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はじめまして


ご挨拶

皆さんこんにちは,はじめまして。
私は東京藝術大学大学院で主にビジュアルコミュニケーションを専門に学んでいます,修士1年の佐藤 由香といいます。
この度,本プロジェクトの広報担当として執筆させていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。


このアカウントでは,現在私たちが取り組んでいるプロジェクト「 Which Mirror Do You Want to Lick?(以下WMDYWTL?)」について発信していきます。

【 WMDYWTL?って? 】

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フェイクニュースやエコーチェンバー現象が示すように,インターネットやSNSの普及した現代では,人々は自分の信じたい情報だけを摂取することが問題になっています。

この事態は,私たちが「現実」と信じているものが,メディアを介したテキストや画像による情報によって作り上げられたものであることを,明らかにします。

現実が視覚情報によって代理表象されるのではなく,表象が「もうひとつの現実」を構築してしまう。そのようなデザインのリアリティに注目した展覧会が「 Which Mirror Do You Want to Lick?(どの鏡をなめたいか?)」です。

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実現しなかったデザイン案や実在しないアーティストの作品などを集めたこの展示は,近年のビジネスやテクノロジー指向のデザインからは見えてこない,もうひとつのデザインの作用を浮かび上がらせます。

この展示をキュレーションしたのは実験的なアプローチで世界に知られるデザイナー集団Åbäke (アバケ),ユニークな書体デザイン知られるラディムRadim • Pesco(ラディム • ペスコ),グラフィックアートのキュレーター,Sofie Dederen(ソフィ デデレン)ら。

同展は,2016年のブルノ・ビエンナーレ(チェコ)で初公開されると大きな評判を呼び,その後ヨーロッパ各地やオーストラリアを巡回してきました。
これら展示はただの巡回展ではなく,その開催地のローカリティや関わる機関人々の性質にあわせて内容を発展させていくことを特徴とします。

そして2020年,東京藝術大学での日本巡回展が予定され,日本という文脈で本展とそのテーマがどのように展開されるのかに期待が寄せられました。
しかし,現在まで続くコロナ禍が発生。海外からの渡航や作品の確保は困難なものとなってしまいます。
そのような状況の中で,開催予定地となっていた東京藝術大学という文脈をふまえて,ひとつのプランが浮上します。それは学生たちの解釈と制作によって,この展示の「もうひとつのバージョン」を現地で作り上げる,というものでした。

キュレーターらとリモート環境でコラボレートし,リサーチと想像力をもとにまだ見ぬ結果へと向かっていくその方法は,現代日本のデザイン教育に対する「もうひとつの教育のありかた」の試みでもあります。
決して「楽しく分かりやすい」企画ではありません。しかし,この試みには「分かりやすさ」ばかりがもてはやされる現代社会が取りこぼしてしまうさまざまなデザインの可能性や視点が詰まっています。

本展の実現は,デザインという考え方を現代のテクノロジーや資本による支配から取り戻し,真に人間的な「もうひとつの未来」に繋げていくためのチャレンジなのです。

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これからどうぞよろしくお願いいたします。




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