
2つ目は組織づくりです。組織自体を大きくさせるとともに、メンバーが成長できる環境を作りたいと考えています。
私はもともとリーダー職を任されることが多かったため、チームのメンバーを成長させることにやりがいを感じていました。
けれど、自分で明確な意思を持って組織を作り、メンバーを成長させるということはあまり経験したことがなかったので、今は「こういう組織を作りたい」という目標を設定して組織作りに取り組んでいます。
具体的には、どうやったら自律した組織を再現性高く作りあげることができるのか、日々考えながら挑戦しているところです。

中堅エンジニアは技術だけでなくビジネスも理解すべし

―エンジニアのキャリアの積み方について、米元さんはどう積んでいくのがよいと思いますか?
若手と中堅で若干異なると思います。
若手の場合は、まず1つ軸となる技術、言語を身につけることが大切です。軸となる技術をしっかり身につけてから、それを応用して複数の技術を身に着けていきます。これはよく言われることだと思います。
一方、中堅になると技術だけでなくビジネスについても分かるようになるべきだと考えています。

―それは何故でしょうか?
そもそもビジネスがわかっていないと、「何を作ればいいか」が指示待ちになってしまいがちで、「こういうことできますか?」と聞かれたことについての判断しかできません。
でも、ビジネスについての理解があれば「そもそも何のためにそれをやろうと思ったんですか?」と聞いて本質的な課題を把握することで、ビジネス側の人が考えるよりも、より理想的な実装・方法が提案できる場合もあります。そうするとビジネス側の人からも頼られるエンジニアになることができます。
弊社の場合は、メンバーそれぞれがビジネスやサービス自体にコミットするという意識がとても強く、ビジネス的にどうするべきかという部分はエンジニアも一緒に考えます。そういうエンジニアの方がビジネス側とのコミュニケーションはしやすいですし、組織としても発想の幅が広くなります。

―ビジネスがわかる、とは事業ドメインに関する知識があるということでしょうか?
そうですね。事業ドメインに対する知識はとても大事になります。
ドメイン知識があった方が、「何をやればいいのか」がわかってビジネス全体にも貢献できるし、成長もできます。
それに、そうして自分の専門性の幅を広げる方が、レバレッジが効いて掛け算で強みを発揮できる人材になれます。
特定分野のスペシャリストもいいのですが、それでは突き抜けるのが大変だし、技術や市場の変化に対応し続ける必要があります。
自分の市場価値を高めるという意味でも、ビジネスへの理解を持っておく方がよいと思います。

―今、米元さんはエンジニアでありながら採用の最前線に立っていますよね。エンジニアがエンジニアを採用することのメリットについて教えてください。
エンジニアを採用する側としては、技術的に正しい評価をすることができます。プロジェクトの中でどういう課題に対してどう取り組んだか、そのイメージが分かるのはエンジニアならではです。
採用される側としては、自分が求めているものがそこにあるのか、正しい情報を得ることができます。
非エンジニアの人事だと、使っている言語や技術はわかっていても、どれくらいの深さで使っているのかや、どんな開発フローなのかというところまでは分かりません。
面接官がエンジニアであれば、そういった部分も直接聞けますし、これから働く環境についてより正確な情報を得ることができるので、大きなメリットになると思います。

会社選びをする前に、自分の優先順位を決めておくこと

―エンジニアが会社選びをするときのコツはありますか?
自分の中で何を優先するかの軸をできるだけ具体的に言葉に落とし込むことが大事です。
よく面接の中で業種や使っている技術に興味があったという回答をもらうことがあるのですが、配置転換によって担当や使う技術が変わることもあるので、そういった軸だけで選ぶと後で後悔することになりかねません。そのため変化しにくい軸、特に会社のビジョンや目的に共感できることが大切だと思います。

―自分の中で優先順位を決めておくというのはとても大事ですね。
そうですね。けれど優先順位をつけるのも、転職活動になれていないと初めは難しいかもしれません。
そういう人は、いろんな企業の人と会う中でブラッシュアップしていき、PDCAを回しながら自分の軸を絞っていけばいいと思います。

―先ほど会社のビジョンに共感していることが大事というお話がありましたが、カルチャーマッチしているかどうかはどう確認すればよいでしょうか?
一緒に働く人や、会社の方向性を決めている人と会うべきだと思います。
できるなら、体験入社や副業という形でもいいから実際に一緒に仕事をしてみるのがベストです。
その中で、使っている技術や開発フローが事前に聞いていたものとあっているか、会議で他の人と違う意見を言った人がどう扱われるか、チーム内での心理的安全性があるかをチェックしてみるとよいと思います。例えば、違う意見でもいったん受け入れてから議論をする文化ならよいのですが、偉い人が発言をしたらそこで話が終わってしまうとか、そういった会社の文化を自分の肌で感じることが大切だと思います。

―なるほど、たしかにそういう空気感は実際に感じてみないとわからないところですよね。
あとは期待値調整も大事です。
自分自身ができることとしたいこと、求められていることはしっかり言語化して伝えておかなければいけません。これは意識しないとうまく伝えられない部分です。
入社したら具体的にどんな動きが期待されているか、考えておかないと、「お互いになんとなくいい」と思っていたことが実ははずれていたということはよくあります。このあたりは注意しておくべきだと思います。

―最後に、応募を考えている人へのメッセージを頂けますか?
弊社ではビジネスやサービスにコミットできるので、技術だけでなくサービスを伸ばす・売上を伸ばすというところにやりがいを感じられる人だとマッチしやすいと思います。
また、水曜日はリモートデーとなっているので、自宅やカフェでの作業が可能ですし、フレックス制があるので柔軟な働き方ができるというのも特徴のひとつだと思います。

まずはカジュアル面談でお互いのやってきたことを話しつつ、会社の雰囲気を知ってもらえればと思いますし、入社体験、会食、ランチ等、さまざまな機会を持つようにしています。
カルチャーマッチするかどうかを見てもらって、その上で興味を持ってもらえるようであれば、スキル的な部分に関しては副業や業務委託として関わるところから始めるという形でも大丈夫です。
まずは一度オフィスに遊びに来てください、そこでお話ししましょう!


―本日はありがとうございました!

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