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プライドの分別

捨てるべきプライドと、
捨ててはいけないプライドがある。


家に帰ると、水曜日のダウンタウンがやっていた。この番組はそこそこ好き。

「すべり1グランプリ」という企画をやっているらしい。芸人が知り合いの芸人を推薦して、ネタを披露し、誰が1番滑るかと言うものだ。トーナメント形式。

正直な感想、あまり気分のいい企画ではなかった。推薦した芸人たちは、下積みの芸人のネタを見て、面白くないことを喜んで見ている。

芸人たちが人でなしと言うわけではない。
彼らも仕事で必死に盛り上げようとしている。なんなら、下積みのの辛さも誰よりも知っているのは彼らだ。

ただ、この地獄のような企画が見ていられなかった。

ドン引きの最中、ふと考えたのは、自分がこの下積み芸人だったら、この仕事を受けるかどうかだ。



自分は芸人で、売れたい!
という心の底からの意志や、夢

VS

笑わせるのではなく、面白くない芸人として笑われるテレビデビュー。でも紛れもないチャンス。


おれが目指す芸人はこれじゃない。
というプライドを持ったまま売れないのと、手段を選ばない泥臭い執念どちらがかっこいいのか。

私はわからない。分別が難しすぎる。マークをつけといて欲しい。

でも多分正解はない。どちらにせよ、誰かのためじゃなく、自分のために強い意志を持って選択した結果であればかっこいい。

反対に、成り行きだからという理由で出たり、出る勇気がなくて出なかったりするのはあまりかっこよくない。

きっとこういう選択は、誰にでもくる。というか何度も来ているはずだ。

私にとって、環境問題よりよっぽど身近な問題だ。

好きなラッパーが
「上も下もない、あるのはドラマ」
と言っていた。えげつないパンチライン。

その人が、選んだ選択肢に良し悪しがあるのではなく、選んだ過程に何があるか。

プライドか、言い訳か、自信か、不安か、見栄か、我慢か、偶然か、下心か。

私に偉大な夢はないが、そこに何が置いてあるか。すごく大切にしたい。

今日、ゴミ置き場からはみ出たペットボトルを無視して会社に向かった。

あのペットボトルを今も気にしているのは、なぜかわからない。

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