2021年 自分の音楽変遷と小山田事変

今年は今まで以上にジャンル関係なく音楽を聞けた年になりました。
自分は「ポップスなんて商業的な音楽聞かねえよ」みたいな尖りが生じてきてしまう大変イタい高校生です。
ですが「ポップスだろうがなんだろうがいいものは良いじゃないか」という心変わりにより今まで自分の中で未開拓だったアイドルの楽曲や歌謡曲を掘り起こすことができました。
今年発見できた自分の好みの音楽や、心打たれた曲などを整理しながら振り返りたいと思います。あと小山田事変も。

1〜3月 イギリスから渋谷へ

くるりを聞いていたところ父親からビートルズを勧められる。そういえばアルバム単位でしっかり聞いたことがないことに気がつきベストアルバム、通称、赤盤と青盤を聞き一曲一曲の感想をノートにしたためる。
なぜそんなことをしたか。多分、名盤を聞くというイベントを形に残したかったんだと思う。今そのノートを読むと字が汚くてところどころ読めないうえ、大したことは書いてない。のであまりここでは触れない。

ビートルズの関連でブラーをおすすめされる。一番最初にSong 2を聞いてしまい少し困惑する。

ブラーを聞き始めたくらいの時に「ミニコミ英国音楽とあのころの話」を読み始め、ロジャー・ニコルス&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ、ペイル・ファウンテンズなどを聞き「これフリッパーズギターで聞いたやつだ!」と、進研ゼミのような体験をする。

完全に本に触発され、ピチカート・ファイヴからアズデックカメラ、ザ・スミス、トラットリアレーベルのロケットシップを聞きまくる。

【この時期にハマっていた曲たち】

ロケットシップ I'm Lost Without You Here
ブラー      Coffee and TV
ロジャーニコルス ドントテイクユアタイム
アズデックカメラ All I Need Is Everything
ザスミス    Barbarism Begins at Home
ザパステルズ   Nothing To Be Done
ビートルズ    サボイ・トラッフル
カーディガンズ  カーニヴァル
ペニーアーケード Coming Down

4月〜8月 ニューウェーブ&小山田圭吾事変

ザスミスのジョニーマーのギターはスージー&ザ・バンシーズに影響を受けているとウィキペディアでみて、スージー&ザ・バンシーズを聞き始める。そして関連アーティストにでてきたエコー&ザ・バニーメンを聞き始めるも、いまいちハマりきれなかった。が、電気グルーヴのTwist of the worldの元ネタであろう曲に出会えてちょっぴり嬉しくなったりした。

その流れでXTCやB-52'sを聞くようになる。

XTCのApple venusを聞き「この変態性、ひねくれ感、どこかで聞いたことがある」と、くるりとの共通項を見出す。個人的には初期のニューウェーブパンクよりかは後期の方が好き。

B-52'sはあの虹色のジャケに魅入られ、即聞いた。ジャケ通りのレインボーな楽曲たち。いい意味で期待を裏切られなくて珍しく明るい気持ちになった。なぜジャケがあんなレインボーカラーなのかを調べたところ、なかなかヘビーなエピソードがあったため次から聞くときは違う目線で聞くようになった。

6月はアメリカンユートピアを見てデヴィッドバーンは良い年のとり方をしたなあとまだ18の高校生が思いを馳せたり、7月はフィッシュマンズの映画の上映館が近くになかったりして自分の田舎生まれを呪ったりした。

そんなときに小山田事変が起きた。
実は小山田氏がオリンピックで音楽を担当したとツイッターで見たときに一番最初に頭によぎったのは「2ちゃんねるで有名なコピペ」だった。あのコピペが本当ならばオリンピック中止派は黙ってないだろうなと思っていた。
予感は見事に当たり、夕方にツイッターを見たら吊し上げられて袋叩きにあっていた。この時点では自分はコピペしか見たことがなく、それが本当かどうかも分からなかったので、よく二次情報だけでそんなに叩けるなあと思った。まずは本人の声明を待とう。話はそれからだ。と、思っていたが内心は「やってなかった、とか話を盛ったとかそういうやつだろうな」と思っていた。

結果、半分当たって半分外れた。
いじめはしていた。ネットニュースには長年に渡って、と書かれていたが正確には小学校のときにいじめていた。うんこ食わせただとか、自慰行為を強要しただとかは彼ではなく、彼の先輩が行ったことだった。
話は盛っていた部分もあった。そしていじめは行われていた。

