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原告Aさんからのメッセージ〜性被害者が提訴するということ〜

裁判をすると決め、訴状を作るために「性被害を受けたときの相手と自分の一挙一動」や「自分を怒鳴りつけたときの相手の言葉」などの“消えてほしい記憶”を掘り起こすことは、自ら進んで自分の首を絞めるような作業でした。

思い出すのが嫌で裁判から逃げたいと思うときもありますが、それでも裁判をするのは「自分が裁判をしないことで、新たなターゲットを見つけられて次の被害者が出るかもしれない」という恐れがあるからです。私は被害者になってしまいましたが、これ以上被害者は生まれてほしくないです。

性犯罪の加害者には、自分のことをあまり悪いと思っていない人や「捕まらない自分の万能感」に酔っている人が多いと聞きました。しかし、被害者は一瞬で地獄に落とされ、被害を避けられなかった自分を責め、なかには自ら命を絶つまで追い詰められる人もいます。

性犯罪やパワハラなどの悪質な行為を抑止するために、“悪いことは悪いこと”としてしかるべき対応がなされる世の中に変わってほしいです。その小さな一歩として、この裁判が「経済的嫌がらせ」や「立場を利用した性犯罪」は決して許されることではないと、世の中に少しでも広まる機会になってほしいと願っています。

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