CMSの対立を煽る人って。(追記あり)

たまに「WordPressの人」とか「concrete5の人」とか言って、制作者をどのCMSの人なのか分類したがる人がいるが私はそういうのは好きでない。という話。

私はよく「WordPressの人」に分類されるけれども、別にWordPressや、そのコミュニティに専属するようなことを言ったわけでもなし。「〇〇に浮気ですか?」だなんて言われても。なんだ。その。困る。

別になにかのCMSのコミュニティの人にそういうことを言われた、というわけではない。むしろ、どこにいようとコミュニティ活動を頑張っている人というのは、そういう配慮のないことはあまり言わない。

ひとつのCMSで自分の得意なパターンをつくって、それを磨く人もいいと思う。いろんなCMSの機能や哲学を知っていて、要件に合わせて最適な提案ができるということもまた素晴らしい。

人によってCMSの選び方の最適解は変わってくるであろうに、阪神か巨人かといったような対立の構造をやたら煽るような言葉を聞くと悲しい気持ちになる。CMSを比較するためにコミュニティへの心ない暴言から始める、といった態度はどうしても賛同できない。

FireworksとPhotoshop(最近だとSketchなんかも勢いがある)といった制作ツールについては比較的落ち着いた議論がされているように思うのだけど、CMSっていうのはなぜにこうも可燃性が高いのか。フローや制作方針と密接に関わっているから?

なにかのCMSが大好きな人は、冷静にそのCMSの哲学や機能を聞かせてほしい。他のCMSの不得意なところはどんどん指摘すればいい。ただ、喧嘩を売るのは違うと私は思う。そういう話。

追記1(2014年4月30日 20:28)

私の友人であり、コンクリートファイブジャパン代表でもある菱川拓郎さんたちとFacebookでいろいろこの記事についてお話しました。そのことについては後ほど私の方で追記したいと思います。

また菱川さんがこの記事についてエントリにしてくれました。併せてお読みください。

どのCMSに取り組むべきかは、自分がどこに立っているかで決めたらいい|notnil creation weblog

追記2(2014年5月1日 11:15)

私はCMSが相対し、お互いの得意なこと・不得意なことを指摘しあうことを否定するわけではありません。むしろ、そういった比較を積極的におこなうことで多くの検討者の利益になることでもありますし、なによりそれぞれのCMSが強みを育てるきっかけになるのですから、どんどんやるべきだと思います。

それを下品にならないようにやってほしい、ということなのですが「品の上下」なんて話になると、とたんに客観的な議論はできなくなるからよろしくない。

そういったことを考えるときに、菱川さんのアンサー記事のように「自分の立ち位置で決めよう」というのは極めて重要な基準になりそうな気がします。制作者たる私はどんな立ち位置にいて、どこへ行きたいのか。どんな価値を提供する人になりたいのか。CMSの選択は制作者のビジネスモデルにも直結しています。

案件に応じた幅広いCMSの提案をする。これもひとつの理想の解ですが、考えてみるとなかなかハードルが高いやり方のようです。そもそも数多くのCMSの制作フローを深いところまで体得することは極めて難しい。どんなCMSでも、ちょっと触っただけじゃ分からないものですから。
「CMSソムリエ」のような立場で案件に最適なCMSを選びチームを組める。これはできたら相当にすごいでしょうね。

そうなってきますと、やはりホームポジションとしてのCMSをひとつ持っていて、他のCMSの特徴もざっと掴んでおく。そこいらへんが多くのディレクターさんのいい落とし所、といえるように感じました。

(この文章はここで終わりです。もしもいいなと思ったら、わたしの酒か音楽に消える可能性が多分にありますが買ってやってください)

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