見出し画像

#5 雨

100日後、30歳になる小川 #5

今日、仕事を終えてラーメン屋でラーメンを食べていたら外から「やべぇぇぇぇぇ!」という叫び声が聞こえてきた。窓の外を見ると5人くらいの若者が洋服を頭に被り全速力で左から右に列を成して駆け抜けていった。そして空はゲリラ的な大雨。

良いなぁ。

うるさいなぁとか、迷惑だなぁとか、そういう事じゃなくて、真っ先に良いなぁと思った。大雨が降ってきて、やべぇって言いながらみんなで街を駆け抜ける、なんてドラマチックなんだろう。羨ましくすらあった。


雨だ、やだなぁ。
そう思いながら不機嫌な顔で早歩きする。
そうして出来るだけ屋根がありそうな場所、なんだか濡れないような気がする木の下を歩いてみたりする。
その足でコンビニに入りビニール傘を買う。
そういう雨に限ってすぐ止んで、ビニール傘をどこに置いたかわからなくなる。そして5分後にはそのビニール傘の存在すら忘れていってしまう。

最近、そのような雨との向き合い方しかした事のない自分は、彼らが楽しそうに駆け抜けていく姿は相当に眩しかった。僕はいつからあの気持ちを忘れていったのだろう。


4年前、東京に引っ越してきてすぐの頃、新鮮な気持ちの連続だった。研修中毎日のように歌舞伎町に通って、歌舞伎町の門を見るたびに龍が如くみたいだなぁって思っていた。アルタの前を通るたびに笑っていいとも!を思い出していた。会社の近くのドコモタワーを見るたびに、大きい。高い。今日は何色に光っているんだろう。そんなことを考えていた。

今はどうだろう。キャッチとどれだけ目を合わせずに通れるだろう。人と人の間をどのくらいスムーズに通過できるだろう。今日もでけぇし光ってんな。(ドコモタワーはいつ見たってでかいし光っている)

結局、何かしら思いながら生きてはいるけど強く心が動くタイミングはどんどん減っていっている、ような気がする。だからこそ時間が過ぎるのがどんどん早く感じるようになるのかもしれないな、とか思ったり。だからこそ、毎日何かに対して考えたり、文章にしてみたり、そういうことをしたいって思ったのだった。

そうだ。僕がnoteを始めたいと思ったのはそういう理由もあったのだな、とあの若者たちに気付かされたのだった。


そういえば今日(日付変わって昨日)は6月5日。ロゴマークの日だそうだ。僕はロゴマークを作るのが好きだ。またその話はどこかのタイミングでしようと思う。

ひとつだけ、自分のために作ったロゴマークがあるので、それだけ置いていこうと思う。小川晶弘のロゴマークである。昔はよく使っていたのだが、最近はめっきり使わなくなったなぁ。

三角形

それでは、今日はこの辺で。


僕が30歳になるまで、あと96日。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?