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【Research】 物語とデザイン( Romain Gary著「天国の根」,Emile Ajar著「これからの一生」,Hiker Meat )


前回に続き,物語,フィクションに関するリサーチをご紹介します。

【 1 - 22.  La vie devant soi 】

フランスで最も権威のある文学賞のひとつである,作家人生で一度しか受賞することができないゴングール*賞を二度も受賞したのが Romain Gary (ロマン・ガリー)です。
1956年に小説「 Les Racines du ciel 」で同賞を受賞しましたが,1975年に出版されたこの小説「 La vie devant soi 」は Emile Ajar (エミール・アジャール)という偽名で出版されました。
この事件が明らかになったのは1980年に著者が亡くなった後でしたが,出版されるやいなやアジャールの二重人格を疑う声が上がりました。
小説家としてだけでなく,映画監督、外交官などその活動は多岐に渡り、彼にとって二度のゴングール受賞は計画の範疇だったのではないか。違う誰かの生涯を生きるかのように,さまざまな立場と創作が彼の人生そのものなのではないでしょうか。
邦題『これからの一生』を読みながら,自ら命を絶った彼のドラマの一部に対峙しています。


【 1 - 23.  Les racines du cie 】

この本は前述の通り,ゲイリーが本名でゴングール賞を受賞した作品です。
物語の軸となっているのは自然保護の考えです。フランス領赤道アフリカが舞台となり,十字軍の環境保護論者である主人公のモーテルは象を絶滅や狩猟から守ることに自分の人生を捧げています。彼の活動は、ナイトクラブのホステスであるミンナと,英国軍将校で​​あるフォーサイスに支援されながら進んでいきます。

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興味深い点は,
・ふたつのペンネームで出した本が両方賞を取ったこと。
・それが同一人物だと亡くなるまでバレなかったこと。
・騙される人と騙されない人がいて,考えを深めるきっかけとなること。
このような出来事に対し周囲の反応は国によって差が出そうです。
小説を読み進めていく中で,制作のアイデアを見つけていきたいと思います。


【 1 - 24.  Hiker Meat 】

2009年からアーティスト Jamie Shovlin (ジェイミー·ショブリン)は英国の田園を主にアメリカホラー映画の代表的な元素として使用し,ホラークリシェの隠喩と文字通りの組み合わせを作成しました。それがこのオーダーのモチーフである「 Hiker Meat 」という作品です。


様々な映画から引用された個々のシーンは,特定のジャンルの比喩を共有しています。ROUGH CUT は単純なモンタージュというよりは,むしろ映画の神秘と魔法の啓示です。これは予告編,ポスター,アートワーク,インスタレーションの形のみで実際の映画は存在しませんが,だからこそ魅力的です。彼らが従来のイメージ形式では決して存在しないものを作っているという事実が,比類のない作品にしています。
私たちは日本のB級ホラーの映画ポスターのテイストを参考にポスターを制作し,「 HikerMeat 」の新編として新しいストーリーを考えていきます。


【 クラウドファンディングのご支援のお願い 】

本プロジェクトは,今秋の展覧会開催のためにクラウドファンディングを実施しています。
目標金額400万のうち,現在260万円以上のご支援をいただいております。
ご支援いただいた皆様,本当にありがとうございます!

こちらは7月末までの期日で,まだまだ皆様のお力が必要です。
少しでも「応援したい」と感じた方は,ぜひご協力よろしくお願いします!
詳しくはこちらのリンクからご覧ください。


また,以下のSNSも随時更新しております!
ワークショップの様子など紹介していますので,こちらもぜひご覧ください。

●Instagram
https://www.instagram.com/geidai_wmdywtl/?r=nametag

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●Twitter
https://twitter.com/wmdywtl_tokyo

画像引用元:
https://en.wikipedia.org/wiki/The_Roots_of_Heaven_(novel)
https://www.amazon.co.jp/dp/2070373622?tag=note0e2a-22&linkCode=ogi&th=1&psc=1
https://youtu.be/2Lb-nU9dFec
(本記事に使用している画像に問題があった場合はご連絡ください。)

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