自分はそこで「いや、いじめてたんかい」と思わず声が出た。
こういうとき、政治家や芸能人は「そんなつもりはなかった」と言ったり嘘でも否定したりするものだと思っていた。

この声明に対して、許せない、20年以上前の記事だから、この声明自体も嘘だ、当時の雰囲気があるから許してやれ、虐められた人の気持ちを考えたらうんぬんかんぬん、だとかいろんな意見が出た。

この証言はホントだとか嘘だとか、許す許さないだとか、この問題に対しては絶対に白黒つけられないなあと思った。

例えば日韓の問題も、政治家の汚職事件などもそうだが絶対的に正しい情報、歴史を見つけることは難しい。
どこから出た情報が100%本当かなんて分からない。

誰が悪い、誰の証言が本当だ、と突き詰めて考えるのはとても良いことだが、それが全てだと思ってしまうのは危険。
疑問が確信に変わる瞬間が恐ろしいと思う。
でももっと怖いのは疑問も持たすに無垢に何でも信じてしまうこと。
更に怖いのは都合の良い情報しか受け付けなくなってしまうこと。

政治とインターネット、メディアの良くないところを煮詰めたような出来事だったと思う。
それに気づいてからはあまり小山田事変についてはツイートしなくなったり情報を得てもそれについて反応したりすることはなくなった。

感情的になればいくらでも言葉が出てくる。
汚い言葉で小山田氏を罵っている人にはそれ以上に汚い言葉に罵ってやりたい。

でもこの行為こそ、坩堝にはまる最悪の状況。だから自分にできることはただ待つ。
待つのみ。彼の音楽を聞きながら。
あとは待っているファン、客がいるということをツイートするくらい。


少し熱くなりすぎたのでここからは緩くいきます。

と言う訳で7月8月はコーネリアスの良さを改めて実感したり、砂原良徳氏の男気を感じたり(ケラ逃げ30周年おめでとう)して、メタファイブを聞いたりしてました。

【この時期にハマっていた曲】

XTC        One Of The Millions
B-52's       プライベートアイダホ
フイッシュマンズ      新しい人
レモンジェリー       Page One
メタファイブ    環境と心理
コーネリアス    あなたがいるなら
TOWA TEI        ファビュラス
 The Lah Band    Winter Love

9月〜10月 テクノとノイズとまりん

9月にはなんとあの砂原良徳氏のラブビートのリマスターが出るということでワクワクしてた。ちゃっかりTシャツも買った。でも緑色を買う勇気はなかった。ラブビート着てる人を偶然見かけて友達になりたい。
黒いラブビートTシャツで陰鬱な顔の人を見たら自分なので是非話しかけてね。

砂原良徳氏と最近よく関わっているアオキタカマサ氏のアルバムを聞き、ノイズに目覚めそうになる。

池田亮司氏のアルバムを聞き、目がバーコードになったり、フランクブレットシュナイダーを聞いて脳みそがパチパチしたりした。

あとはノイを聞いたり、テクノ名盤ガイドディスクに載っていたアルバムを片っ端から聞いたりしていた。

【この時期にハマっていた曲】

砂原良徳        Sun Beats Down
アオキタカマサ     RN5-09
Frank Bretschneider   Sputnik
ノイ!         Hallogallo
池田亮司        Data.index
モービスプランク    Speed Display
ソニック・ユース    ブルインザヘザー
ハービー・ハンコック  Rockit

11月 北野映画とK-POP

その男凶暴につき、を観て北野映画にハマる。続いてソナチネ、Hana-bi、キッズリターン、菊次郎の夏、と片っ端から観た。
良くも悪くも久石譲の主張がすごかった。映画を観てて、ここまでサントラに耳を傾けることは今までになかったと思う。このメロディラインは久石譲にしか作れない。どこかトラディショナルで、異国な感じがする。それが千と千尋の神隠しとかジブリには合っていたんだろうな。

久石譲聞いたらスティーヴライヒ聞きたくなるのはあるあるだと思う。
ちなみに好きな北野映画はHana-biと3-4x10月です。好きなシーンはスナックでダンカンが中島みゆきの悪女を歌っているところ。

ユーチューブでBTSのDynamiteを今更観て感動する。その後にいとこがオススメしてくれたSnow Manを観て一瞬比べてしまったが、ニーズが違うことに気づき、成長を楽しめるところは日本人の良さでもあるよな、と思った。ダイノジが言ってた。不完全を愛せるところは日本人の良いところだって。(うろ覚え)音楽の好みはともかく。

