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自然界全てが推し 梨木香歩さん

作中、「庭いじり屋」
自身をこう表現される
梨木香歩さんの

歌わないキビタキ
  山庭の自然誌
         毎日新聞出版

ヒガラ コガラ シジュウカラ ゴジュウカラ

呪文の様に梨木香歩さんの本の中には
鳥の名前
木の名前
花の名前
草の名前
きのこの名前
動物の名前
が、溢れています。

八ヶ岳の小屋に時折り住み
訪れる野鳥達を愛で
四季を様々な木々
草花に見て過ごされる様子が
書かれています。

こんなにも検索をたて続きにした事は無く
ああ この木こんな名前だったのか
逆に名前は聞いた事あったけど、おお この木の名だったか
と、知っていた事と知らなかった事が合体することが
楽しい。

中でもネムノキとトキワネムノキの描写に心惹かれ
調べると
ますます 儚げな花に心惹かれます。

便利な世の中 万歳。

それにしても
こんな風に、自然に生きる様々の名を知っている事は
どれだけ豊かだろう。
嬉々としてベランダに訪れる野鳥を
甘やかしてしまわないよう
ご自身の「硬派ナチュラリスト軟派糾弾する声」で
バランスを保ちつつ
その熱心さは
愛。
自然界の全てが推し。


自然の中で
梨木香歩さん自身も持病を持ち
治療を受けられたり
お母様の介護の様子が語られる

例えば、寄生木につかれてもへこたれずにいるサカ木の様子に
人間も同じととらえ
〜健康で生き旺盛な時は、寄生される事におうようでいられても
エネルギーが落ちて来ると些細な搾取にも命とりになりかねない

〜でもそれ自体は本当はそれほど大した事ではないのかもしれない
少々重荷ではあっても
案外楽しいものなのかもしれない
と、

そう なるべくなら自分も
そんな風に思って生きたい。

梨木香歩さんの春は
玄関先のホトケノザやムラサキケマン
たくましいノゲシ、ハコベとやって来るそうだ。

変わらずに、素敵な春を過ごされてますように。

最後まで読んで頂きありがとうございました。
感謝します。
素敵な春でありますように。












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