見出し画像

21話 デザート

もみじと一緒にオムレツを作った僕。
朝も昼もオムレツだった為、夜は僕がもみじに手料理を振舞おうと思い何を作れば喜んで貰えるか考えていた。
「何がいいかなぁ」もみじは今友達と出かけているためここにいないが夕方になれば戻ってくると思う。サプライズするためには4時までに完成させなければならない。
「そうだ!ディナーはカルボナーラにしてデザートはメレメロにしよう」さっそくデザート作りのため材料調達をしに行こうとしたが幸い自宅に材料があった為出かけずに済んだ。
「えっと」スーパーで買ったタルト台に、生クリームを詰め、クッキーなどのお菓子をトッピングし、170度のオーブンで15分くらい焼く。焼き上がったら粗熱を取って冷蔵庫で冷やしておく、メレンゲを8分立てで作り、タルトの上に乗せ、形を整えたら包丁の背で模様を付ける。
「こんなもんか!あとスモアも作っておこう。念の為に」カルボナーラは簡単に作ることが出来た。
「もうこんな時間か!そろそろ帰ってくるかな」サイダーでも飲みながら待っているとインターホンがなりただいま!という声が聞こえた。もちろんもみじだ。
「おかえり!友達とは楽しく遊べた?」
「もちろん」
「夕飯はまだだよね?」
「まだだけど、どうして?」
「実はカルボナーラ作ったんだ!」
「え!私のために作ってくれたの?」
「もちろんだよ!手を洗って冷めないうちに召し上がれ!」
「分かった!」もみじは速やかに洗面所で手を洗い椅子に座った。
「美味しそうなカルボナーラね」ちなみにメレメロは冷蔵庫の中だ。
「早く食べてみて!」
「いただにます!」この料理を食べた時私は思った。こんなに美味しいカルボナーラを食べたのは初めてだと。
「美味しかった!ご馳走様でした!」
「お粗末さまでした!実はデザートもあるんだよね」
「デザート?」
「うん!メレメロとスモア!」
「スモアは聞いたことあるけどメレメロは初めて聞いた」
「だろうね!だって僕が考えたレシピなんだから」
「え!待って?じゃあまだ誰も食べたことの無い料理を私が初めて食べるってこと?」
「そういうことになるね」
「食べてみてもいい?」
「いいよ!もみじの為に作ったんだから」
「そりじゃあ、いただきます」
「なに!この口の中にふわりと広がる感触は!美味しいよ」
「喜んでもらえて良かった!スモアも食べてみてよ」
「うん!食べてみるね」そうしてもみじはメレメロに続いてスモアを食べた。
「やっぱり美味しい」
「そりゃそうさ!なんせ隠し味が入ってるからね」
「隠し味?なにそれ?」
「うん!それはーー」僕はここであえて口を止めて息を整えてから言葉を発した。
「ーー愛情だよ」
「ありがとう!私の為に作ってくれて」
「僕も朝オムレツ作って貰ったからね!そのお返しだよ」
「そっか!また2人で料理しようね!」
「うん!」
「それじゃあ!お風呂入って寝よっか」
「そうしよう!」この日はいつもより寝るのが早かった。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?