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〈Brush-UP〉あいこさんに性に関する疑問をぶつけよう!

みなさん、こんにちは。
みなさんは、License says〈HAVE〉を受講した方が受けられるブラッシュアップセミナーについて、ご存じでしょうか?

2023年12月11日のブラッシュアップセミナーでは、株式会社PLATICAを起業されている、助産師の渡邉安衣子先生を講師にお迎えしました。

テーマは「あいこさんに性に関する疑問をぶつけよう!

HAVEの講義では包括的性教育とは何かをご講義頂いておりますが、講義受講後に、普段のケアで感じていること、普段の日常で悩んでいること等をあいこさんに直接質問することができる時間となりました。

今回のnoteではどのような質問があがったのか、チラ見せしたいと思います。

事前のご質問

①LGBTQについて、性自認についてはどうやって伝えればいいのか?

まずこの問いに対し、性自認について、復習しました。

男性・女性をどう分けているのか?

①出生時に割り当てられた性

  • 体の性:生物的な性

  • 制度の性:戸籍

②自分で決める・自分で選ぶ性

  • 性自認(自分の性別をどう思う?)

  • 性表現(着ている服、仕草、言葉遣い)

  • 性的思考(どんな性別の人を好きになるか)

生物学的性と性自認が一致している人の方が多いと思います。それがマジョリティです。

性自認は自分の意思や他人の意見で変えることはできない。

性自認は「自分で選ぶ性」とは言われていますが、実際には知らないうちに感じているものと聞いて驚きました。
確かに、私もなんで体と心が一致しているのかと聞かれても、「知らないうちに」としか言えませんよね。

では、性自認について、どうやって教えたらよいのでしょうか?

一番自分が心地よいと思う状態が性自認です。
大人になることや成長についてポジティブに感じることを相手に押し付けるのではなく、変化があるけれどどんな思いを持ってもよいことを忘れずに。

「成長って素晴らしいんだよ!」「大人になると色々なことができる!」とポジティブにとらえることが当たり前と思って、つい言ってしまいがちですが、大人になることや成長に対して、様々な想いや考え方を持っていてもいいですよね。
むしろ、金太郎飴のように、どの人も同じような考えを持っていたら、それこそ怖いわけで。

いろんな気持ちがあるときに、話せる人がいますか?とお伝えすることが大切です。

あいこ先生から、性自認についてのオススメの動画を教えてもらいました!

PILCON
【LGBT】友達はトランスジェンダー【性自認ってなに?】

②4~6年生への合同授業で行う性教育の注意点・アドバイスを教えてください

助産師に求められる命の授業の意味合いは2つあります。
①職業人としての大切にしていることの話(自伝的なストーリー)
②保健体育や理科の授業の補足として(人が誕生するまでの科学的な知識を伝える)

どちらを求められるのかは学校側に確認しておく必要があるそうです。
また、からだの中で起きている抽象的なことをイメージできるのは10歳以降と言われており、だからこそ二次性徴については小4の保健体育で学び、さらに他の内臓の働きを学ぶのは小6の理科です。子どもたちの理解の発達段階を外部講師として知っておく必要があります。
目からウロコなのは、ユネスコの包括的性教育には「命」という文言は一切出てこないそうです。

思い出してみれば、私も小学4年生のときに、同級生から「父親の性器を母親の股に刺して子どもができるらしい」と言われて、「そんなわけないでしょ」と言ったことを覚えています。

でも、小学6年生になったら、第二次性徴が始まって、より具体的に生殖のことについて、理解を深めていっていました。

小学4年生と6年生が一緒に性と生殖について科学的な授業を受けるのは内容によっては難しいかもしれません。

そのような多学年の対象者の時は、助産師として見た命の大切さやリアル、
あなたが助産師として大切にしている思いなどを話を話すのもよいでしょう。

ですが、助産師として命の大切さを話すときには、注意点があるそうです。

あいこさんが命のお話をする際に絶対に伝えることは…

あなたたちが生まれたとき、おうちの方がどう感じていたのかはそれぞれでしょう。
でも、赤ちゃんが生まれてくるとき、医者も助産師もド真剣。
それだけははっきり言えることです。
90歳になっても100歳になっても、お産に慣れることは絶対にありません。
生まれてきてから、この子は可愛くない、どんな人生送ってもいい、と思うことも絶対にありません。
いらん子なんて一人もいないと助産師として思います。

私もよく性教育の授業を見学することがありましたが、「今親から辛い言葉を言われている子も、親は産んだ時は幸せだった」といった言葉を伝える方もいらっしゃいました。
でも、望まれずに生まれてきた子、幸せとは思えなかった親御さんもきっといるはずなんです。

みんなが望まれて生まれてきたと言うと自分と関係ないと捉えてしまう子がいる事実があるからこそ、「親がどう思ったか知らないけれど、助産師としてこう思っている」と伝えていくのが大切なのだなと思いました。

