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心残りとか、大福とか

昨日久々に都内に出たのは、お世話になったギャラリーが店を閉めると連絡があったからだ。

40になる頃、わりと安定していた仕事をやめて、さて作家を名乗ったものの、それだけでどうなるものでもない、どうしようかと思っていた時だ。
とにかく作品を作って、貸ギャラリーで個展を開き、見よう見まねでHPも開設した。
だけど、やはりその程度ではどうなるものでもない。

そもそも、なんの展望も計画もなく仕事を辞めたのだから、まぁ当たり前のことである。

そんな時初めて声をかけてくださったギャラリーが、こちらであった。

早速お伺いすると、HPを見て作品を気に入っていただけたということ、オーナーさんは元々が動物病院の先生で、リタイア後にギャラリーを始めたということ、まだ開廊から日が浅くて、手探りで運営していることなどを話してくださった。

要はお互い遅れたスタートを切ったばかりであり、わたしにとっては、いわゆる画商さんではない、普通の感性の方に認めてもらったのが嬉しかった。

以後、毎年個展を開かせてもって、時には個人的に作品を購入いただいたりしたのに、結局あまり売上で貢献できず、どうにも不甲斐ない思いばかりが残ったのだが、今となっては如何ともしようがない。

なので、どうしても直接ご挨拶をと出向いたのだが、今月末まで開いているはずのギャラリーは、開廊時間になってもドアを閉ざしていた。

1時間ほど待ったが開く様子がない。
仕方がないので短いメモをドアにねじ込んで帰ってきた。
手土産に買っていった苺大福は自分で食べた。

結局、メモや手土産では伝えられない思いが残ってしまった。


とにかく、ずっとお心遣いいただき、本当にありがとうございました。

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