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そんなに褒めないでほしい

 2月中旬の後半あたりに退院となり、約2カ月が過ぎました。
 そして10連休前の今日に入院。第4クール目の1週間入院です。
 3クール目の抗がん剤治療は通院でこなせたんですが、連休などが入ってしまうと継続した点滴もむずかしいということなので、担当医のS医師と相談し、今回は入院することになりました。
 病室からのアップロード。ちょっとなつかしいかも(^^;)。
 
 さて、退院してからの様子を書きます。
 1か月後くらいから、体調もそこそこ戻ってきたのでスーパーの買物は趣味のジョギングスタイルで行くことにしています。着替えはラクだし、なにより見た目を変えるだけで気分って変わるもんじゃないかと、ある日、フト着替えたら、その効果がテキメンだったからです。
 

お気に入りのジョギングシューズ


 日本のパワースポットでも有名な伊勢の「猿田彦神社」にも参ってきました。こうなりゃ神頼みだって、やれることはなんでもやってやるぞ、とばかりに足を延ばしました。おかげ横丁にも寄りました。
 

パワースポット猿田彦神社!
自分の干支に触れるとご利益大だとか?


 すると気分もさらに変わるもので・・・ようやく髪の毛もベリーショート風に伸びてきたこともあり、急に懐かしの人と今のうちに会いたいモードになってきて、仕事つながりや大学つながり、なじみの飲み仲間に、片っ端から連絡を取ることに。すると、先方も忙しいわけだけど、なんとか時間をとってくれ、お懐かしの時間を過ごすことができました。
 
 そこで感じたことなんです。
 
 やっぱり「骨髄性白血病」という病名はインパクトあるんだなぁと、みなさんのリアクションからあらためて実感した次第です。
 第一声はたいてい決まっていますね。
 「え~~、どうしたの?すっかり痩せちゃって!!!」
 表情は怖いモノを見るような戦慄?驚愕?おびえたように一瞬こわばりますね、確実に。どなたも、そう。
 そりゃそうだ、10キロも落ちてますからね。そこから説明の開始。入院前・判明した時の流れ(これが抜けてはいけない。物語なら起承転結の起ですね)、そしてほぼ3カ月半の入院生活の様子を、深刻さのスパイスを除いて少しオモシロ風に話すんですが、病名がショッキング過ぎて、ほとんど話が入っていかないみたいです。次に退院してからの2か月間のことをかいつまんで話すわけです(これが承転になりますかね)。
 
みなさん方のリアクションたるや、いやビックリ。やたら「それはスゴイですねェ!」と感心されまくり。そしてホメまくり・・・(^^;)。
 
 事前に決まっていた仕事もあり、こなさなくてはそれこそ迷惑になるので、なんとかがんばっただけです。体調もよかったので「病室をオフィス状態にして、オンラインで会議もやっていました」なんてエピソードを話そうもんなら、絶賛の嵐(^^;)。「すごいなぁ、よくやれますねェ」など感心する言葉が降り注ぎます。
もちろん、悪い気はしないし、うれしいんですが、それほどに驚いてくれるのは「がん=数年の命」「抗がん剤=苦しみながらの治療」というイメージが定着しているからなんでしょうね。もちろん、ほぼほぼ、そういう人が多いわけだけど。オイラは比較的吐き気もなく食事もとれて、仕事だって個室&無菌室だったので、そこそこ集中してできる環境というのは、わりと快適だったりしたわけで。
 
そんなことをいかにリアリティを持ってもらえるか、なかなかムズカシイと実感しました。
 
そりゃそうですよね。自分が相手の立場だったら、同じような言葉しか言えないとも思います。そして褒めてるわけなんだけど、内心では「じつは少しムリしてんじゃないかな?」「そこまでしてやらなくちゃいけない仕事ってナニなんだ?」「医療チームのみなさん、困った患者と思っただろうな?」と勘ぐるでしょうね(クロ八傑は確実に思います)。
 
さて、1週間前のこと。なじみの飲み屋さんに顔出しにいきました。もちろんメインはあいさつです。フロアを担当するKちゃんに、病名を伝え3カ月半入院していたので来れなかったことをごくカンタンに話すと、彼女の開口一番は・・・
「よかったぁ!会いたかったぁ!よくがんばったねェ・・・!」
これ、けっこう刺さりましたね。感心されたり褒められたりの言葉はうれしくもお尻がかゆいですが、この言葉はとっても素直にオイラの心に届きました。
 
 「会いたい」と思っていてくれていた・・・
 
 そういえばFacebookでもカミングアウトしているので、病状を知っている人は、「心配していました」と前置きを言ってから、いろいろ根ほり葉ほり興味関心で聞いてくる(かつてのオイラだったら、絶対こっち)。
 本音で「会いたかった」の言葉はうれしい。
 
 その理由はいずれ「会えなくなる」こと、やがて「別れがくる」ことを覚悟しているからですね。
 会いたいから会っているわけで、でも会いたいのは勝手な自分の都合なのだから内心はとっても遠慮しています。だから相手から「会いたかった」「話がしたかった」の言葉がとってもうれしいのです。
 
 さてこのニュアンス、うまく伝わっているでしょうか・・・(^^;)。


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