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喬太郎さん、神戸の館で関西弁を使うネタをやる。

吉田食堂さんの落語会。この日は神戸は新開地の喜楽館での高座でした。

とてもリラックスした雰囲気で登場してきはるので、こちらもくつろいだ気分になる。もちろん手は抜いてらっしゃらないんだけど、カリッカリな感じでなくてもいいよね、お互い、という良い雰囲気の時間だった。

夕立屋

この前「辰年だから夏の話だけど」と扇辰さんもやってた小話(今年はこれを、たくさん聴けるのかも)。

とーふー、きんぎょーえ、キンギョ、などなど、街を売り歩く行商の声掛けの話から入っていった。喬太郎さん、東京では最近、石焼き芋も聞かなくなったと言っていた。こちらではどうですか、まだありますか。そういえば、聞かなくなった気がする。

話の本筋は同じでも、扇辰さんのとはちょっと違う。そういうところが面白いなぁと思う。持ち時間によって短くするために端折ったりもあるだろうけど、それだけじゃない違いがあるのは、教えてもらったお師匠さんが違うんだろうか。同じネタでも人によってやる時によって変わるのも、落語の面白さだ。

動物園

開口一番を喬太郎さんがしたので、二席目が若手の天吾さん。
つい最近も若手の前座さんで聞いた気がするけど誰だったかなぁ。

ネコ科の歩き方を体を使ってやる若手さんらしいネタで、アドリブも入って尻上がりの調子上げだった!

粗忽の使者

お尻をつねって記憶を取り戻すお話。つねってもつねってもいっこうに効き目がないので、ついに植木職人の道具を使って、お尻よりも柔らかいところをー!!

この、つねられての「ん?」という微妙な反応が喬太郎さん最高。

何かを言うでもなく、表情と身体の揺らぎで表現してしまう。落語が「話を聞くもの」だとしたら、この辺りの表現は全部失われてしまう。

あとは、間合いがいいんだなぁ。
こちらが爆笑してる間は、お話続けるのをちょっとだけ待ってくれる感じ。お客の爆笑も、お話の一部だから、しっかり取り入れていきますよ、という感じか。良き。

社食の恩返し

禁断の関西弁が挟まるネタ、関西では絶対にやらない、やりたくない、もしやったとしたら、かなりのレアネタ!なんていうから、こちらは大拍手。

喬太郎さんいわく、「中途半端な関西弁聞いたら気持ち悪くなるでしょう?と」。

上方の落語家さんでも関西出身じゃない方は、イントネーションには苦労するらしい、確かに難しいかも。

だから、東京でやるならまだしも、「上方ではやりません!」と散々言ってたのに、やっぱりというか何というか、やり始めた「社食の恩返し」。

とある東京の企業の社員食堂。夫の転勤で大阪から来た社食のおばちゃんと、若手社員2人のお話。

これの入りは国立演芸場の職員食堂の話から。鈴本、池袋、末廣亭と、最初のマクラでも触れてまたこのネタでも触れて。関西からはなかなか行く機会がないからかなぁ。これらの寄席があってこそ独演会もできる、と強調されてて、寄席にも行かなきゃ、と気持ちが固まる。

お話は創作モノで、でも、社食のおばちゃんにお世話になったお礼に、地元から箱で届いた名産品で、おばちゃんに手料理をふるまう、なんて、あっという間に古典になりそうだ。

喬太郎さんは、関西弁の長台詞のたびに少し照れながら、間に自分にチャチャ入れしながらやっていて、こちらはそのたんびにやんやの拍手、大爆笑。

喬太郎さんの関西弁、うまいのかどうか、もはやどうでも良く、いじりネタを客先に提供してから入ったところが優勝だった!

面白かった❤️

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