自家製処方箋のすゝめ

だいすきな本がある。梨木香歩著『不思議な羅針盤』。小説『西の魔女が死んだ』で有名な梨木さんのエッセイ。

年を重ねるに連れ、エッセイを好んで読むようになった。エッセイのすきなところは、ノンフィクションなところ。それでいて、フィクションのようなところ。数ページにすっきりまとまっているシンプルさもすき。

思えば、『源氏物語』より、『枕草子』がすきな高校生だった。

『不思議な羅針盤』で一環して描かれ

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!!!!!うれしいです!!!!!
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読書雑記『やがて満ちてくる光の』

読書の楽しみのひとつは、言葉を知る喜びではないか。
梨木さんのエッセイを読んでいくなかで、そう思いました。

『やがて満ちてくる光の』梨木香歩/著 新潮社

やわらかな文章と、固い言葉のバランスが良くて。ときどき難しい漢字が出てくると、ハッとさせられます。ふだん話し言葉で使うこともなければ、書くときにパッと出てくることもない、でも言葉としては、ああ! と思い出す。それらが言葉として文章の中におさま

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ありがとうございます!
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ネットワークと居場所

今、組織やネットワークに関する本を読んでいて思ったことがあります。
人は脳と同じように、人同士がつながり、組織をつくりますが、「組織」という言葉は、捉え方の幅が広い言葉だなと思ったのです。

企業、コミュニティ、チーム、サークル、協同組合、ギルド、家族、友達…。「組織」という言葉から連想する言葉はたくさんあります。見る角度を変えれば、組織に当てはまるコミュニティはいくらでもあります。

「仕事」の

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コツコツがんばります!
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#31 食べ物が出す光のこと

私は、本をまま読むほうだと思う。
ただ、あんまり身についてない感は否めない。
インプットするけど、アウトプットしないまま終わるから、すぐにわすれてしまうのだと思う。

うちは父親が本の虫だったので、家には床が抜けるんじゃないかと思うほど本があったし、ほぼ毎週のように図書館に行っては一人5冊×6人家族の本を借りては読んでた。

今でも、やっぱり本屋さんとか図書館は好きでよく行くけど、少し読書量は減っ

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「地元」というものについて

私の友人が「地元がない」というnoteの記事を書いていた。
自分の中で暖めていてどこかでアウトプットしたかったテーマに近かったので、触発されてこの機会に少し自分の「地元感」を書いてみようと思う。

自分にとっての「地元」

私にとって所謂「地元」と呼べるような場所があるかと言われたら「ない」という答えになる。
父親が転勤族で幼少時から転々と地域を巡り、私自身もつい最近まで転勤をする立場だったので、

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魔女修行をはじめた日のこと

賢いがゆえに、頑固で、信じたことは曲げたくない。日常に溢れる理不尽が目についてしまう。非合理なことが許せない。私は、そんな女の子だった。

その頃の学校では、毎朝10分の読書の時間があった。たまたま読むものが無くなった私に、母が「これでも読めば」と自分の本棚から無造作に貸してくれたのが、梨木香歩の作品『西の魔女が死んだ』だった。

一頁も開くことなく、しばらく放置したことを覚えている。ファンタジー

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破れる膜

不特定多数の人が集う所、例えば駅。
人の多さにクラクラする。その情報量の多さに、圧倒される。
すれ違う一人一人に、想像できないほどの物語が詰まっている。それはそうなのだが、入ってくる情報をぜんぶ享受しようとするとバンクしそうになる。渋谷の交差点を歩こうものなら、情報の過剰摂取で死んでしまうかもしれない。

人の多い場所が苦手というならば、対処法がひとつある。膜をつくることだ。意図的に膜をつくること

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手すり
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【書評】『西の魔女が死んだ』等身大で、切なく、いじらしい物語

少女まいとおばあちゃんの交流を、澄み渡るような豊かな自然と共に描いた傑作だ。

田舎的な世界を描く筆致は生き生きとしている。

文体は、柔らかくもあり、美しくもある。

平明で澄んだ言葉の数々はどの年代の人にも読みやすい。

まいと母ではなく、祖母との物語というのが、この物語に心地よい遊びを持たせている。

このおばあちゃんは魔女というだけあって、様々なことに鷹揚だ。

親子の物語なら、お互いが向

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傷ついたとき

テーブルの足に小指をぶつけたみたいに、怪我と言うには大したことのないことが、グズグズと痛んで離れないとき、どうしていますか?
毎日、こころにかすり傷。仕事で、家庭で、ちょっとした小競り合い。行き違い。イライラもやもや。うまく言葉にできないときも、心は確かに傷ついている。

頭の中を覗き見ることはできないから、ほんとうの意味で理解し合うことはできない。わかっていても、この気持ちを理解して、いたわって

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スキがあなたにも巡りますように
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