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ほのぼの生きる  176_20230716

悪癖を直す劇薬

私が敬愛する祖父は、小指の爪だけ伸ばしていた。
これでピンとくる人はいらっしゃるだろうか。
そう、「鼻をほじる」のが癖だったのだ。

おそらく小さい時からそれを見て育った私もしばらく鼻をほじる癖がなくならなかった。
この話は後にしよう。

私には小さい頃、三大悪癖があった。
1つは癖というよりは、箸の持ち方が悪かった。
これは誰しも経験があるのではないだろうか。
いま現在、お子さんがまだ・・・と言われる方もあるかもしれない。

私は一瞬で箸の持ち方を正そうとした過去がある。
もうほとんど記憶には残っていないが、ぼんやりと母親にずっと箸の持ち方が悪いから直しなさいと注意をされていた覚えがある。
でも私にとって日常会話となっており、直す気持ちがなかった。

ある日、我が家に両親の会社の同僚が集まって宴会をすることがあった。20人ぐらいいただろうか。
その中に苦手なおばさんが一人いた。
なんでもはっきり物をいうおばさんだった。
母より10歳ぐらい上の年配者だった。
独身だったそのおばさんは私のことが大好きだったらしく、隣に座ってきた。

「うぉんのすけは、箸の持ち方がおかしいな」
と皆のいる前で大きな声で言った。
とても恥ずかしかった。だからこのおばさん大嫌いっ!

でも、もう二度と皆の前で辱めを受けたくなかった私は、それから箸の持ち方を直した。
今ではそのおばさんに感謝している。
そのおばさんももう90歳近くになる。
うちの母はいまだに電話で安否を確認する仲だ。
いつも私のことを気にかけてくれているらしい。
こうして、私は親ではないたくさんの大人から育ててもらった。

2つめの悪癖は、爪を噛むこと。
これは結構長引いた。
小学校高学年ぐらいまでだっただろうか。

うちにくる警察官のおじさん(祖父の友だち)が、いつもチェックした。
「うぉんのすけ、手を出してみろっ!ほら、また噛んでる。いいか、女はな、綺麗な手でなければならん。爪を噛むと綺麗に伸びん。大人になってから後悔することになるぞ。」
といつも注意されていた。
そのおじさんは、ぶっちゃけ、格好よくなかった。
天才バカボンにでてくるお巡りさんみたいな感じ。
おじさんが選んだおくさんも決して美人さんではなかった。
だから、説得力がなかったのかもしれない(笑)
でもこのおじさんとおばさんには本当にお世話になって「人の良さ」を教えてもらった。
結局、人間は見た目より中身だと学んでいるのだから、全く皮肉なものだ。

私の爪はいつも短い。
これには理由がある。よく手を動かすからだ。
爪が伸びているとあちこち引っかいてしまい、だめだ。
よって爪は短く切っている。
ボルダリングをするようになってからは特に。
もう私にはマニキュアも長く整った綺麗なキラキラ爪も必要ない。

ここで、ブレイク。
(珍しい、新しい形!)

なぜ、今日、この癖の話を記事にしたくなったかというと、昨日、この記事を読んだからだ。

そういえば、昔、変な癖がたくさんあって、それにまつわる変な思い出もいっぱいあるなぁと思い出したから、恥を忍んで書いてみた。
結局、私の悪い癖を直してくれたのは、親ではなく他人だったということ。
恥ずかしい思いをしなければ、癖ってなかなか直らないものなんだな。

さて、最後に「鼻をほじる」癖。
これは強烈な思い出でしかない。

あれは小学1年生のことだった。
私は教室のちょうど中心の席に座っていた。
当時「鼻をほじる」のは悪い癖だと認識があったのだと思う。
家ですればいいのに、学校でほじってしまったのだ。
しかも、皆に見えないように片方の手で鼻を隠すようにして。。。(笑)
前から見れば分からないとでも思ったのか、見事に斜め後ろの子に見られていた。

その子は近所の子で一緒に集団登校していた友だちだ。
彼は授業中におもむろに手をあげて「先生!うぉんのすけが鼻をほじっています!」と報告した。
ぎくっ!
「きたねー」と男子が笑う。女子もきっと笑っていたことだろう。
もう頭がパニくって、その時のことはそれだけしか覚えていない。

優しい年配の女の先生だったから、たぶん上手くその場を収めてくれたと思う。私も泣いた覚えはない。
ただ、隠していたつもりが(笑)見られていたということと、皆の前で発表されてしまったということが、ショックだったのだと思う。
たぶんその出来事が強烈すぎて止めたと思う。
まぁ、昔のことだ。
いじめとかにつながらなくてよかった。。。

というわけで、
悪癖を直すには、ある程度のショック(劇薬)が必要かもしれない。
そして、子どもの前では決して鼻をほじってはいけないということを大人の方にお願いしたい。

おわり

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