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【第9回】情報リテラシー論【レポート】


みなさんこんにちは。ひだまりです。
最近だんだんと青空が減って雨と雲が空の主役になってきましたね。
地元と比べて長岡の冬は圧倒的に晴れが少ないそうなので、太陽不足によるメンタルブレイクを乗り越えられそうなアイデア大募集中です。よろしくお願いします。

前回の振り返り

前回は色々と難しすぎたので、初心に帰ってインターネットのよくわからないことについて色々調べてみました。私と同じくインターネットの仕組みがよくわからないよという方はぜひこちらのレポートも覗いてみてください。本当に私と同じくらいのぼんやり度でインターネットを使っている方は、正直なんのこっちゃで意味がわからないかもしれません!笑笑
ここは一旦覚悟を決めて、一度ショックを受けてみるとまたそれはそれで面白いのではないでしょうか。

また、情報リテラシー論の授業を担当してくださっている横田秀珠先生のブログはこちらからご覧いただけます。こちらもよければ是非。

授業の振り返り

 今回の授業テーマは「テレビの衰弱と動画メディア」でした。
毎回授業内容について結構話してしまうので、ついに授業の振り返りパートを独立させてしまいました。飛ばしたい方は本題の方へどうぞ!

冒頭で見た動画は、懐かしのPPAP動画を例としてあげ、Youtubeの収益化について議論がなされている当時のテレビ番組でした。
 余談ですが私はこの頃まだ小学校高学年だったと思います。時の流れって末恐ろしいですよね…。
 まあそれは置いておいて、何やらYoutubeには当時からすでにコンテンツIDという仕組みがあったそうです。Youtubeとは小学生からの付き合いですが、この単語は初耳です。
コンテンツIDとは何か簡単に説明すると、本家動画をカバーしたものや無断転載されたものなどを検出するための仕組みです。現在の判別精度がどれほどのものかわかりませんが、投稿された動画の画面や音の変化をコンテンツIDとして保存し、後に出てくる動画と比較して似通ったものがあれば本家側に通知が行くようになっています。ブロック・トラック・マネタイズ※のいずれかを選んでもらうことで著作権保護の対策にしているようですね。
(※ブロック=禁止にする、トラック=追跡する、マネタイズ=本家側の収益にする)
 自分はボーカロイド曲などが好きで、よくカバー動画やMAD動画を聴いたり観たりするのですが、これら諸々の著作権と収益に関しては一体どうなっているんだろうと疑問に思うことがよくありました。
 ただその投稿者さんたちはみなさん口を揃えて「この動画の収益は御本家様の方に行きます」と言っており、てっきり私は毎回都度連絡を取っているのだろうかと思って勝手に気が遠くなっていました。
どうやら流石にそれはなかったようでひと安心です。ここは個人的に知れて良かったなと感じました。

本題「反射光と透過光について」

 さて、すでに長々と話してしまいましたが、実は今回深掘りしたいのはここではありません。
 本来の授業テーマはテレビの衰弱と動画メディアについてだった訳ですが、その中で気になった話がありました。
 先生の説明では、今テレビがスマホに追いやられているのと同じように、昔は映画がテレビに追いやられそうになった時代があったそうですね。
しかし今、映画は映画としての価値を保ち続けています。これに対して先生は、その理由の1つに「反射光と透過光の違い」が含まれているのではないかという見解を話してくれました。
普段私たちは太陽光や蛍光灯が反射した反射光を見ているのですが、これと同じ光を利用しているのが映画です。これがテレビなどの液晶ディスプレイになると、太陽や蛍光灯を直接見るのと同じように、ライトから直接発されている透過光を見ていることになるので、テレビやスマホを見るときの画面感からは抜け出せないのではないかという理由ですね。
ちょうどこの前、紙媒体とデジタル媒体での違いについて考える機会があったので、この見解が本当に正しいのかどうか気になりました。
 発想着想概論という授業でのことなのですが、グループワークで意見を出し合い整理する際に、先生がアナログの強みとデジタルの強みについてそれぞれ話していたことがありました。実際に授業の中で両方経験したのですが、私の感覚としては、アナログの方が楽しくてより直感的になれるかなという感じです。

