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さよならから始まる旅

どうも皆さん、こんばんは。久しぶりの投稿になりますが、元気です。

突然ですが、不老不死について考えたことはありますか。
多分、誰しも少なくとも一度は考えたことがあるんじゃないかと思います。マンガをよく読む人は特にですね。
不老不死になった、若しくはなろうとしたキャラクターは数多く存在します。
ディオだったりフリーザだったり、後者は特に不老不死に固執していたので、読んでいた人は(俺が不老不死になったら何すっかな~)とか考えてたんじゃないでしょうか、僕もその一人です。

話変わりますが、不死身キャラによくある背景としては、不死身が故に人との”別れ”を嫌い自分から孤独になろうとする、とかでしょうかね。不死身だから人との出会いは無限にあります、しかしそれと同時に”別れ”も同じ数だけあります。
出会った人々が自分より先に老い、そして死んでいく。僕なら多分耐えられません、なので不死身になったとしても、上記のように人との関係を断つと思います。
今回はそんな、不死身が故の出会いと別れに焦点を当てた作品を紹介します。

週刊少年マガジンにて連載
大今良時先生の「不滅のあなたへ
現在単行本第11巻まで発売中

「聲の形」で有名な大今良時先生の、連載中作品です。

あらすじ
何者かによって”球”がこの地上に投げ入れられた。
情報を収集するために機能し、姿をあらゆるものに変化させられる
その球体は死さえも超越する。
ある日、少年と出会い、そして別れる。
光、匂い、音、暖かさ、痛み、喜び、哀しみ……
刺激に満ちたこの世界を彷徨う永遠の旅が始まった。
これは自分を獲得していく物語。


この作品に関してはどれだけ考えても言葉にならない感情ばかり浮かんでくるので、サクッと紹介してしまいます。

なにより見所なのは主人公フシの不死身が故の葛藤や、フシに寄り添う人たちの思いや願いです

投げ入れられた球体は”フシ”と名付けられ、様々な人と出会いそして”別れ”を経験していくのですが、フシは亡くなった人に姿を変えられる能力を持ち、変化したい人物の身体能力を借りて降りかかる困難に立ち向かうことになります。
フシ自身、この能力に困惑しながらも出会った人々を忘れない様に旅を続けていきます。

人間にとって、『』とはどの瞬間を指すのでしょうか。
心臓が止まった時だ、脳波が観測されなくなった時だ、度々議論になりますが、この作品では「人々の記憶から忘れられた時」を『死』の本当の意味にしています。
一話一話のドラマが、必ずしもハッピーエンドと呼べる物語ではないです。フシの大切な人や、フシと出会った人の大事な人が、死んでしまう場面も多々あります。
ただ、死んでしまった人の物語はそこで終わってしまいますが、不死身であるフシが姿を変える事でその人達が確かにそこにいた事への証明になり、遺された人達は死んでしまった人達の想いを受け継ぎながら前へ進み、死んでしまった人達は「遺した人達から忘れられる事のない」本当の意味での不滅の存在へとなるのではないか、そんな気持ちになる作品です。


死ぬ事がない不死身の存在が、幾多の”死”を経験し、それを糧に前へ前へと進む彼の行き着く先は一体何処なのか。
ぜひご自身の目で確かめてみて下さい。


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