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息子へのエール

やっと光が見え始めました

郵便局での用事を済ませ、足早に帰宅をすると
家の前でハッとする光景がありました。

シューシューシューと音が聞こえてきました・・

その音は・・
息子が自分の部屋に閉じこもってから、随分と長い間放置されたままの息子の車からでした。
いつもは片隅に追いやられていた車を動かし、タイヤに空気を入れているその音でした。

運転することも無くなり、タイヤの空気も減っていく車を見ながら
「どうするんだろうこの車」
そう思いながらも・・情けないけれど、もう見守ることしか出来なかった辛い日々・・

そんな時に思いがけずに出くわした光景に、胸が高鳴りました。

あれからどれくらいの月日を数えてのでしょう・・

自宅の二階の部屋に閉じこもり、世捨て人のようになってしまった息子でした。
母として、すでに手を差し伸べることさえ出来ない状態となり・・
家族、もちろん息子本人も・・悲しく辛い心境だった数年間・・
もうこのまま何も変わらないのかと、叫びたくなることもありました。

そんな日々を超えて・・
やっとやっと・・やっと変化が訪れ始めたのです。

昨年末から、夜中に仕事に出かけてる感じがしています。

それはそれは・・長い月日の暗く長いトンネルの中で
「やっと光が見えてきた」
そんな感じなのでしょうか・・

いえいえ、まだまだ安心はできないのです・・
何度も同じことを繰り返し、失望することがあるかもしれません・・

世の中の理不尽なことに耐えきれなくなり・・
心が冷たい氷河のようになってしまった息子・・
その氷が溶けて水になり、笑顔を取り戻すその日を信じていると
息子へエールをおくりたいです。

明日も明後日も心が晴れますように・・


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