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Aさんの裁判を傍聴して

 去る10月28日、東京地裁にてAさんの裁判が開かれました。2回目の法廷(口頭弁論)です。裁判官は1回目はおひとりだったのですが、今回からは3名による合議制に変わりました。この訴訟が多くの注目を集めていることを裁判所側が意識したことによるようです。それに伴って法廷もより広い部屋になったのですが、それでも入りきれないくらいの多くのAさんの支援者が傍聴にかけつけてくれました。

 前回は被告側は文書を出しただけで誰も現れなかったのですが、今回は代理人(弁護士)がひとり出席しました。事前に被告側から訴状に対する反論の文書が出されていたそうですが、こちら(原告)側の弁護士の方に聞いたところでは、これが矛盾や事実ではないことが随所に見られる残念なものだったとのこと。そのため、こちら側はそれにすぐに反論するのではなく、まずは疑問点を事前に被告側に示していたそうなのですが、残念ながらそれに対するまともな答えはありませんでした。


 実は、被告側の文書についてのやりとりの中で、「このことは文書のどこに書かれているのか」というこちら側からの問いに対し、被告側が、自分の作成した文書であるにも関わらず「わかりにくいのですが」などと言いながら、えんえんと文書をひっくり返して探し続けるという不思議な場面がありました。結局分からず、こちら側からの「ここのことですか」という指摘で「あ、それですね」とそれらしいものが見つかった始末で、被告側文書の質は推して知るべし、と感じました。


 次回の法廷は12月7日。被告側の反論に対する原告側の再反論です。傍聴できる「口頭弁論」の形で行われますので、ぜひ多くの方にお越しいただきたいと思います。

渡邊佳一(三省堂労組)

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