自己肯定感を押し付けるのではなく、「自己受容」や「自己存在感」を育んでいきましょう。

ここで、中には忘れてしまう方もいらっしゃる、とても重要な注意点があります。

「お母さん」という言葉も使わないようにします。

お母さんかどうかわからないからです。中には、生まれたときから乳児院で過ごしている子もいることを忘れてはいけません。

4~6年生のいのちの授業を依頼されたら、理科の補足・保健体育の補足をする場合は学年別に行ってくださいと伝えます。
もし全学年にとか、4~6年生になど、多学年でのご依頼の場合は、
私なら…
1.助産師の仕事の紹介
2.助産師として大切にしていること
3.同意について
 ①プライベートパーツ
 ②ネガティブな気持ちは自分を守ってくれる大切な気持ち
 ③いやだと思ってもいい、いやだと言ってもいい
4.出産のときに内診する
 いやだと言ってもらえる助産師でいるか?

③性被害に遭った時、相手をなるべく刺激せず離れる方法はあるのか?

どの方法がよいのかはわかりません。
でも質問者と同じように怖いと思って生きている人は、私たちの想像している以上にたくさんいます
もし勇気があるのなら、性被害者の本を読むのも良いでしょう。
でも、どの著書にも必ず書いてあるのは「これは私の個人的な意見でしかありません。いろいろな想い、様々なケースがあります」ということなので、言い切ることはしてはいけないと思います。

性被害者の本を読むのは、とても勇気がいることだと思います。
実は私も本で挫折した経験があります。

小学高学年の頃に、タイの幼児人身売買を描いた「闇の子供たち(梁石日)」を️読んで、途中で気持ち悪くなり、本を閉じてしまいました。
まさに性的虐待のシーンです。

生々しいシーンや体験を知ることは自分の身を守ることにもつながるかもしれませんが、それはきっととてつもなく勇気がいることです。

性被害が怖い、それは誰しもが思うことなので、なにが正しいことなのか、問い続けることが大切だと思いました。

④性犯罪加害者になることで受ける刑事罰の内容や社会的制裁について知りたい

刑事罰については性犯罪の法改正があるので、法務省から調べることが可能です。

意外と省庁にはたくさん情報が載っているんです。
あいこ先生の仰った法務省のページを調べてみました。

法務省が出している「再犯防止推進白書」には、性犯罪者・性非行少年に対する指導等のページがありました。

学生向けリーフレットが載ったページも発見しました。

法務省「性犯罪関係の法改正等 Q&A」

性加害者について知りたい場合は、「男が痴漢になる理由」斉藤章佳先生の本があります。

こちらの本ですね。詳しく書かれているようで、とても興味深いです。

⑤幼児がドラえもんのしずかちゃんを真似て「いや~ん」と言って遊ぶのが気になる。

やめてほしいと思うことには反応しないことが大事。
反応すると構ってほしいから、より言ってきます。

確かに、興味持たれなかったら、おちゃらけません。本当に嫌なことはスルーを決め込むのも大事なことかもしれません。
恥ずかしいことなんだと教えることで、恥ずかしいものと認識してしまうのも危いですね…。
伝える、伝えないってとても難しいです。

⑥子どもが自分の陰部を指して教えてくれるが、私の陰部にも同じようなものがあるか気になって触ろうとしてくる。保育園などで加害者にならないか心配。

子どもの発達を知っておくことが大切。
子どもがどんな想いなのかは大人が勝手に思い込んでいることかもしれません。本当に同じものがあると気になっているのかな?もしかしたら、毛がむしりたいだけかも。
「加害者」とか「大人なら犯罪者」という言葉は使わないほうが良いです。まだよくわかっていない状況なのです。

性教育や性加害について知れば知るほど、自分の子が加害者になってしまうかも…と心配になってしまうのもわかります。
でも、子どもの考えが本当に性加害に繋がるかどうかはわからないですよね…。あいこ先生の話を聞き、大人の勝手解釈で子どもを捉えることはよくないなと改めて考えることができました。

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いかがだったでしょうか?

このように、性教育に関する目からウロコな情報をたくさん教えていただきました。
まだまだ質問はありましたが、今回は抜粋させていただきました。

あいこ先生はLicense saysのHAVEでも講師をしていただいています。
性教育に興味はあるけど、真剣に勉強しようか迷い中という方も、今後は性教育の講師になってみたいという方も、是非あいこ先生から学んでみてください!

License saysに興味を持たれたら

License saysに興味がある方は、参加を考えてみませんか?
License saysでの学びは、あなたの助産師キャリアの幅を広げる大切なものになるはずです。
※HAVEはTHINK修了している、もしくは同時申し込みをしている方の受講となりますので、ご了承ください。

◎受講資格
 助産師 (臨床経験年数制限なし)

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