いろんな人の記憶を寄せ集めて書いてます。

柳田周作は大学生のはじめ、軽音部にも入らず、何も音楽をやっていなかった。そんな時、たまたまツイキャスで弾き語りをしている寺口宣明を見つけた。自分と同い年でたくさんの人を感動させているその姿が強烈にかっこいいと思い、憧れ、自分も歌を歌ってみようと人生で初めて思った。その後、ツイキャスで弾き語りを始めて寺口宣明とやりとりをできるようになった。2014年9月6日寺口宣明がIvy to Fraudulent Gameとして東京でライブすることを知った。柳田周作は福岡から1人夜行バスで渋谷O-Crestにライブを見に行った。そのライブのメンツは自分が昔から憧れていた石崎ひゅーいもいた。そんなスターと対バンする同い年の寺口宣明を柳田周作は1人最前で見ていた。ライブ後、物販に立っているのぶのサインが欲しい女の子ファンの列に柳田は並び、のぶに勢いで話しかけた。そうしたら、のぶも「珍しく男ファンがいるな、面白いな」と思ってその場の勢いでLINEを交換した。その後も、福岡でIvyがライブがあるから観に来る？と誘われた柳田はまた一人でライブを観に行った。ライブ後に柳田はのぶにビール奢ろうと思って、コンビニへ走って買いに行った。ビールを買い終わってライブハウスに戻ってきた時、のぶを見たら出待ちの女の子に囲まれていた。それを見て柳田はビビってビールを渡せずに帰ったというエピソードもある。その後、初めて神サイのライブにのぶが観にきてくれた時もあった。その時、柳田はのぶが見てくれてることが嬉しくてMCでのぶのことばかり喋っていた。ライブ後にのぶに感想を聞いてみたら、お前らの演奏はまだまだだね。でも煌々と輝くは良かったよと言ってくれて柳田は本当に嬉しかったらしい。

そこから数年後、
Ivy to Fraudulent Gameは2017年７月10日に恵比寿LIQUIDROOMでツアーファイナルのワンマンライブをし、ライブの最後にメジャーデビューの発表をした。その時も柳田は1人でライブを観に来ていてた。ライブ後の帰り道、酒を片手に1人で泣きながら歩いていた。

次の年2018年8月29日　柳田と寺口が24歳の年
渋谷TSUTAYA O-Crest
神サイは自主企画「鹹水と淡水」にゲストとしてIvy to Fraudulent Gameを呼んだ。1番手はIvy

寺口宣明のMC
「神サイの柳田とは仲良いんすけど、初めて対バンします。渋谷クレスト、ここで初めて柳田と会いました。俺らのライブが終わった後の物販にあいつ、サイン欲しいファンの列に並んでました。俺らのライブに男がいるのってすげー珍しかったんすよ、当時。だからおもしれーなって思って、LINE交換したんですよね。
そん時はあいつ、弾き語りだけやってたみたいなんだけどさ、その後、半年経ったくらいにあいつバンド始めたらしく。神はサイコロを振らないをね。俺もMV観てみたんすよ、YouTubeで。そしたら、けっこうかっこいいじゃんって思いました。あいつ、この前言ってたんだけど、俺をみてバンド始めたって。本当かよ？ってびっくりしたよね笑そんなやつが今日俺らを企画に呼んでくれたこと、嬉しいです。これからも神サイとはバチバチにやりやっていくんでよろしく！」

2番手の神サイ

柳田のMC
「僕はのぶを見て弾き語りを始めて、さらにIvy to Fraudulent Gameを見てこの、神はサイコロを振らないを始めました。前に、のぶが音源聴きたいから全部送ってよって言ってきたから送った時があって、この曲が1番好きだわって言ってくれた曲があります。それは音楽を作ってて音楽家として悩んでた時に産まれてきた曲です。今からやります。聴いてください。アーティスト」

「2014年9月6日。ここ渋谷クレスト。最前で俺はIvyを見てました。その時の、のぶは今みたいに歌が完成されてなかった。もがいているみたいだった。でも、その姿がすげぇかっこよくて、俺はのぶになりたいって思った。さっきIvyのライブ見てて、she see seaの時にその時のこと思い出して1人で泣きそうになってた。
Ivyがメジャーデビューした時、俺は嬉しかったけど、同時に悔しかった。やっとあいつに近づけたはずだったのに、また遠ざかっていってしまう。でも、それでも、のぶがいつも前にいてくれるから、俺はあいつを追いかけようと必死に頑張れるんだと思う。今からやる曲はのぶのことを歌った曲です。
あいつは俺の光
今度は俺がのぶの光になる
今度は俺がお前らの光になる
煌々と輝く」

