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現実はもっと残酷。映画『PLAN75』鑑賞

今日話題作『PLAN75』を観に行ってきました。                                                                       昨日の夜予約した時はスカスカだった席が今日のお昼に確認するため見たらすでに埋まっていて「テレビか何かで宣伝してたの?」と思う程。しかも私より年上の先輩方だらけ。自分の身に迫ったストーリーだからでしょうか。

本来でしたら二人で観に行くにしても他のお客さんとの間にひとつでも空席にするはずがなぜか空席を作らずびっしり。これって映画を見に行こう!となったサークル?団体?それともただ単にお年を召した人の特徴なのか、、、。

そうこう思っているうちに映画がはじまります。75歳から生死の選択権利を与えられるプランが『PLAN75』。現在、日本の高齢化社が深刻な問題になっているためフィクションなのにいずれはそうなるんじゃないかと思わせるようなエスプリがきいてます。のっけからご高齢の方にはちょっとショックな場面。銃声の音に私でもビクッとなったくらいなので周りの皆さんは、、、(自粛)。

ヨーロッパ人が好みそうな社会風刺を含んだ映画、と思いきや、やはり日本の観客を完全に突き放すことはしない監督さん。プランに対し本人は納得して死を選んだとしても、その人の身内ならどうしたって割りきれないよね。

というオチと運良く?機械が壊れて死に損なった人が朝日を浴びるラスト。だけどこの後どうなったの?と気になるけどホントどうするんだろ、、、。磯村くんはつかまっちゃったのか?倍賞さんは住むおうちもう解約しちゃったよね?


私は金融の会社に勤めていたので、ご高齢の親御さん名義の高額預金を何がなんでも払い戻そうとするお子さん(もちろん成人)に何度も遭遇しました。明らかに意志疎通が困難なお母様を金融機関に連れていき、

「本人きてんだから金払い戻せるだろ!」

ほとんど恐喝ですよ、、、。

「払い戻せるまで帰らないから!」

と親御さんが亡くなった後のお葬式代を書類が用意出来ないのに請求を強行する方もいました。自分の職場で拉致状態です。それでもお客様が納得しかつ正しく手続きするしかありません。

そんなことを言う子どもだとわかっていたならこのプランも考えてみてもいいかな?と思うかもしれません。でも自分がしっかりしているときに限って子どもは自分に無関心なんですよね、、、。親御さんは大変です。おひとりの方はそのような心配はないかもしれませんがだからこそ他人に迷惑を掛けずに死を選びたいと思うかもしれません。

映画の中でも答えはなくて、自分の親だけでなく自分の身にも置き換えていろいろな想像を巡らすことのできる、そんな映画でした。

私くらいの年の方はエンドロール終わってすぐ席を立ちそそくさと帰る人が多かったですが、映画が始まる前はすこぶるかしましかった高齢の方はショックですぐには立ち上がれない(立ち直れない?)ような、それとも寝ていたような?    ちょっと感想を聞きたかったです。

“現実には目を背けがち”な私の旦那は「絶対見ない」

そうだろうなあ、、、。



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