BTSは他にもButterを観て韓国のファッションの色使いに感心したり、エドシーランが彼らに曲を提供してることを知って驚かされたりした。
メンバーは四人以上になると覚えられないでお馴染みの自分だったので、誰が何担当とかは分からないし、なんならアイドルのファンになったことがないのでイマイチ感覚が掴めないまま、ただただユーチューブでBTSのダンス動画を観て感服してた。

メンバーが5人いるのに全員の顔と名前が一致する嵐はすごいな。まさに国民的アイドル。

【この時期にハマっていた曲】

BTS         permission to dance
レッド・ツェッペリン Achilles Last Stand
バナナラマ      VENUS
クリーム       クロスロード

久石譲のサントラ
・キッズリターン ・ソナチネ
・hana-bi       

12月 筒美京平と歌謡曲と少年隊

ユーチューブで昔の歌謡曲集を観て、筒美京平と松本隆が無双していてびっくり。
少年隊の仮面舞踏会を観て更にびっくり。
ジャニーズに全く興味のない自分も父親も画面に釘付けになった。個人的に一番驚いたのは顔のことをめったに褒めない父親が少年隊のセンターの人(ちょっと名前は忘れた)をカッコいいと褒めていたこと。父親は自分の顔が一番イケメンだと思っている超絶ナルシストなのでホントに驚いた。

筒美京平先生作曲のABCが好き。今聞くと少し乱暴に感じるくらい強いリズムマシンの音と、シンセサイザー、バブルを感じさせる衣装、どれも最高。あとダンスがキレキレすぎる。

イモ欽トリオのハイスクールララバイがお気に入りになる。時期的にはYMOのBGMを作成しているらしい。確かに少し暗い靄のかかったような音はBGMっぽさがある。あとイントロのクローズハイハットがRYDEENみたい。あとどこかテクノポリスっぽい。

歌謡曲を聞き始めてから、ポッフスだろうがアイドルソングだろうが良いものは良いんだなあ、と当たり前のことを再認識できた。
これに高校生のうちに気づけて良かった。このままだとただのイタイ自称音楽好きになるところだった。

【この時期にハマっていた曲】

少年隊 
・ABC        ・デカメロン伝説
・ストライプブルー  

イモ欽トリオ
・ハイスクールララバイ 
・ティアドロップ探偵団

岩崎宏美      シンデレラハネムーン
Wink        寂しい熱帯魚
寺尾聰       ルビーの指環
八神純子      水色の雨
欅坂46       風に吹かれても
℃-ute       大きな愛でもてなして


こんな感じで最近はAKBとかももクロとかいろんなアイドルがコラボしてた動画を見たり、歌謡曲のプレイリストを聞いたり見たります。

自分が知らない界隈やジャンルを覗いてみたりすると思いがけない発見や共通点を見つけることができたりして、楽しいです。
メタル、ジャズ、クラシックとかはまだまだ未開拓の地なので楽しみです。

あと今年はツイッターの稼働率が高かった。
2020年の3月頃から始めてファロワーが10人もいないくらいだったと思う。ただ良いのか悪いのか分からないけど小山田事変により、コーネリアス、フリッパーズギター好きの方々のアカウントを知ることができて、20人くらい一気に知り合うことができました。あと彼についての記事をまとめている方々がいて、凄いなぁと尊敬の眼差しで見ております。例の年末の配信も見なくては。

悩みとしてはもっと気軽にファローしたりリプしたりすれば良いのかどうか分からないです。自分は現実でも距離感が掴めなくて引かれたり遠ざけ過ぎたりしてしまうような人間なので。
あと、いいねするのに慣れてなくて。心の底からいいね!と思ったらしてるんですが、もっと気軽なものなんですかね。でも基本的にずっといいなぁと思いながらツイートを見てます。

来年は広く柔らかく鈍感に生きていきたいです。あと卑屈にならない。油断するとついでちゃうんです。卑屈。

新しいチャレンジとしては日記感覚でラジオみたいなもの始めてみたい。喋るのはめちゃくちゃ下手だけど喋るの大好き。下手の横好き。家が狭いので家族にどうバレないようにするかが問題です。ひっそりとやります。

というわけでここまで長く拙い文章を読んでくださってありがとうございます。
いろんなこと書きすぎてハッシュタグがえらいことになりそうです。

良い年にできるかは分かりませんが、悪い年にならなければ万々歳ということで健康に気をつけたいと思います。
ちなみに自分は来年厄年です。

良いお年を!



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