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【轟音感想】Neurectomy - Overwrought


はじめに

今回はテクニカルブルデスNeurectomy、です。
久しぶりにAngel Corpseを聴いて「そういやこのアルバムのドラマーはJohn Longstrethだなぁ、OriginとHate Eternal以外だとどんなバンドでドラム叩いてたんだろ」と調べたのがキッカケ。
Angel Corpseはまた改めてnote書こうと思ってます。

Neurectomyというバンド

さてはて、今回紹介するバンドはNeurectomyです。
バンド名は「神経切除術」という意味。発音はnjuréktəmi、カタカナだとニュウレクトミィ(参考:コトバンク)
ブルデスあるあるですね、バンド名が医学用語(特に外科関係)
〜tomyは切除という意味。神経性疼痛の治療として、当該箇所の神経を切除することで痛みを根本から取り除こうという外科的発想の治療法。
めちゃくちゃラジカルな考え方。
バンドの方は2008年結成で、ニューヨークのバンドです。
メンバーは
John Longstreth (dr)
Joe (Gt,Ba,Vo)
Kris (Gt,Vo)
の3人体制。
Jonh Longstrethは言わずもがな豪腕テクニカルドラマーで有名ですが、JoeとKrisは情報が全くなく、このNeurectomyでの活動しか情報がありません。
というか、このNeurectomy自体情報がすげぇ少ないです。
レーベルにも所属してなくて、作品もデジタル配信のみのこのアルバムだけ。
オリジナルメンバーはJoeとKris、あと脱退時期が不明ですがDrのSanto。
John Longstrethは途中加入。
どういう繋がりで加入したんだろうか。。。ちなみに、Cover ArtはPar Olofsson。Pathologyの歴代ジャケアートや、Deeds of Fleshの「Crown of Soul」、Devourementの3rdアルバムなどなどのジャケを手がける有名人。
エンジニア/ミキシングはChristian Donaldson。こちらはCryptopsyの現役ギタリスト。エンジニアスタッフにはDom GrimardとCryptopsyにライブベーシストで参加したことある方がいます。
ぶっちゃけ、メンバーのJoe、Kris以外は錚々たるラインナップです。

Overwroughtというアルバム

1.Abducted for Research 03:19
2.Culinary Cadaveric Art 04:05
3.Anencephalic Birth    03:28
4.Dolphin        04:02
5.Zombified       04:35
6.Fibrodysplasia Ossificans Progressiva 04:34
7.Overwrought      04:20
8.Crimson Tsunami    04:02
Total 32:25

8曲32分と1曲平均4分なのでまぁ普通な尺ですが、音の量が半端なく多いです。
さっすがJohn Longstrethやでーという感想が1曲目の1分くらい、そのあとは「この3人?すげぇぞ・・・?」「すげぇ!!!」と感想が進化していきました。
そう、メンバーは3人なんですよ。
3人とは思えない迫力ある音像(Baは兼任なので追録して実質5人とはいえ)
音の雰囲気、全体的な感じはOriginっぽいです。無機質にカチカチカチッと人間味の無い感じ、そこに加えてCryptopsyのテクニカルさ(四方八方の違う方向に展開する類のテクニカルさ)があります。
メンバーの名前からもOriginとCryptopsyという二つの異なるベクトルを合成させた感じを受けてます。音像にはわかりやすいメロディは削ぎ落とされており、機械的で無慈悲なブルータリティが存分に詰め込まれてます。
やっぱりサウンドの中心は人間の限界に挑み続けるテクニカルなドラミングで、最近は耳にしなくなったグラビティブラストをぶち込んできたりありえない速度で変拍子入れてきたりと大暴れしつつ、それでもドラムを無理矢理にでも押さえつけようとギターが獅子奮闘しています。
ヴォーカルはガテラルメインで時々狂犬の如く吐き捨てるグロウル。ガテラルは少し高めというか、線の細いガテラル。
しかし、ガテラル以外のサウンドの存在感が半端ないのでトータル的な存在感を考慮するとこれくらいでいいのかも。

感想

John Longstrethのサイドプロジェクトかワンマンバンドなのねーと軽い気持ちで聞き始めましたが、全然John Longstrethだけのバンドじゃなく、凄腕たちによる超絶ブルータル技巧博覧会でした。
こんなすげぇ人たちが揃ってるのにレーベル未所属で、結成から15年目で初めてのアルバムなの?と色んな要素で度肝を抜かれました。
今年発売のアルバムで一番感動したかもです。
間違いなく2023年のTOP10に入るアルバムです!

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