神サイセトリ
1.静寂の空を裂いて
2.極彩
3.甘い水
4.blood
5.フラクタル
MC
6.アーティスト
7.flower(夜永唄)
MC
8.煌々と輝く
9.ナスタチウムの花
10.映幻日
11.秋明菊

ライブ後の柳田周作のインスタ
「何だかんだ一緒にするまで3年かかっちゃったけど、俺はお前と出会えて良かった！なにもなかった俺に音楽という生きる術を与えてくれたのは紛れもなくお前だよ！のぶ！これからもよろしくな!!!ばーーーーか」

そこから2年後、2020年、コロナが始まった時に神サイは夜永唄が奇跡的なバズりを見せて、メジャーデビューが決まり、Mステにも出ることが決まった。
逆にIvyはメジャーレーベルを辞めて、自主レーベルで活動をスタートさせた。

そして、1年後の2021年柳田周作と寺口宣明が27歳の年
Ivyが自分たちの企画に神サイをゲストとして呼んだ。
2021.09.01   渋谷TSUTAYA O-EAST
Ivy to Fraudulent Game presents
「揺れる1.1 」

1番手は神サイ

セトリ
1.遺言状
2.巡る巡る
3.胡蝶蘭
4.REM
5.導火線
6.揺らめいて候
7.徒夢の中で
MC
8.煌々と輝く
9.1on1
10.クロノグラフ彗星

柳田のMC
「僕は、今こーやって神サイのVo.やってますが、元々は1人で弾き語りをやってました。そもそも僕が歌を志すきっかけになったのは、のぶです。僕が20歳の時にツイキャスであいつが毎日狂ったように歌っていました。それを見て、僕は電撃が走ったんですよ。歌でこんなに気持ちを届けることができるんだって感動して俺も歌ってみようと思ったのが神サイが始まった全て、根源です。だからあいつにはめちゃくちゃ感謝しているんですよ。当時、まだ20歳だったときに福岡から渋谷のクレストにわざわざIvyを見に行ったんですよ。そこで、弾き語りののぶじゃなくて、Ivyののぶを見れて、それに第二の電撃が走りました。Ivyは当時まだまだ男の子のファンが少なくて、俺がサインくださいの列に並んでたんですよ。そしたらのぶが柳田じゃん！って、LINE交換しようよってなりました。その後、いつかあいつに追いつきたいなって俺もバンド頑張ったんですよ。そしたら、ちょうど3年前の今頃に思い出の渋谷クレストで2マンができて、僕らの企画にIvyが出てくれました。それがすごい嬉しくて、その時に約束しました。いつかもっと大きな舞台に俺らが立てるようになったら今度はそっちが呼んでくれって。
それが今日です。このTSUTAYA O-Crestから始まってTSUTAYA O-EASTで僕らとIvyがやりあうっていう夢のような話です。俺はのぶに夢を見させてもらったから、今度は誰かに夢を見させてやりたいって思いながら毎日音楽をやっています。コロナでこんな大変な状況ですけど、だからこそ僕らは音楽が必要なんだってステージに立つと思います。今、学生さんとかすごい大変かもしれないけど、いつか必ず晴れる時は来ると思います。その時に、この中の誰かが音楽をやってくれたら俺らもIvyも嬉しいと思います。
という想いを込めて、当時の僕があいつに向けて書いた曲を送ります。「煌々と輝く」

2番手のIvy to Fraudulent Game
寺口宣明のMC
(オンライン配信されたライブ映像より抜粋)
「あの、柳田がさっき言ってたこと、それ聞いてすげえグッときちゃってさ。本番前に揺さぶるのやめてほしいなって思ったんすけど、その揺さぶりが今のこの素晴らしい景色だったり、良いライブに火をつけてくれた気がします。あいつがさ、俺を見て音楽を始めたって言うけど、今日のあいつは久々にちゃんと見て、めちゃめちゃ輝いて見えた。俺たちの方がかっこいいぞって気持ちはもちろんあるよ。あるけど、あいつらのことは誇らしく思ってしまいました。みんなもそうだろ？どうだい？
これからも神サイとは同い年ということもあり、同志ということでやってくから。俺らはたぶんイコールにないにしてもほぼイコール。人生のほとんどが音楽です。分かんないけど、俺はあいつじゃないから分かんないけどさ。たぶん捨てられないもんなんですね、もう戻れないというかさ、なんだろう、足を止めたくないつーかさ、それだけの話なんすよ。お互いに旅を続けていく、何が起きるか分からないし、旅ってそんな簡単に進めるもんじゃないし、今こんな状況になってるし、でもマスクしてでもさ、歌えなくてもさ、前にこれなくてもさ、ここを選んでさ、音楽を選んでさ、何か言われるかもしんないけどさ、そのリスクよりも、やっぱり音楽が必要だと思ってさ、もう娯楽の範疇を超えてさ、尊いものになってるってことでしょ？みんな？俺はそうだと信じています。

