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視覚的にも面白い『じょっぱれアオモリの星』

 木曜は、私のライトノベル愛語りです。今回は、令和5年に出版された『じょっぱれアオモリの星』を紹介します。
 このラノベ、ざっくり言うと、東と北の果てにあるアオモリなる田舎から出てきた主人公オーリン・ジョナゴールドが、レジーナ・マイルズという女の子とパーティを組んで冒険する物語です。普通と異なるのは、オーリンは津軽弁がキツくて、一般の人たちには言葉が通じないため、レジーナに「通訳」してもらわなくてはならない点でしょう。つまり、この物語の成否はオーリンのキャラが立っているかが重要な訳です。
 その肝心のオーリンのキャラ…見事に立っています。話す言葉は津軽弁だし、一見、好青年風だけどメッチャ頑固者だし、それでいて超絶魔法を使いまくるのです。しかも超絶魔法を使った後には、「あれはアオモリだばそごらの爺様(ジサマ)でも使えるだね」などと、サラッと流す辺りも実に見事。私は、あっという間に引き込まれました。
 更に、前の段落で少し紹介しましたが、物語のあちこちに津軽弁が入ってくるのが面白い!
 この作品での津軽弁の表記の仕方は、大きく分けて2種類あります。標準語の横に、津軽弁がルビとして書かれている時が1つ。ずらずらずらっと津軽弁で書いた後、標準語で書かれた解説が入る時が1つ。どちらも本当に面白い…視覚的にも…です。
 実は、青森県とは個人的に接点があります。中学生時代の修学旅行先は青森県でしたし、私の子供は弘前大に御世話になりました。そんな訳で私自身、青森県には何となく親近感があります。
 それで、題名を見てふらふらと衝動買いしてしまったのですが、この本は買って大当たりでした。今後、シリーズ化の予定もある感じなので、とっても楽しみにしています。
 因みに作者は、青森県ではありませんが、東北地方出身の方らしく、東北地方への愛が溢れています。もしかすると、それも、読み終えた後の楽しく清々しい気持ちに繋がっているのかもしれません。

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