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介護をしている全ての人へ#55 ~ 言葉の使い方/ごちそうの効用

 この日の日記からは、家族の誰とも協力体制を築くことができない、意固地になっていた自分が読み取ることができる。実利的な事しか考えられない、幼稚さが滲み出ている。

2019年2月24日(日) 母の日記

 夫、気力なく一日中寝ねていた。体に力が入らないという。アリセプトを服用しだして大声で暴れることは少なくなったけど、元気もない。
 次男が兄を誘って出かけて行った。なにか緊張感があったので、不安。
歳をとって、病気持ちの私たちの話をしたのかもしれない。いろいろ案じてくれるのがありがたいが、二人とも自分自身のことを第一に考えてほしい。
 兄弟、3時過ぎに帰宅。お土産にうなぎ弁当を買ってきてくれた。三島のうなぎ屋さんに行ったらしい。次男が兄をねぎらったとのこと。私たち二人分のお土産まで…散在させてしまった。冷めていても、香ばしい香りがしてすごく美味しかった。ごちそうさま。
 夜、兄は清水のトレーニングセンターで運動。次男にお兄ちゃんのことを聞くと、相当追い詰められている様子とのこと。
 少し休んでほしいというと、じゃあ、代わりにやってくれるのか?とやや冷たく言い返されたという。
 確かに、今はお兄ちゃんが頼りだけ。親のことで喧嘩してほしくない。

2019年2月24日(日) 私の日記

 朝から不用品の選別、ヤフオクで出せそうなもの、メルカリで売れそうなもの、ごみとして処分するもの……いろいろやることが多い。
 弟が少し話をしたいというので、付き合うことにした。荷物の仕分けがのってきたところだったので、少々うるさいと感じたが、うなぎをご馳走してくれるということなので、ホイホイついて行った。
 三島の「桜屋」のうなぎ、初めて食べたが、香ばしい香りと、身が厚いのにふっくら仕上がったかば焼きは絶品。1人6,800円は伊達じゃない。
 うなぎを待っている間、両親のことを話す。実践論を抜きにして、少し休めと言われる。今が正念場、お前が代わりにできるか?と聞くと何となく白けた雰囲気になってしまった。できる範囲で手伝ってくれと言えばよかった。
 うなぎのおかげで兄弟喧嘩にならずに済んだ。ご馳走は偉大だ。
 




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