プロバイオティクスと2型糖尿病

原題:Probiotic reduces bacterial translocation in type 2 diabetes mellitus: A randomised controlled study

概要
・ヤクルトと順天堂の共同研究。
・日本人2型糖尿病患者70人を2群に分け、片方にヤクルトを、もう片方にプラセボを16週間飲ませた。
・糞便中の乳酸菌とClostridium coccoidesおよびClostridium leptumはヤクルト群の方が多かった。
・血中バクテリアはヤクルト群の方が低かった。
・糞便中の有機酸は両群で同等であった。

参考になった点
・『マウスに高脂肪食を与える→腸内細菌の変化→オクルディン・ZO-1といったタイトジャンクションプロテインが減少→血漿中のLPSが上昇→低度の炎症状態になり、インスリン耐性』というのがメタボリックエンドトキセシアの概念。
・この論文では『腸内細菌の変化』『血中バクテリア』の点しか明らかにしていない。特に投与後の炎症性サイトカインや糖尿病マーカーでは良い結果を得られていない。それでもSCIENTIFIC REPORTSに載るんだなーという感想。
・ヤクルト投与群で、投与開始→投与後で有意な変化が得られなかったとしても、投与後の投与群/プラセボ群を比べて有意差があればそのように記載できる。

覚えるべき単語
Received allocated intervention 指示通りの介入を受けた(この場合では指示通りにヤクルトを飲んだ)
Lost of follow-up 行方不明 操作を続けられる状況でなくなった(中止)
どっちも治験で使われる単語っぽい。
fasting blood glucose 空腹時血糖

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