俺たちのこと好きな人も好きじゃない人も今ここで向かい合ってるそれが全てだと思うよ。分かろうとしてるじゃないか。言いたいこといっぱい溜まってると思うよ。正直、あるよ。でも言えないじゃん、ありがとうすら言えないじゃん、ここで。だから俺が全部歌うよ、ここで、俺たちで良ければ。預けてみないかい、その溜まってるものを。全部歌いにきたよ。Ivy to Fraudulent Gameです。よろしくお願いします。「旅人」

後半のMC
「今年の夏は去年以上にあまり楽しめなかった人が多いと思うんですよ。音楽というものはそれでも存在していて。あの、この前名古屋の方でヒップホップのイベントがあって、問題になってたよね。マスクもせず、飲酒して、密の状態でコールアンドレスポンスやっちゃったイベントがあって。あの、俺はすごく遠いところの話なんだけど、簡単にそう思い込むことはできなくて。だってコロナになってから俺たちは何もできないところから、なにかできることはないのかなって、この脳たりんの頭の中をフル活用してバンドで答えを出し続けて歩いてきて。やっと、こーやってルールを守りながら、我慢してもらいながら、窮屈の中だけど、やっとライブができるようになってきた。でも、それでもリスクは伴うからみんながこーやってルールを守って聞いてくれてることがすげー誇らしいし、めちゃめちゃ愛しいと思ってるよ。わかる？拍手！笑
ジャンルが違うとかそーゆうことじゃねえんだよ、かっこいいものはいくつでもあります。ジャンル違うものでも。だからロックは大丈夫とか言いたくないし、ヒップホップはダメだと絶対言いたくない。でも俺は、俺が信じれるのはやっぱ、今は、あの自由な音楽取り戻そうぜ、今はもう我慢できねえぜ。じゃなくて、やっぱり今、音楽必要な俺たちだからこそ、誠実に音楽の前に立ち続けるべきだと思うんだよね。あの、ごめん、考えは違う人もいると思うんだけど。少なからず俺はみんなのこと今日見てて勝手に同志だと思ってます。今日みんなすげぇかっこいいです、ありがとうございます。
あの、やっぱ夏って青春したいじゃないすか、でもできないじゃん今。だから、どうか俺たちのこと青春にしてってよ。俺らもそーする。今日みたいな日のこと。ときめく時期とかときめく年齢とか夢見る時期とかそーゆうのは勝手に決めつけないでほしい。そんなもんに囚われなくていいから。音楽ちゃんとあるから。俺たちいるから。全部見てるし。代弁して歌ってるつもり。俺たちを青春にしてってくれよ。ありがとうございました。Ivy to Fraudulent Gameでした。
(ギターかき鳴らし始める)
神サイ聞こえてくるかぁぁぁぁ
どこまでもいこう
どこまでもいこう
俺たちならいける
声出せなくたってさ
前に来れなくてたってさ
響いてるやつがこんだけいるんだぞ、俺たちには

みんな俺たちに出会ってくれてありがとう
そして
一緒にいこう
素晴らしいものには喝采を
気に食わないものには中指を
愛するものにピースを
俺たちまだまだまだまだまだ
「青二才」
サンキュー

ライブ後の柳田のインスタ
「今人生で1番悔しい。けどこんな悔しくさせてくれんのもIvyくらいなんだよな。出逢った時からずっと格好良すぎるんだよこの男は」

寺口のインスタ
「神サイ×Ivy to Fraudulent Game
また必ずと約束をした。
その日まで互いに戦って磨くだけだよ。
愛してます愛してくれ。
また会える日まで俺たちの音楽は鳴り続ける。待っててくれ。待ってるしな。」