ではここからは、反射光と透過光の違いなどに触れながら、説明されている考察などについて調べたことをまとめていきます。

光の種類による違い

反射光と透過光の違いについて引用文を載せておきます。

テレビやパソコンは画面の裏側が光り、その光が液晶を突き抜けることで映像を表示する(透過光)。
本や雑誌は誌面が光るわけではなく、太陽や照明など別の光源から光があたり、その光を誌面が反射することで文章が読める(反射光)。

flowthink「資料を印刷すると間違いが見つかるのは何故?〜透過光と反射光、マクルーハンの話」
  • 反射光で見ているのはプロジェクター、紙など。

  • 透過光で見ているのはパソコン、テレビ、スマホ、タブレットなど。

光の種類だけに条件を絞って比較するには少々それぞれの特徴がありすぎかなという感じもしますね。
強いて挙げるなら、プロジェクターとディスプレイは形式が似た反射光と透過光の媒体の組み合わせが最も比較に適していそうです。これはまさに映画とテレビの組み合わせに当たります。

今のところ紙を使用した時の方が脳(言語処理に関係する運動前野外側部と下前頭回、記憶処理に関係する海馬、視覚をつかさどる領域)の反応が大きくなるということは事実としてわかっているそうです。
 ただ、それが記憶するのに優性であるかどうか直接関わっていると結びつけるのは早計かもしれません。

媒体の特性による違い

1.プロジェクター・パソコン・テレビ

  • 基本画面が固定されている

  • パソコンに関しては文字打ち込みしかできない、メモにおいて図が使いにくい

  • 画面に触ることはなく、マウスやキーボード、リモコンからの間接操作中心

  • 「道具」としての創作能力は高い

2.タブレット・スマホ

  • 画面の位置は好きなところに動かせる

  • 動かせるという点でパソコンとは異なり、より直接的な操作が可能

  • スクロールによる触覚のサポートは紙と比べると弱い

3.紙

  • 正直1、2と比べるとなんでもできる

  • 文字と図を直感的にすぐ書き表すことが可能

  • ページを捲るなどの行為や、どこにどんな内容があったかなどの空間的な感覚も内容を記憶する時の補助になる

  • ただし動きや画像の処理には弱い

  • 情報量に比例して重量と体積がかさばる

目的による違い

(本当に申し訳ないのですがここのパート用に参考にしていたページが見つからなくなってしまったので、この部分だけは出典なしで記憶を頼りに書いています。ご了承ください。)
ある大学の講義でレポートに関するメモをPCと紙でとらせた場合、PCでとった人の方が情報量的には多く、そのままの内容を書き写している傾向があったようです。しかし理解度の確認テストでは、事実関係の問いは五分五分でしたが、概要理解に関しては紙の方が優れているという結果になったそうです。
情報量はデジタルが上であるにも関わらず記憶が同程度というのはちょっと驚きました。せめてどちらかに傾くのかと思っていました。
しかし思考の類に関しては紙が優位なようです。紙の上に制限はないので、好き勝手に考えを広げられるのが圧倒的メリットになるのは想像に難くないですね。ただこの場合、比較対象がPCなので、打ち込みしかできないという制限が大きな影響をもたらしている可能性が高いです。タブレットなどを利用すればまた結果が変わってきそうなので、その辺も気になりますね。

情報形式の違い

ちなみにこんな記事も見つけました。
タブレット端末と紙の資料でそれぞれ画像的な情報の量による理解度の変化に違いがあったそうです。
簡潔にまとめると、画像情報が多ければ多いほど理解度が高まるのがタブレット端末の傾向で、紙媒体だとその変化は確認されない・または言語情報が多いほど理解度が高まるという結果になりました。

画像処理派の方はどちらを利用しても大差がないですが、言語処理派の方は紙媒体の方が優性という風に示されています。(”慣れ”に関する疑念あり)

 また、以下に示した赤堀侃司さんの論文内容のなかで、文章・図形・写真の記憶に関して紙とPCとiPadによる違いが結果に示されており、文章記憶は紙が優性図形記憶は全て同程度写真記憶はiPadが頭一つ抜けて優性ということが読み取れます。
さらに、問題の特性によって3つの媒体それぞれの正答率に違いがあることがわかっています。知識・基礎・多岐選択などの問題では紙媒体が優性記述・応用・理解などの問題ではiPadが優性という結果になっています。
PCは基本どれか頭一つ抜けて優性ということはなく、紙とタブレットがあればカバーできそうです。
基礎知識をつけるには紙、総合的な活動をするにはタブレットの方が優れているようですね。

