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病院見学、行ったらコレだけは見よう

 8月9月とお休みがあったので、いくつかの病院の見学に行ってきた。病院見学ももう何度かこなし、臨床実習もしばらく6ヶ月以上経験してきた身としてはもはや慣れたものである。緊張もなくなり、余裕が出てきた病院見学では新しいものが見えてきたので記しておく。

 現時点での自分が、見学において重要だと思っているのは次の二点だ。
・住環境は良いか
・研修医は元気か


住環境は良いか

 病院見学は2年間の臨床研修をどこで行うかを決めるためのものである。そして、そこで働くというのがどういうことなのか、見学学生には多くが伏せられている。端的に言うと、魅力的なところだけを紹介し、隠したいところは隠しているはずなのである。そんな中で隠しようがないもののひとつがこの「住環境」である。

 具体的には、①「病院の近くに住めるか」、②「寮ならば間取りや築年数は許容できるか」、③「生活に必要な店はアクセスがいいか」この二点である。これを判定するために私は次のようなことを行っている。
①➡事前に周囲の賃貸物件を確認しておく
②➡必ず官舎を見せてもらう(事前に要望を伝えておく)
③➡遠征なら前日入りして周辺をうろつく(Googleマップも見ておく)

 これらの項目に問題があれば、それは2年間常に付きまとうことになるので、自分の好みとよく照らし合わせておきたいところである。

研修医は元気か

あ病院の雰囲気って言うけど、入職すれば自分の立場は研修医になるのだから実際は研修医の雰囲気が大事。よく雰囲気を見よう!みたいなアドバイスがあるが、フワッとしていてよく分からないと思ったことはないだろうか。バチッと具体化すると、良い人そうか、という視点ではなく、摩耗してそうか、という観点で見ることをオススメする。

 研修医たちが良い人っぽいか、などと言うのは各研修医の人的素養に大きく左右されるものであり、自身が入職するときもそうであるかは甚だ疑問である。もちろん、そういった研修医の雰囲気を見て、同じような気質の志望者が集まるという傾向はあるだろうが、そもそもジメッとした環境の方がいいという人はごく少数派であり、あらゆる人が「明るい雰囲気の職場」に対してよい印象を持つだろう。よって、集まる人間の気質は大して偏らないと予想される。

 それに対して、摩耗してそうか、というのは病院内の研修医の扱いや研修プログラム責任者の考え方を反映する。これは、担当責任者が変わるようなことがない限り、各年で大きく方向転換することはないものである。よって、自分の入職時にも同じような状況となる可能性が高いだろう。注意すべきは、少ないサンプルで判断してはならないということである。バイタリティの多寡は人によって違うので、できるだけ多くの研修医に会い、彼ら彼女らの平均的な印象を見極めることが必要である。事前の要望として「研修医の先生方たちとお話したいです」と伝えておけば、確実に機会を用意してくれるだろう。(というか、しなくても大体の場合は研修医と話す場を設けてもらえる。)

見学は案外役に立つ、はず

 最初は見学にどれほどの意味があるんだと懐疑的だった。プログラムの内容や給料、忙しさなどはクチコミサイトを利用すれば大体把握できるからだ。そんな私も、上述のようなことを意識してからは見学の重要性を認識し始めた。ぜひ抜かりなく病院を吟味して、有意義で快適な2年間の初期研修医生活を実現したいものだ。

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