この動画で話している通り、寺口宣明は実は柳田周作に劣等感と憧れを抱いていた時期があった。2020年のコロナになった時、Ivyはメジャーレーベルから脱退し、自主で活動するようになった。ライブもできないのでオンライン配信、新しい物販、曲を作って収益を立て、バンドをどうにか続けられるように必死に頑張っていた時期だ。光が見えない暗闇の中で、もがいてる時、対照的に神サイは夜永唄がいきなり異常なほどバズってメジャーデビュー、TV出演がたくさん決まるという奇跡が起きた。
のぶ
「俺を見て音楽を始めたって言ってたやつがあんだけみんなに知られるようになったのに、俺らなんて誰にも知られてない、こんな劣等感は他にないよね、って正直思ってた。」
そこからも2人は一緒にサウナ行ったり、ラジオに出たり、仲良く関わり続けていたものも、根本には劣等感、憧れ、悔しさが残っていて、柳田に無意識に壁を作ってしまっていた。とのぶは言う。そんな想いを抱えながら2021年9月1日に2マンをした。1番手の神サイは全力で良いライブをしていたが、どこか焦っている、不完全燃焼感があった。憧れの人たちに成長した自分たちを見せて、やっと胸を張れるという想いが、募りすぎて緊張していたんじゃないかと思った。対照的に、Ivyは胸に抱えた想いを燃やして挑戦者のようなギラギラしたライブをしていた。寺口宣明は圧倒的にカッコよかった。完全にその場を支配していたし、その日の圧倒的MVPだった。柳田はそれを見て、自分たちもなんであんな風にかっこいいライブができないんだろう。せっかく追いついたと思ったのに、また届かない、悔しい。でもやっぱのぶはそういう存在なんだ。また頑張ろうと思ったはず。でも、のぶは神サイのことを微妙だったとは思ってなくて、キラキラ輝いて見えたと言っていた。それは、神サイを見るお客さんのキラキラしてる姿が、不思議なことに、柳田の目に反射して見えたんだと思う。俺とは違うまた1個上のボーカリストとしての姿だと思って感動したと言っていた。この動画で話している日は2022.07.30。柳田周作と寺口宣明が一緒にツイキャス配信するのは何年ぶりだろう。3日前にIvyがSaucy Dogと渋谷で2マンがあり、それを柳田がまた一人で観に来てくれたらしい。その帰り道に柳田が、今日のライブ本当にカッコよかった。コロナの時ののぶはメンタルがあんま良くない状態だったから心配だったと言っていたそうだ。のぶは、気づかれてないと思ってたけど、バレてたんだ。よく見てるんだなと思った。と言った。
その3日後の2022.07.30 ツイキャス配信で、のぶは、ぶっちゃけるとあの時はそうだったし、お前に対する劣等感すごかったんよ。でも、それを今お前にこーやって言えるのは今のIvy to Fraudulent Game俺たちが本気でかっこいいと思えるからなんだよね。今そう思えて本当に良かった。あと実は、この前出した新譜のUNDER LANDって曲、実は柳田に向けて書いた曲なんだよね。あれはお前の曲だよ。と言っていた。

僕が思うこの2人の話の凄いところは、お互いの立場が逆転して、尊敬しあっているところだ。バンドという、いつ終わるか分からない厳しい世界の中で2人とも挫折を繰り返し、一個一個積み上げてきた。そして、離れては、遠ざかっては、交わる。立場が逆転しても、離れては遠ざかっては、また再会する。この奇跡の連続はドラマみたいだ。昔から柳田周作はSNSやライブで自分の弱いところを曝け出して、等身大の姿を見せてきた。それとは対照的に、寺口宣明は弱いところをあまり見せずにかっこいい自分を見せることを意識していたと思う。柳田も「のぶは人間じゃなくて怪物だとずっと思っていた」と言う。だけど、2022年の寺口宣明は柳田周作のように弱さをどんどん曝け出していってそこから這い上がっていくスタンスに変わってきた気がする。柳田周作に似てきたんだと思う。でもそれは、年数を重ねたことによって尖りがなくなってきたわけではなく、昔よりも今が一番尖ってるよ、俺たち。と寺口宣明は言っていた。

来年の2023年4月14日
IvyのZepp DiverCity 2Days
対バンはまだ発表されていないが、
Zeppツアーを終えて進化した神サイがゲストで来てくれることを信じている。