【出典】赤堀侃司."インターフェイスの比較による 紙・PC・タブレット型端末の認知的効果".白鷗大学教育学部論集.2013-7-2

両者ともに言語情報には紙媒体が、画像情報にはタブレット端末が適しているという意見で概ね一致しています。

ちなみに、個人によって情報処理が画像派か言語派か異なっているそうで、簡易的なテストも載っていたのでご紹介しておきます。

さて、ここまでの話で自分が画像派か言語派か気になった読者には、篠原氏が考案した簡易判定テストの一部を紹介したい。胸に手を当てて、以下の(a)~(d)項目のそれぞれについて、自分にあてはまるかどうかを考えてみてほしい。
(a)何かを覚えるときには繰り返し読む

(b)何かを覚えるときには目に焼き付けるようにする

(c)顔色で相手の気持ちがわかる

(d)しゃべり方で相手の気持ちがわかる
テストの意図はお気づきだと思うが、(a)と(d)にあてはまる人は言語派、(b)と(c)に当てはまる人は画像派である。
「紙とデジタルのどちらが良いか」という議論は、人によって異なる部分がある。画像派の人にはタブレットが向いているし、「やはり言葉のほうが理解しやすい」という言語派の人には紙が向いている。企業の知的生産性を高めるには、こうした事情(さらには情報を利用する場所・状況)も踏まえて、紙とデジタルを適切に使い分ける必要があるだろう。
脳の反応の違い

日経BinGate 『そのペーパーレス、本当に正解? 脳科学で解き明かす「紙とデジタルの知的生産性」』

私はこのテストだと圧倒的に言語派でした。情報リテラシー論は実際に紙でメモをとっていますし、ここまで延々と文章を書いていても楽しいのでちょっと納得感があります。

慣れによる違い

違いの紹介はこれで最後になりますが、先ほど情報形式の違いのところで紹介した記事の中に、このような記述がありました。

「現段階で私たちが実施した調査では、仕事のパフォーマンスという観点において紙よりデジタルデバイスの方が優れているという結果は出ませんでした。おおむね紙の方が良い成績を出しています。それはデジタルネイティブといわれる20代前半でも、現時点ではまだ紙の方が優位だといえます。ただし、年齢が低くなるほど紙の優位性が小さくなると思わせるデータが出てきています。まだはっきりしたことは言えませんが、より進化したデジタルネイティブが出てきたら、紙とタブレットの優位性が逆転する可能性があるかもしれません」。

日経BinGate 『そのペーパーレス、本当に正解? 脳科学で解き明かす「紙とデジタルの知的生産性」』

ここまで色々書いてきましたが、これらの実験対象になった人々は元々紙に触れて慣れ親しんだ時間の方が長い世代ということで、この前提条件がひっくり返った世代でも同じ結果が出るのかどうかはまだわからないということが伺えます。ちなみにこういった最後の注釈はほとんどの記事に書かれていたので、まだ断言ができないというのが全体的な共通認識になっている感じましました。

結論

これらの情報から、一概にどの媒体を使用するのが最善ということはなく、使用する媒体は用途や個人の適正、慣れ具合に合わせて取捨選択していくことが大切だと言えます。

私はあまりパソコンで素早く打ち込むのに慣れていないことと、図式でメモをしたくなることが多いので、情報リテラシー論をパソコンで受講していたら正直ここまで色々考えることはできなかったかなと感じます。というか先生の授業は毎回内容が濃すぎるので、アナログで図にまとめながら適宜内容を省いていかないと全然メモが追いつきません!笑

そういえば、これらの記事を探している際に必ず出てきたのが、透過光と反射光では「受容モード」が違うという主張を含む記事だったのですが、こちらの研究は40年以上も前の哲学者の方が別の方の研究を参考にして発表された考えだそうで、そのまま鵜呑みにするには少々科学的根拠に欠けるとされています。もしこちらの完全に信用していたという方は、一旦調べ直してみるといいかもしれません。

もうそろそろ長岡は雪が降りそうです。ちょっとだけ楽しみです。

#長岡造形大学 #情報リテラシー論


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