介護をしている全ての人へ#25 ~ 小さな幸せ

つらい闘病や介護中でも、ずっと苦しいわけではない。時々嬉しいことがある。この日の日記にはささやかな幸せが綴られていた。

2019年1月25日(金) 母の日記

 8:30ごろ、夫をデイサービスに送り出す。いつもより少し早い。それだけで気分が軽くなる。
 午前中は昨日取りにいけなかった夫の薬を取りに行く。380円…高い金額ではないが、夫のためにお金を使うのが惜しい心持ち。
 近所の薬局から帰ると、Q兄さんの車がマンション前に、私を気遣って訪ねてきてくれた。ようかんやおせんべいなど、こちらが気をつかわない程度のお土産が本当にうれしい。Sちゃん(夫)が帰ったら一緒に食べて、仲良くやってくれと言い残して2時間ほどで帰っていった。仲良くできるかどうかは夫次第。とろろ蕎麦のお昼ご飯を作ってくれた。ついでに、夕ご飯の用意もしてくれた。長年、管理栄養士として大きな工場で働いていただけあって見事な手さばき。
 夜9時ごろ大好きな舟和の芋ようかんをお土産に長男が帰ってきた。今日はようかんが重なった。うれしい。
 今日は大坂なおみの登場がないのでとても心穏やか。

2019年1月25日(金) 私の日記

 来年売り出される、N生命の新保険の概要が決まり、急にお客むけの案内パンフレットや営業用資料の制作を仰せつかった(内容の部分は割愛)。
 19:00近くまで打ち合わせにかかってしまったので、予定の新幹線に乗ることができなかった。片付けを終えてエレベーターホールに行くと、Kさんの後ろ姿がみえた。彼女もちょうど帰宅するところだったようだ。後ろ姿も美しい。
 駅まで5分ほど並んで歩いたが、緊張して言葉が出てこなかった。別れ際に「色々大変そうだけど頑張ってね。私はHさん(私)がいてくれて色々助かっているからね」と声をかけてくれた。今日1日の疲れが抜け落ちていくような幸福感。でも、「ありがとう」としか言えなかった。
 幸せな気持ちになったので、東京駅の構内売店で母の好物、舟和の芋ようかんを買った。
 母は、Qさん(母の兄)が様子を見に来てくれたと言って嬉しそうに昼間のことを話してくれた。
 寝る前に、幼なじみのMさんからライン、あした映画を見に行こうと誘ってくれた。
 
 


 

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