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タスク管理の本質は「自分にとって何が大切なのか」を知ること

こんにちは、絵描き×PMのwakana(@wknmh)です。
今回は、お仕事・プライベート問わずタスク管理をする際に自分が重要だと考えていることについて書きます。

タスク管理の本質は「テクニック」ではない


一般的なイメージとして、「タスク管理」ってなんだか窮屈で退屈そう、そして表層的なテクニックっぽいものだと捉えられがちだなあと感じています。「たくさんのことをきっちりこなすために、いろいろ調整して管理・実行するためのもの」というような。

実際のところ、それはタスク管理という営みの一部でしかありません。「自分が何をどういう順番で実行していくのか」について考えること、それは突き詰めると自分が本当にやりたいと思っている/必要だと思っていることは何か?という部分に切り込む取り組みだと考えています。

ちなみに、自分はお仕事の一つとして「タスク管理アドバイザー」の活動をしているのですが、その中でコーチング的なアプローチ(※)を活用する場面があります。

※コーチング的アプローチ=「答えはコーチが教えるのではなく相手の中にある」というスタンス

なぜタスク管理のお悩み相談にコーチング的アプローチが必要なのか。それは、相談者が求めている「納得感のあるタスク・スケジュール管理ができている状態」とは「なぜそのタスクに取り組む必要があるのか、なぜこのタイミングで行うのか」について腹落ちできている状態だと考えているためです。
この「腹落ち」で肝となるのは、「頭ではやるべき・やったほうが良いとわかっている」状態にとどまらず、「気持ちや感情の面でもやるべき・やったほうが良いと思えている」状態であることなんですよね。

よくあるタスク管理の2大お悩み

タスク管理・スケジュール管理のご相談でよく伺うお悩みが、この2点。

・抱えているタスクが多すぎて優先順位がつけられない
・やらなければいけないタスクになかなか着手できず、後回しにしてしまう

前者は「自分(あるいはこの仕事やプロジェクト)にとって何が大事なのか」がわかっていないですし、後者は「気持ちや感情の面ではやるべき・やったほうが良いと思えていない」状態です。特に後者はなかなか自分では気付きにくいものだったりもするので、真面目な人ほど「やらなきゃいけないとわかっているのにできないなんて、自分は駄目なやつだ…」と落ち込んでしまいやすい。

逆にいうと、その2点が解決されればこうしたタスク管理・スケジュール管理のお悩みは解決しやすい、ということでもあります。

「このタスクをその期限までにやる理由」を自分に説明できるように

これは仕事でもプライベートでも同じです。
そのタスクをやらなければならない理由を考えてみると、こうなります。

仕事 → そのプロジェクトのゴールに●●という形で必要だから
プライベート → 自分の生活・やりたいこと・ありたい姿に●●という形で必要だから

より具体的にしてみると、このような感じですね。

▼お仕事タスクの例:リサーチ作業の場合
・タスク内容
●●業界の市場・競合調査
・このタスクに取り組む理由
クライアントへ提案する施策を検討するには、先方の市場における立ち位置や強み・弱みを把握する必要がある。現在自分が把握している知識・情報量ではその把握が不十分であり、根拠となる客観的な情報を揃えたいと考えているため。
・いつまでにやるのか
今週金曜日まで
・そのタイミングまでにやる理由
来週水曜日に先方との打ち合わせがあるので、火曜までに提案内容をまとめる必要がある。来週月曜・火曜日をそのまとめ作業に充てるには、今週中にリサーチ自体を終えないと間に合わないため。

▼プライベートタスクの例:洗濯の場合
・タスク内容
洗濯機を回す→干す→取り込む→たたむ→しまう
・このタスクに取り組む理由
自分が清潔な暮らしをするため、また外出のある日に着たい服をきれいな状態に整えておくため必要。
・いつまでにやるのか
今日中
・そのタイミングまでにやる理由
明日お昼に待ち合わせの外出予定があるので、洗った服が明日の午前中には着られる状態になっている必要があるため。

