アブホーセン ガース・ニクス

 サブリエルとライラエル、アブホーセンの三部作。
古王国シリーズ、その3である。3部作の最後を飾るにふさわしいエンディング。

 ネタバレになってしまうので、詳しくはかけないが、ライラエルの使命やモゲット/不評の犬の正体もわかる。最終的な敵を封じ込めるシーンは、ファンタジー作品ならではのクライマックス。このシーンを読むために、3部の長い前振りがあったといっても余りある名シーン。敵の問いかけに答えるモゲットの答えは、なんとも言えない名台詞。

 不評の犬の言葉も良い。予言めいた別れの言葉も良い。ファンタジーならでは・・・ですなぁ。続刊が出てくれることを切に祈る。

 やはりファンタジーに不可欠な世界観が良いし、キャラクターも人間臭くて生活感がある。王宮でのシーンや、魔法のないこちら側の世界での銃撃戦の描写もあって、息をつかせぬストーリーテリングも良い。

ああ、次にこのクラスのファンタジーにあえるのはいつなんだろう?と自問自答する自分だった。

よって★5つ。読んではまればめでたさ百倍。

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最初に読んでから、すでに10年かと思うのだけど。英語圏では、続編も続々編も出ていて、Amazonで簡単に読めない英語版も買っているけど、まあ、いつか読めるだろう。ITも発達して、翻訳が即時できるように祈っている。10年後には出来るかも。主婦の友さんでは、ツライ・・・だろうな。


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