少し前に、ご家族がアルツハイマーだということを公表されましたね。何しろ94歳ですから、致し方なのかなあ…
先輩である大御所フランク・シナトラは82歳で世を去ってますし。でも、そのような状態になっても発声練習などされているようで、本物のプロだなあって、唸らされます。

して、トニー・ベネットはアメリカを代表する大御所歌手で、フランク・シナトラと並びエンターティメントの世界で常に第一線を走ってきた人。また、シナトラをして「音楽業界最高の歌手」と言わしめ、アメリカ最高の男性ヴォーカリストでエンターティナーとも称される存在だったりします。

事実、声量や声質の良さ、秀でた歌唱力だけでなく、表現力の豊かさと幅の広さは本当に素晴らしいですし、ポップスだけでなく、ジャズ歌手としても絶妙なんですよね。

ほんの少し前だと、レディーガガとのコラボレーション・アルバムを出したりしましたから、若い人にも改めて周知されたと思います。あれも本当に素晴らしかった。

「The Lady is a Tramp」2011

ガガも素敵すぎてスバラ！　彼女の新たな良さ、一面を引き出しましたね。

ガガだけでなく、シェリル・クロウ、ダイアナ・クラール、ビリー・ジョエル、スティーヴィー・ワンダー、バーブラ・ストライサンド、ポール・マッカートニー、エルトン・ジョン、ディクシー・チックス、ジェームス・テイラー、フアネス、セリーヌ・ディオン、ダイアナ・クラール、エルヴィス・コステロ、k.d.ラング、ボノ、マイケル・ブーブレ、スティング、ジョン・レジェンド、ジョージ・マイケル、アレサ・フランクリン、マライア・キャリー…と共演したり、コラボアルバムを出していたりします。

何ていうか、ジャンルの違う若い歌手と柔軟にコラボするなど、そういう姿勢もね、小粋で小気味いいんですよね。彼の人柄なんでしょう。

さて、トニーはイタリア系ですが、歌手になる前は画家の仕事をしていたそうです。幅広い豊かな表現力は、画家として磨かれた感性の賜物でしょうか。

「Because of You」1951

「Cold, Cold Heart」1951

とはいうものの、私もさほど詳しくはありません。1950年デビューということなので、このあたりのヒット曲がデビューアルバム収録曲なのでしょう。

「Rag to riches」1953

公式Channelには当時のものではなく、高齢になってからの
若手歌手とのデュエットものばかりなので、そちらをピックアップ。声は昔と違いますが、歌唱力にはいぶし銀の味わいが加わってますね。

「Stranger In Paradise」1953

Stranger In Paradiseは、オペラ「イーゴリ公」からの曲で
「韃靼人の踊り」として知られていますね。なので元はロシア語。サラ・ブライトマンも、このバージョンをカバーしていました。

「I Left My Heart in San Francisco / 霧のサンフランシスコ」1962

そしてこの曲。私は「想い出のサンフランシスコ」と覚えていたのですが、なんでもトニーが歌う時は「霧のサンフランシスコ」と邦訳され、その他の歌手のカバーバージョンが「想い出の・・」と邦訳されるとか。なんか意味不明でよくわからんですっっ　オリジナルとの差別化なんでしょうかね?? 謎です。

喉というか、声帯も悲しいことに年を取って声質が変わるのは当たり前で致し方なしなんですが、老化と共に音域が狭くなり、肺活量の衰えと共に声量も減るのが普通なのに、トニーはさすがです。すごいなあって思います。若い頃とはまた違う、良さとか渋みが出てるし。

ちなみに若い?ころの歌声。

日本だと布施明さんとか尾崎紀世彦さんとかが、この域に達している同等の歌手かもですね。サブちゃん(北島三郎さん)も、もう声出ないみたいですしねぇ。

てなわけで、たくさんカバーされているこの曲。放題が「想い出のサンフランシスコ」のご紹介。原題は同じなんですがっっ汗

Frank Sinatra

Julie London

Brenda Lee

若大将こと加山雄三さん

この人もかなり上手いんですけどね。若いときの売り方とキャラで損しているような気がします。

尾崎紀世彦さん

お嬢こと美空ひばりさん

ジュディ・オングさん

なんとあわてんぼうのうっかり八兵衛こと、高橋元太郎さん(元スリーファンキーズ)も歌ってたりする。びっくり。
外付けリンクが無効になっていますので、URLだけペーストしておきます。
https://www.youtube.com/watch?v=o3TIXNbKsuk

江利チエミさんと勝新太郎さん

超レアですね。

THEE MICHELLE GUN ELEPHANT

てな感じに色んな人のカバーがあり、日本人にも愛されている曲です。皆さんはどのカバーバージョンがお好きでしょうか？

他blogに書いてあるものを、訂正・加筆・リンク修正の上、こちらに再度マガジンとしてまとめてUPしています。

「My Favorites〜音楽のある風景」
　2021/02/22　掲載記事より転載