タスクがお洗濯のように個人で完結する、そしてその工程が見えやすい作業ならわりと簡単です。
しかし、世の中のお仕事は基本的に誰か他の人と関わりながら取り組むもの。かつ、自分が関わる部分はその一部だけだったりします。
それゆえ「なぜこのタスクはこの期日までにやらなければならないのか」「そもそもなぜこのタスクを行う必要があるのか」を把握しづらかったりする。
自分が把握できない領域が含まれていることで「言われた・依頼されたからやらないといけないもの」「自分でコントロールできないもの」と無意識に受け止めてしまって、ついつい「もらったままの形」でこなそうとしてしまうのです。

そう、「頭でわかっているけどできない」は「頭でわかっているような気がしているが、実は気持ち・感情で納得できるレベルでは深く理解していない」状態なのです。自分の中に隠れている違和感が、行動のハードルを高くしているんですよね。

逆に、必要ではなさそうなタスクでも「ついやってしまう」ものもあります。優先度が低いからやめたほうが良いはずなのにやってしまうこと。それは、実は自分が自分らしくいるために必要なものだったりします。つまり「頭ではわかっていないが、実は気持ち・感情で納得できるレベルでやりたい理由がある」状態ですね。こちらについてはまた別途書けたらと思います。

↓書きました


やりたい・やらなくてはいけないのにやる気が起きない理由もそこに隠れている

「自分の中に隠れている違和感が行動のハードルを高くしている」状態は、「やらないといけないのにやる気が起きない→タスクをこなせない・先延ばしにしてしまう」問題にも大きく関わっています。「やる気が出ないな…」と気付いたら、なぜやる気が起きないのかを掘り下げて考えてみることをお勧めします。そこにはおそらく物理的に、あるいは心理的に行動を阻むハードルが存在するのではないかなと。

何が自分の行動・その着手を妨げているのか?をクリアにしてみる。そのために、日頃から「自分は今もやもやしていないか?」を意識的に感知できるようにしたいところ。

物理的なハードル(すぐ着手しづらい環境・状態)があって着手できない
→ その原因を突き止めて解消する

モチベーションが上がらず着手できない
→ モチベーションが湧かない理由を突き止める
※もしかしたらそのタスクに納得できていない(やる必要がないのではと感じている)可能性があるため

「勉強」に関する物理的なハードルと心理的なハードルの例を見てみましょう。

▼物理的なハードルの例
・現状
机の上が散らかっている
・ハードル
勉強を始めるには机の上を片付けるところから始めないといけない。それが面倒に感じる
・解決策
机の上を片付けて、勉強に使う道具を置いておく→いつでも勉強が開始できる状態にする(物理的なハードルの撤去)

▼心理的なハードルの例
・現状
資格を取りたいと思って参考書を買ったが、なんとなく着手できない
・ハードル
やったことがない(わからないことが多い)勉強なので気が重い
・解決策
まずは「参考書を開く」という小さなタスクを実行する→ 勉強の内容&ボリューム感をイメージしやすくする(心理的なハードルの撤去)

そのタスクに納得できない理由を深掘りしたら、実はそのタスクをやる必要はない・違うタスクややり方のほうが適切だったということもあります。
タスク管理の基本は「そもそもやる必要のないことはタスク化しない」ことなので、手元にあるタスクの必要性・代替性について常に頭の片隅で意識できていると良いかなと。

もやもやした状態が続くとタスクは溜まり、最終的には期日に間に合わない・駆け込みでどうにかする…という力技での解決になりかねません。
そして力技の解決をしているときは、得てしてあまり気持ち良くない状態であるケースが多いのではないでしょうか。

まとめ

タスクについて言語化した上で、「これをやる必要があるかどうか」を決めるのは自分です。たとえそれが人から指示・依頼されたものであっても「それを何のために行うのか」「なぜそのやり方なのか」「それを自分がやる必要があるのか」に納得感がないと、そもそもやる意味が薄れます。

私たちの貴重な人生の時間はただ多くのタスクをこなすためにあるのではなく、自分がやりたい・必要だと思うことをできるだけたくさんやるためにある。
「そのタスクは意味のあるものなのか」「自分がやるべきものなのか」を問わないとタスクに忙殺されてしまうし、思うように進められず不必要に落ち込んだりしてしまいます。

違和感を無視せず、その背後にある自分の気持ち・感情に気付くこと。それは、言語化を通じて自分が大切にしているもの・ことを知ることにつながります。自分にとって意味・価値あるものは何か?ということを自問自答して、行動につなげていきたいですね。

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