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検証「日銀の保有国債の含み損が過去最高の10.5兆円に達して大変だ。。。」は、本当か(予告)

ア)日銀の4~9月決算発表と報道

日銀が先月11月28日に上記を発表しました。

https://www.boj.or.jp/about/account/data/zai2311a.pdf

これを受けて、主要メディアは「日銀の保有国債の含み損が過去最高の10.5兆円に達して大変だ。。。」と報道。少なからずざわついているようです。いくつかの記事のURLを貼ってみました。

イ)含み損拡大によるリスクについて、識者の分析

これを受けて、何人かの識者が分析を行っています。

どれでもいいとは思うのですが、27日に上がっていた河村百合子氏(日本総研・首席研究委員、財政制度分科会委員)を交えたテレ東のニュース動画が、識者が各メディアで示した懸念を網羅しているように思え、個人的にわかりやすかったので、これを基に検証してみようと思います。

ウ)予告


私も、このあたりについて詳しいわけではありません。ただ、ある識者の方から、「これを考察することは会計、財政、特に『統合政府バランスシート』の理解を深めるために、よい応用問題になるよ」との助言を受けました。

そこで、検証結果をまとめ、年明けに記事としてまとめて上げてみたいと思います。

「金利と債権価格の反比例の関係」「含み損」「逆さや」など会計や投資になじみが薄い方にはわかりにくいタームも出てくるか、と思います。もしわからなければ、手元にある書籍やネットなどで拾える情報で軽く予習していただくことをお勧めします。

河村氏の指摘するリスクは本当か、本当だとすれば、今後どういう対策が必要になってくるのか?

あるはいリスクや問題はなく、対処は不要なのか?

知識のツールとしての統合政府バランスシートを具体的事例で用いると、どういった景色が見えてくるのか、一緒に考えてみましょう。

エ)補足

「含み損」ですから、日銀が国債を売らずに満期まで保有すれば、損は実現しない、ということも言えるかと思います。ただ、動画の中で河村氏も指摘されているように、動画内でイギリス中央銀行の例も紹介されていますが、満期前に売らなければならない場合も出てくると思います。前回のシリーズで示したように、今後日本がインフレターゲットを超えて悪性インフレに至れば、自国通貨の市場供給量を減らすために国債を市中の民間銀行などに売って日銀当座預金を減らす、いわゆる売りオペを行うべき局面は、いずれ必ず訪れると思っています。

これも踏まえて、一緒に考えてみましょう。
3賀日はお休みをいただいて考えつつ、仕事始め後、記事をまとめてアップしたいと思います。

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