見出し画像

マザーグース(4)

マザーグースの歌をご存知ですか?
マザーグースと言えば、ハンプティ・ダンプティなどが有名ですね。

子守歌からあそび歌、あたりまえなことを口ずさむ歌や、歴史的事実が元となった風刺歌まで実に様々なものがあります。
それらは空想の産物とは異なり、まさに生きて目にする光景を元に、または直接ストレートに詩にしたかのような生々しさを含んでいます。
不気味でリアルで、あるいはナンセンス。
そんなマザーグースの1部を、
谷川俊太郎さん訳バージョンから抜粋してご紹介します。

ちっちゃながきのころ
 おいらちっともりこうじゃなかった
そいつはむかしのはなしだが
 いまでもおいらおんなじさ
いつまでたってもだめのかわ
 きっとしななきゃなおらない
なぜっていきればいきるほど
 おいらますますばかになる

フォースターせんせい グロースターへいった
どしゃぶりのあめのなか
みずったまりにふみこんで
おなかのうえまでずぶぬれさ
グロースターはもうこりごりだ

こけこっこう!
おくさんくつをなくしなすった
だんなはバイオリンのゆみをなくした
どうしていいかわからない

こけこっこう!
おくさんどうすりゃいいんだろう?
だんながゆみをみつけだすまで
はだしでおどることになる

こけこっこう!
おくさんくつをみつけなすった
だんなもゆみをみつけなすった
うたおうけっこうこけこっこう

(抜粋元:講談社文庫 マザーグース 谷川俊太郎訳)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?