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読書記録「運転者」メモ(※ネタバレ注意)

『運転者』 
という本を、Kindle Unlimitedで読んだ。

理想を語っている自己啓発本の様で、少し「ん?」と思う所もあったが、 
心に残った言葉もあったので、それらの言葉と合わせて、感想を書いていく。  

運は〈いい〉か〈悪い〉で表現するものじゃないんですよ。〈使う〉〈貯める〉で表現するものなんです。だから先に〈貯める〉があって、ある程度貯まったら〈使う〉ができる。

「運転者」P51

運が好転するということは、別の言い方をすると、人生のターニングポイントということです。
つまり、そこを起点として人生がどんどん良くなっていくのであって、そこで何かすごいことが起こるというわけではないんですよ。あとから考えれば『あそこが始まりだったな』と気づくだけです。だからもちろん何も起こらないわけではないんですが、何か特別なことが起こったようには感じられないんです」

「運転者」p77

「上機嫌……だろ。今度は大丈夫」  
「それに……」    「損得じゃなく『興味を持つ』だろ」 運転手はコクリとうなづくと、扉を閉めて車を走らせた。

「運転者」p80

「何が起こるかわからないが、起こることを楽しんでみよう」 そう腹を決めてみると、自然と上機嫌になれた。 「なるほど、上機嫌でいるというのは、楽しいことを期待するのではなく、起こることを楽しむと決めるということなのかもな」  
→ そういう生き方をしているという事実よりも、目の前にいるこの男がそういう生き方をしていながら幸せそうに見えるという事実だった。 いや、実際幸せなのかどうかはわからない。ただ、あの運転手が言うように『上機嫌』であるのは確かだ。少なくともこの男は自分の機嫌は自分でとれる人間であるのは間違いない。修一は思わず鳥肌が立った。

「運転者」p84

「そうです。『痛み』です。ジンジンするでしょ。痛みがあってようやく身体はそれをやるにふさわしい仕様に仕上がる。柔らかいのは、何にでもなれる証で、痛みを経験して初めてスペシャリストになれる」

「運転者」p90

「ということは、誰かのために相当すごいことをやってあげたのに、何もしてもらえなければ運が相当貯まるということで間違いないな」

p111

自分も頑張ろうと思える。誰かの努力、ひたむきな姿勢は、他の人に幸せをもたらす力があるということです」

p136

「実際、世の中は誰かが頑張る姿からもらったエネルギーの集合体なんですよ。結果からもらったエネルギーの集合体じゃない。みんなそうやって、たとえば娘の頑張る姿を見て『俺も頑張らないと』って思って大変なことも乗り越えるエネルギーをもらってる。そんな大人が集まって仕事をしている、そのエネルギーがあるから、社会を動かしているんです。娘の出した結果を見てエネルギーをもらっているわけではないでしょ。

p138

「人間の一生が、自分だけの物語の完結だと思って生きるであれば、生まれた時に与えられた条件を使って、できるだけ自分の欲望を満たした方がいい人生だという事になってしまうかもしれませんが、実際には人間の一生は、延々と続く命の物語のほんの一部でしかありません。 

本当のプラス思考というのは、自分の人生でどんなことが起こっても、それが自分の人生においてどうしても必要だから起こった大切な経験だと思えるって事でしょう。

起こった直後は「最悪」と思っても、時間が経って考えてみると『むしろ良かったんじゃないか』と思える事ばかりですからね、人生なんて。だから最初から『むしろよかったんじゃないか』って思うと、結構いろんなことが楽しめることですよ。


この物語、「世の中、成功が全てという訳ではない」という方向に話が進むのだが、最終的に、主人公が大成功を収めている点には、あまり納得いかなかった。  

が、心が折れそうな時に努力をする動機づけになる言葉が散りばめられていたのは事実だと思うから、きちんと残しておきたい。

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